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2023年2月の記事一覧
語ってほしい、ユーリー(ユーリーのはなし②)
朝 わたしのとなりはびっしょり濡れている ベッドからのびるのは 青い歴史の時間 ユーリーは イルカのように 星を叩き飛んでいった あたたかい水のながれる ふるさとへ あおい筋の カレンダーを織ってもどして きみのほそい今日の呼吸を 深く吸う 藍色の星の いのち わたしは要らないのか もういちど訊く わたしは要らないのか 海が泣いている だれにも読めな
もっとみるTomoPoetry、ユーリーのふるさと
** ユーリーの包帯の上下は 汗ばんでいた 白く、青く、ピンクに ユーリーのふるさと 南太平洋の砂浜のように 青いシーツは ひかり、反射している ユーリーの過去の恋 誰も握らない指 ユーリーの胸から取られた 肉のかたまりは わたしだけが見た ユーリーの恋人も 小さな子どもも見なかった 銀色の皿で それは語っていた わたしはユーリーと生きた ユーリーは
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