2024マイプロスペクト紹介

あけましておめでとうございます!MTMです。
昨年はWBCに始まり欧州選手権、アジア大会やAPBCなど国際野球界にとって非常に大きな一年となりましたね。今年も巨人の台北ドームでの記念試合や欧州選抜VS侍ジャパン、中国紹興でのu-23に加え年末には2028ロス五輪出場を兼ねたプレミア12などが予定されています。楽しみ!

さてさて、そんな2024年初めの記事と言うことで「今年この選手に注目したい!」マイプロスペクトの紹介をしようかなと思いまーす。


1.🇵🇰アマーン•カーン(Amaan Khan)

期待度★★

パキスタン野球の今後を担うであろう期待の18歳。
WBCの予選大会にも出場し、今冬にはアジア選手権にも出場。
1m95cmの長身から放たれる速球で奪三振を奪う本格右腕です。
アジア選手権では日本戦に1と2/3イニング登板。ガンの辛い台北ドームで常に140キロ越えを記録し最速は146キロ。NTT東,ENEOSの中心打者である向山•丸山から三振を奪い台湾のファンを魅了しました。
その後パレスチナ戦でも登板しこちらでは3と1/3回を投げて3奪三振しています。
伸び代は非常に高く、米大学に行き今後どれぐらい成長するのかは注目したいです。サインやツーショットに応じたりDMに返事してくれたりとファンサービス精神の良さは野球選手トップクラス(かも)

やさしい

2.🇰🇷李主形(Lee Ju-Hyong イジュヒョン)

期待度★★★

キウムヒーローズに所属するプロスペクト外野手。
23年7月末にトレードによってLGツインズからキウムに移籍。(キウム:チェウォンテ⇔LG:2024ドラフト1巡目指名権+イジュヒョン)
LGでは出番の多くなかった彼ですが、移籍後はその積極打法を武器に怪我で居なくなったセンター•イジョンフの穴を埋める大活躍。
キウム移籍後は出場51試合ながらも打率.330 6本 34打点 OPS.911 (OBP.396/SLG.515) wOBA.410 wRC+155.4と圧倒的な打撃スタッツを披露。
特徴としては引っ張りの傾向が強いのと、落ち球•直球へのRun valueが高い点が挙げられます。
ただし重大な懸念点として昨シーズンのBABIPが.404と異常レベルの上振れをしているのが不安です。昨年の活躍がまぐれではない事を今年1年間成績を残して証明してもらいたいな〜と淡い期待を抱いているのが正直なところ。(厳し目)

↑イジュヒョンの指標(要翻訳)

3.🇨🇿マレク•フルプ(Marek Chlup)

期待度★★★★★

一時期巨人のインスタをフォローしていて話題になっていたチェコのアーロン•ジャッジ。
WBCでは佐々木朗希の163km/hのストレートを長打にし結構話題になっていたのも記憶に新しいかと思います。
典型的な5ツールプレイヤーであり身体能力が非常に高く、NPBのプレイヤーで近いのは糸井嘉男あたりになるのかなと。(選球眼には圧倒的な差がありますが)
昨年は大学卒業後米独立リーグ(AA)のレイクカントリーでプレー。34試合に出場し打率.325(126-41) 9本 OPS1.020 (.397/.623) BB/K .302(BB13/K43)と三振の多さが目立つものの主力打者として活躍しました。ちなみに試合数こそ異なるのであくまでも参考ですがこの成績は2021年にウォーカーが同じ米独立AAで残した成績に近いです。
懸念点はやはり三振の多さ。特に10月の欧州選手権ではその点が浮き彫りとなった大会であり、大会を通して23打席で11三振と散々な結果に終わってしまいました。
とはいえまだ24歳であり伸び代はあり私個人としては非常に期待している選手。今度の欧州選抜戦に来日する可能性は非常に高いと思われるのでもし来たら全力応援します。

4.🇯🇵井上温大

期待度★★★★★

ここらで日本人選手にもフォーカスを。
まぁベタ中のベタではありますが井上温大は個人的に日本No.1左腕になれるポテンシャルを秘めている巨人屈指のトッププロスペクトと言えるでしょう。
やはり圧倒的なのはその直球。2軍でのwFA(直球の球種価値)が14.6というのはやはりポジ、奪三振率10.45とwhip0.65も本気で期待しかしていないですね。イースタンリーグでは間違いなくトップの成績を残しました。ただ一軍ではそれに見合った活躍が未だ出来ていないのもまた事実。
考えられる原因としてはやはりストレート&スライダーのツーピッチ状態になっているのがよく挙げられています。この二球種が投球割合の内約8〜9割を占めているのはあまり良い事とは言えません。
昨年の後半ではフォークを決め球に三振を取るシーンも見られたので、あとはもうそれを習得さえすれば今永レベルになれるんじゃないかな〜と思っています。
巨人の左でフォーク(スプリット)投げる投手だとグリフィンという手本が居るので、彼に色々聞いてコツや感覚を掴んでくれたらもう最高ですね。

5.🇬🇺フランクリン・ニネテJr.(Flanklin Ninete Jr.)


期待度★★

ここに載せといてなんだという話かも知れませんが、彼については謎の部分が非常に多く、Nineteがどういう発音なのかすら不明です。言語有識者の方いましたら是非教えて下さい…。

ではなぜそんな謎の選手をこのプロスペクトリストに挙げたのかと言いますと、先月の11月にオーストラリア対グアムのU-23オセアニア予選大会が行われました。この大会の豪州チームにはRixon WingroveやJack Bushellなどの後日APBC(アジアプロ野球チャンピオンシップ)に出場する選手が多く参加しており、ほぼAPBCのそれに近い戦力でこの予選会にオーストラリアは出場していたのです。
結果から言うと、3戦3勝でオーストラリアの完勝に終わり無事今年のU-23大会本戦への出場が決まったのですが、初戦の試合を見ると🇦🇺1-0🇬🇺とかなり接戦の試合をしているではありませんか。そしてこの試合、グアムの先発だったのがNinete Jr.です。

https://baseball.com.au/news/u23-qualfiers/ より

Nineteは負けこそしたものの6回を投げ僅か1失点、1奪三振1四死球の好投を披露します。
これを見た私は彼に興味を持ち少し調べることにしました。それで分かったことは
・国内No1のトッププロスペクト
・フォークが武器
・22年高校選手権の決勝にて7回15奪三振と無双
・同年のアマチュアリーグにてノーヒットノーラン達成
・父親は1989年のアジア大会にグアム代表として出場経験あり

…ぐらいですね、本当に情報不足です。
ただ間違いなく実力はあると思うので機会があれば何かしらの映像媒体で投球を見てみたいところ。

↑おそらく?ニネテJrの投球映像

6.🇨🇳黎凝佶(Li Ning-Ji リニンジー)

期待度★★★★

WBCには選ばれなかったものの、CBL(中国野球リーグ)にて最優秀防御率&最多奪三振のタイトルを引っ提げ無事杭州アジア大会野球競技中国代表として参戦した若手左腕。
特徴なのはやはりそのテイクバック。
二度溜めを作る独特なフォームから放たれるストレートやスライダーは非常にキレがあり、レベルの高い日本社会人相手にも高めのボール球で空振りを取る場面が何度か見られました。
ただ課題もあり、コントロールに優れているわけではないのと調子極端な部分が挙げられます。
ハマっている時は動画のように荒れ球が良い方向に傾いて奪三振マシーンになるのですが、悪い時はとことん悪くボール球を見切られ苦しい展開になってしまうことが度々。
しかしながらまだ21歳と若く、それでいて現時点での完成度も高いので2年後WBC予選にて大化けしていてもおかしくはないでしょう。
その前に今年中国で開催されるU-23大会でどのような成長をしているのかを見届けたいですね。

7.🇹🇼徐若熙(Hsu Jo-Hsi シュールォシー)

期待度★★★★★★

「龍之子」
スペックならCPBL史上最強の怪童。
2019年ドラフトにて味全ドラゴンズから1位指名を受けた怪物は、21年の一軍先発デビュー戦にて球数制限がある中、3回2/3を11奪三振=取ったアウト全部三振という前代未聞の投球をしその名を国内外へと広げます。
その後怪我に悩まされたものの昨年の夏頃に復帰。
11月の台湾シリーズにも先発し、特に味全が2勝3敗で迎えた負けられない第6戦では、7回無失点7奪三振無四球被安打1と最高の投球を披露。チームの24年ぶり優勝に大きく貢献しシリーズMVPに選出されました。
アジア選手権では韓国戦,決勝戦(日本)で先発しそれぞれ7回10奪三振無失点,5回8奪三振1失点とどちらも好投を見せています。
ストレートの球速は最速で157km/hを記録し、平均でも150は余裕で超えています。ここにチェンジアップとスライダー、カーブを交えるピッチングスタイル。
今季は途中復帰かつ球数の制限もあった為参考記録ですが今季成績は
15.1回 ERA1.17 四死球2 奪三振18 whip 0.783
被安打率0.185 fip1.44 Whiff%26.3 K%31.0 BB%3.45
と圧倒的。バグってる

そしてそんな彼の唯一にして最大の短所は
「あまりにも怪我が多すぎる」という点。
高校時代には右肘のクリーニング手術を受け、プロ入り後の2020年にも再びクリーニング手術を行い、
2022年にはトミージョン手術を受け結果23年夏以降の復帰となりました。高出力と引き換えに徐の野球人生は常に手術と隣り合わせのものとなっています。
恐らく2024年は彼にとって大事な年。これまでシーズンを通して投げたことのない徐若熙が一年を通してどんな無双を見せてくれるのか、ワクワクが止まりません。とにかく怪我しないでくれ、マジで。

8.🇬🇧ハリー•フォード(Harry Ford)

期待度★★★★★

イギリス人の両親を持つフォードは2021年にシアトルマリナーズから1位指名(全体12位)され、2024年現在MLB.comのプロスペクトランキングで球団2位、全体39位の評価を受けており、チーム&欧州野球界のプロスペクトとして期待されている20歳の捕手です。
Scouting gradesでは肩と走力が高く、打撃や守備面でもMLB平均〜平均以上の素質を持つと評価されています。
2022〜2023年はフォードにとって激動の一年だったと言えるでしょう。
22年末にWBC予選で大会最多の3本塁打を放つ大活躍でイギリスを史上初のWBC本戦出場へと導き、本戦では格上のコロンビア戦にてホームラン。大金星の立役者となりました。
その後も彼の活躍は止まらず。A+にて打率.257 15本   OPS.841 24盗塁の成績を残し、今季途中にはフューチャーズゲーム(マイナーのオールスター)にも選出。
マイナーリーグ終了後は欧州選手権イギリス代表として再びユニオンジャックを背負い、ここで打率.429 3本 12打点 OPS1.338 5盗塁と無双。イギリスは惜しくも準優勝に終わったものの、フォードの活躍なしにはこの順位はあり得なかったと言っても過言ではないですね。そしてその後アリゾナ秋季リーグにも参加しました。(働きすぎ おつかれ)
欧州野球に突如現れたスター候補が今後どのような活躍をしてくれるのか、温かい目で見守っていきたいです。

9.🇦🇺アレックス•スケプトン(Alex Skepton)

期待度★★★

現在開催されているオーストラリアン•ベースボールリーグ(ABL)にて圧倒的な成績を残している22歳の外野手。
2023年のAPBCにも選出されており、そこでは目立った活躍こそ出来なかったものの帰国後に覚醒。
ラウンド2〜4において4割近い打率をキープし、その後はやや苦しんだものの年末のメルボルン・エイシズ戦にて4試合4本塁打の大爆発。
ラウンド8が終了した1月7日現在の成績は
27試合 打率.337 7本 21打点 4盗塁OPS1.032(.411/.621)と大暴れ。
ホームラン7本は元NYY Greg Birdの9本に次ぐABL第2位となっています。
バットの芯で当たった時の打球速度は非常に凄まじく、バッティングフォームがややクローズド気味のため逆方向にも力強い打球を飛ばせるのが魅力。

対変化球に対してまだまだ課題がありますが、3年後の大化け候補として期待です。

10.🇨🇳王翔(Wang Xiang ワンシャン)

期待度★★★★★

恐らくこの選手に関しては皆さんもご存知なはず。
WBCで日本戦の先発として投げた選手…と言えば思い出すのではないでしょうか。
あの試合ではまともにストライクを入れる事すら出来ず、139km/hと源田を牽制で刺した事ぐらいの印象しか残っていないかと思われます。
当時は無名のプロスペクト枠として先発していた王翔。しかしながら2023年WBCを経て、彼は大きく成長しました。
今季初めに行われた全国棒球锦标赛(CBLとはまた異なる)では救援&先発で活躍。最終戦では8回途中111球2失点の好投も報われず敗戦投手となりましたが、そこに制球難で苦しむ王翔の姿はおらず、明確な成長を示す結果に。CBLでは上海のリリーフエースとして最終的に定着するようになり、江蘇との決勝戦では最後のアウトをとり胴上げ投手に輝く事に。球速や変化球のキレ、コマンド能力は半年前のそれとは全く異なる物でした。
そして迎えたアジア大会。セカンドラウンドにて王翔は社会人相手とはいえ日本と再び相見える事となります。この試合で彼は最高の投球を披露。
5回を投げ強力な日本社会人打線を僅か1安打に抑え、これまで全カテゴリにおける野球競技において0勝89敗(※徐嘉誠のYoutubeより)だった日本相手に史上初の勝利、その勝利投手となったのです。

https://youtu.be/xz2A7Ay_sVc より

無名の若手投手から上海のリリーフエース、そして抗日救国のエースとなった王翔。恐らく彼以上に成長した野球選手はそうそう居ないのではないでしょうか。
そして私が彼に期待をしている理由はその体型です。彼の身長・体重はWBC公式の情報によると187cm 66kgとあまりにも細すぎるんですね。
これが何を意味するのかというと今後体重を増やした際の伸び代が半端じゃないという事です。
アジア大会の時には少し増量していたかもしれませんが、大会での最速が147km/h。これがもし80kg以上まで増えれば平均で150km/h超をマークしてもおかしくはないはず。
彼も今年のU-23大会に参加できるので、どんな投球をしてくれるのか本当にワクワクが止まりません。
(というか日本に来て欲しい)
私は王翔なら「棒球界の姚明」になれると信じています。

あとがき

最後までご覧いただきありがとうございました。

私は1人の野球好きとして、日米だけではない、もっと色んな国の野球が発展してくれたら嬉しいな〜とそんな淡い希望があります。今後も色んな世界の野球について色んな人にちょっとでも振り向いてもらえるよう好き勝手やらさせて頂く予定です。
今年もよろしくお願いします🙇

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