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4-2. 英語の文法

日本人は文法を気にし過ぎて話せなくなってしまうので、文法なんて気にせずとにかく積極的に話した方が良いという意見をよく耳にします。これはある意味合っていて、ある意味間違っています。たしかに、英語は経験値が重要なので、失敗を恐れていては前に進めません。文法などを過度に気にして、そもそも話したり書いたりすることを避けていると、その技能がいつまで経っても上達しないということも起り得ます。一方、海外でネイティブ相手に英語を使う場合、めちゃくちゃな文法で話すと、相手はその間違いだとても気になりますし、そもそも意味が通じなかったり、間違った意味で伝わってしまうこともあります。英会話において文法なんてどうでも良いという意見は明らかに誤りです。六本木で外国人の友だちが作りたいなら良いかもしれませんが、たとえばビジネスの場で英語を使いたいという場合に、そんな甘い話は通じないのです。

英文法の勉強をした方が良いか

上で文法は理解しておかなければならないと記載しましたが、大人になってから英語の勉強を始める人は、改めて文法を学び直すべきでしょうか。私は、ほとんどのケースにおいて、その必要はないと考えています。
まず、大学受験などを経験した人は既に一定の文法知識が身についています。また、文法書に書かれている様な英文法は、全てが日常的に使用するとは限りません。文法を一から学び直すのは、時間効率が悪いのです。一方、学生時代も文法をほとんど真面目にやったことがないという人は、一度くらい英文法の学習に取り組んでも良いかもしれません。ただし、この場合も、参考書に一度取り組むくらいで良く、参考書を覚えるまで繰り返し読んだりする必要はないと考えます。

洗練された英語を使う

仕事などで英語を使用する場合、特に書き言葉については、文法的に正しい英語を使用するだけでなく、洗練された英語を使用することが求められます。そうしないとネイティブと同様の仕事を任せられると判断してもらえません。以前、別の記事でも書きましたが、洗練された英語を書くためには、以下のようなことを意識する必要があります。
・受動態よりも能動態を用いる
・無駄に複雑な文章を書かない(make a decisionよりdecide)
・頭でっかちな文章を書かない
・並列表現は品詞なども統一する
・重複表現を用いない(alsoとas wellなど)
私は、MBA(GMAT)受験時にこれらのルールを学んだため、一般的な参考書等でこういったことを学べるものは紹介できません。ビジネス英語を学ぶセミナーなどでは、このようなことを教えてくれると思います。

英文法を調べる癖をつける

上で述べたとおり、試験対策で必要な場合などを除き、英文法は参考書などを用いて毎日時間をかけて勉強はありません。一方、留学先や職場において英語ができると認められるためには、正確かつ洗練された英語を使用する必要があります。これができるようになるためには、英語を使用する際に、文法にこだわり抜くようにしましょう。話し言葉ではそこまで意識する必要はありませんが、メールなども含めて英語を書く場合には最新の注意を払う必要があります。このプロセスを経ながら場数をこなすと、徐々に意識せずとも、文法的に正しく洗練された文章が書けるようになっていきます。

英文法を勉強することを否定している訳ではありません。自分に英文法の知識が不足していると考えれば、Amazonで評価の高い文法書に取り組んでみても良いでしょう。ただし、英語ができるようになるためには、他にもすべきことがたくさんあるので、文法の勉強に時間を使い過ぎない方が良いというのが私の意見です。

本記事は以下のマガジンの一部です。


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