Mogut 観た感想 良くも悪くも

大手を振って外に遊びに行くことがまだまだ油断できない中、それでも舞台観劇はしたい!(だって黙って座ってるだけなんだから会食よりリスク低いよね)

ということで、A.B.C-Z塚田僚一が主演を務める『Mogut-モグー〜ハリネズミホテルへようこそ〜』を観てきました。

昨年末には新型ウイルスの新規感染者数が4桁にのぼり、緊急事態宣言も出たりしたので、正直どうなるかと思いましたが無事幕は上がり千秋楽まで上演しきりました。
座席は左右1席開け、前後は人が重ならないような配置に。
左右開いてるの、ホント快適です。。

会場は品川プリンスホテルのステラボール。
座席の良し悪しが割とはっきりしている、との噂を聞いていましたが、確かに場所によっては舞台上へ向けて首を捻り続けないといけないので体が凝りますね。誰かがモナリザの絵で例えていましたが、まさに秀逸な例えだと思いました。

さて、舞台の内容ですが、元ネタは絵本らしく、登場キャラクターはみんな動物です。というかモグラとハリネズミしか出てきません。というかモグラは塚ちゃんだけ、その他はみんなハリネズミです。
お話は、塚ちゃん演じるモグーが、(かつて)5つ星のホテル“ハリネズミホテル”に宿泊&ディナーを楽しもうと訪れますが、そこはハリネズミ専用のホテルに変わっていた…種族での“区別”を突きつけられたモグーはどうにかしてホテルに泊まろうとして———といったものです。

ざっくり掻い摘むと、種族の違いなんて大したものではないし区別できるほどの立派な理屈もない、大きな楽しみ・喜びの前にはみんな平等である、といったことだと思います。
この作品では、美味い料理を作るのに種族は関係ない、美味いものは種族関係なく美味い、みたいな感じでした。
平たく言うと、“みんな仲良くしよう”、かな。この作品に込められたメッセージはとてもシンプルだと思います。

話は分かりやすく、キャラクターが動物のせいか、キャストの動きがなかなか派手で視覚的な楽しさが溢れていました。ディズニーショーを観ているような、大振りな動きが多かった印象。
こういった作品に塚ちゃんを充てたのは大大大正解だと思いますね。
パフォーマンスで人を楽しませることを大事に考えている彼ですし、動きの一つ一つに基礎力の高さが現れていてとても魅力的でした。

良かった点は多いのですが、絵本ベースだからなのか、メッセージ優先だからなのか、なんとなく大雑把な処理というか引っ掛かる点も無きにしも非ず。

冒頭では、モグーとは1歳になりたてで親のナワバリから強制的に独り立ちさせられた状態である、といった印象付けがありますが、実際には独り立ちしてからまあまあ経ってる状態であることが突然判明します。
実はモグーはハリネズミホテルでシェフの修行をした後、世界各国のホテルでのシェフ修行を経て、現在は5つ星ホテルのシェフとして働いているのです。
素朴な疑問「え、今何歳なのよ?」
冒頭の語り部の説明によるとモグラの寿命は大体3年だそうで、1歳で独り立ち、それから素人が5つ星シェフになれるほどのシェフ修行を経ているので、2歳は超えているのだろうか…

まあ、「実は…」なんて手法はいくらでもあることだし、「確かにフライヤーではシェフの格好してたな」とも思ったので、逆に腑に落ちた感もあったり。

最終的に、5つ星ホテルシェフ・モグーの美味い料理により改心した(させられた?)ホテル支配人は、ハリネズミ専用であることを辞め、モグーの料理の師匠でもあるかつてのホテルシェフも戻ってくることになるのですが、「モグーも一緒なら!」とモグーもハリネズミホテルで働かせようとします。
「え、モグーは今5つ星ホテルの中でも上位クラスのホテルでシェフしてるのに、勝手に決めていいのかい、師匠?!」なんて野暮だよ私は。

結果、ハリネズミホテルのモグーの料理は評判となり5年後まで予約が入るようになった、という結末ですが、「あぁ、モグーの寿命はいつまで持ったのだろうか。。」だなんてまたまた野暮な私。

ところで、「種族の垣根なく、みんな仲良く!」とはとても聞こえがいいのですが、ハリネズミ専用側の言い分もなかなか筋が通っていたりしましたね。
「趣味・思考・価値観の違うあらゆる種族を受け入れると、どれかの種族が快適に過ごせなくなる」というのは一理あるし、「他の種族には敬意を払っていますが(自分の種族が快適に過ごすための)これは区別です」も言ってることは間違ってないのかな、と。
モグーが作った料理を頑なに食べようとしない支配人は「例え勧める側が良かれと思っても(見当違いの勧めは)押しつけに過ぎない、権威主義の現れだ」と拒否します。「モグラの作ったものは食べない、これは私の信念」であると。
なかなかハッとさせられる意見だと思いました。真っ当ではありませんか。
昨今は“個”や“マイノリティ”を尊重する意識が随分と浸透したと思います。
そう思うとこの支配人の意見はバッサリと斬られていいものではなかったのではないかと思ったりしちゃいますよね。
最後は“あれこれ言ったけど結局食わず嫌い”みたいな感じで事は収まってしまいましたが、ここまで頑なになる支配人には何かあったのかな?

まあ細かいこと考えても仕方なし、そんな重苦しい作品でもないので。
あーだこーだ言いましたが面白い作品でした。
他のキャスト陣も素晴らしかったです。
塚ちゃんと細見さんのしょうもないアドリブバトルとか、小学生男子の昼休みかよって感じでまぁーくだらなかったですね!(褒めてるしめっちゃ大好きああいうの)
菅原りこちゃん、可愛かったな〜
アドリブ連発の部分では、チームの雰囲気の良さが伝わってきましたね。
無事に終わって何より!やっぱり生で観劇するのは楽しいなあ。

そうそう、塚ちゃんが何故かオペラ調ハイトーンでフランス語の挨拶をする場面があったのですが、手の組み方・立ち方にメロディ先生がよぎってしまってしんどかったです!

そして衣装の上からでも分かる塚ちゃんの太ももの筋肉。。。
塚ちゃんお疲れ!

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