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Baseball United オールスターショーケース 感想など

どうもMTMです。
先日中東初のプロ野球リーグであるBaseball Unitedのショーケースが行われました。
今回のnoteではこれまでのBUの動きを振り返りつつ、今後についても考察していこうかなと思いま〜す。


そもそもBaseball Unitedって何?

(この項はBUについて解説するだけなのでもう知ってるよって人は飛ばして下さい🙇)
BaseballUnited(以下BU)は中東地域(🇮🇳🇵🇰🇦🇪等)における野球の更なる市場開拓の為に起業家であるKash ShaikhがCEOとして、さらにM.Rivera・A.Pujols・R.CanoといったMLBの名だたる大物が運営に携わる野球リーグです。
当初まだリーグについて全く情報が無かった中で「このメンバーが関係者です」という投稿を公式がしていた際私は「えこれ本当にやるの?」と困惑していました。
そして夏に参加する4チームが発表されました
・🇮🇳ムンバイコブラズ
・🇵🇰カラチモナークス
・🇦🇪ドバイウルブズ
・🇦🇪アブダビファルコンズ
今後はカタールやサウジアラビアにも拡大し、来年秋以降60試合程度のリーグ戦を行う予定です。
本来の予定であればこの4チームによるショーケースが行われる予定でしたが、日程を再調整しオールスターという形でのショーケース開催となりました。

オールスター感想

まぁ当初は日程すら怪しかった中当初の目標であったドバイでのショーケース開催に何とか漕ぎつけたのは非常に素晴らしい事だと思います。やるのとやらないのとでは全く異なるので。
メンバーはやはり豪華でしたね!もうほぼ引退しているとはいえBartolo ColonPablo SandovalといったMLBの元大物選手やSteven Moya,Wilin RosarioなどのNPB・KBO・CPBLの懐かし助っ人がプレーしている姿は国際野球オタクの私からするととても面白かったです。

またNPBの応援文化を真似したいというキャッシュCEOの意向により外野席にてブラスバンドによる演奏も行われ、特別ルールとして臨時代走や指定の打席で打点を挙げた際得点が倍になる「マネーボール」が導入される等エンタメ要素を多数用意。一応今回はオールスターという形でのショーケースですし、このようなルールで観客をとにかく楽しませようとする姿勢はとても評価できます。

↑マネーボールで6ランホームランを放つサンドバル

課題

とはいえ、今回ショーケースを行った事によって課題も浮かび上がったのも事実です。
とにかく集客と野球の定着という2点が明白ですね。そりゃ当然野球があまり知られていない地域ですし、突然「野球というスポーツの試合をやりますよ」とだけ宣伝しても金を払って観戦しに来るかというとそうなる訳ないので致し方ない部分はあります。ただやはりまだまだ野球振興の土台が固まっていなかった中でいきなりプロ野球を開催した為今回あまり客足が伸びなかったのかなぁと。
一応中東地域で野球が全く行われていないかというとそうでもなく、Dubai Little Leagueという青少年向けの野球リーグが開催されていますし、パキスタン・インド・スリランカなんかは国際大会への出場経験があります。ただ世界的に見た時にまだまだ発展途上のレベルにありますし、地域で野球が広く知られてもいないのが現状です。MLBの元大物やNPB経験者等がいる事によって我々既存の野球ファンは多いに楽しむことができましたが、果たして現地の人達が異国の地でプレーしていた知らない外国人選手達に価値を見出すことができたのかというとその答えは否でしょう。

チェコに学ぶ野球振興

そんなBaseball Unitedですが野球振興という点において見習うべき国があります。それはチェコ🇨🇿です。

2022年WBC予選にて見事本戦出場を勝ち取ったチェコ。WBCで中国から歴史的一勝を挙げ、チェコで開催された欧州選手権では歴代最多となる総観客数を記録し、国内での野球の認知度を以前と比べ大幅に上げることに成功しました。

欧州野球のレベルで言えばまずイタリア🇮🇹・オランダ🇳🇱の二大巨頭が並び、その下にスペイン🇪🇸・イスラエル🇮🇱・イギリス🇬🇧そしてチェコ等が続くといった感じ。しかしながら欧州野球においてトップチームの強さと野球の人気が比例するかというとそうではありません。
チェコ野球が国内で大きな影響を与えた理由の一つに「ほぼ自国民で構成されたチーム」であるという点が挙げられます。
ヨーロッパ代表あるあるとして、メンバーの多くが中南米にある領地出身の選手(キュラソー、イギリス領ヴァージン諸島等)や○○系アメリカ人で構成されている点です。当然、国際大会で勝つ為にはこういった選手を多く使う事が一番簡単で強力な方法です。ただこれで本土の人々から応援されやすいのかというとまた別の話。
チェコ代表の場合エスカラ・ソガード以外はチェコ人で構成され、同じチェコ人がWBCという野球最高の舞台で歴史的な初勝利を挙げ、列強相手に堂々と試合をした姿が国内で反響を呼んだのではないでしょうか。

BUは今回地元枠として8人のプロスペクト(そのうち1人はウガンダなので中東出身は7人)をオールスターに招集しましたが、外国人選手との割合で表すと8人:43人。来年以降は地元枠選手を多く増やす予定ではありますがそれでもまだ少ない。BUの人気を現地でより大きくする為には中東出身の割合を大きく増やすのが必要だと考えます。実際、開幕セレモニーにて同じイスラム圏パレスチナ🇵🇸出身のYunis Halim選手が紹介された時の歓声が一番大きかったですね。やはりこの点がBU成功の大きな鍵を握っていると言えます。

レベルの底上げ

しかしながら、ただ地元の選手を出せばいいのかといえばそうではありません。一定のレベルの確保は絶対に必要であり、それができなければ僅か1年で消滅したイスラエルプロ野球の二の舞を辿るだけになるのは目に見えている事。大事なのはやはり育成。
ここで一つの参考例として中国を挙げましょう。
中国では2009年以降MLBDC(MLBデベロップメントセンター)を設立。現在では3つのセンターがあり、これまでマイナーリーガーや中国代表メンバーを輩出。まだまだ発展途上の国ではありますが、今秋行われた杭州アジア大会では全カテゴリにおいて史上初めて日本に勝利をあげました。中国野球のレベルはここ数年で大きく成長していると言えるでしょう。
BUはキャッシュCEOの手腕によって既に当該地域の野球アカデミーや野球連盟と提携を結んでおり、選手育成の下地は十分に整っていると見受けられます。
中国野球が日本社会人野球レベルになるまでにDC設立から14年。地元選手が今回参戦した外国人選手と謙遜のないレベルになるには同じぐらいの時間がかかると思われます。各国アカデミーとの提携&支援による選手育成はもちろんですが、BUはウィンターリーグの形を取っているので夏の期間欧州リーグや東アジアの独立リーグにプロスペクトを派遣するという方法もアリ。
とにかく長い年月をかけて辛抱強く育成するしかないので、ここはキャッシュCEOを信じています。

まとめ

まぁ今回長々とBUについてあれこれ言わせて貰いましたが所詮は初年度、なんならお試しのショーケースです。なのでいきなり地元選手の数を増やせといっても絶対無理なわけで。今回ドバイで開催した事でBUの良い面/悪い面がより浮き彫りになりました。今はとにかく全てを前向きに受け止めるのが一番ですね。
BUの存在は野球をグローバルなものにするという点で非常に重要な役割を担う事でしょう。先日行われたドラフトでは20以上の国や地域から選ばれており、その中にはフィンランド🇫🇮やカメルーン🇨🇲といった野球がほとんど盛んではない国も含まれています。
その名が示す通り、まさに世界の野球を団結させようとしているBaseballUnited
今後の発展に期待しましょう!!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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