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4-1. 英語の語彙

英語が上達するのに語彙力が必要というのは疑いようがありません。ただ、語彙というのは2種類あります。自分が書いたり話したりする際に使用するアウトプット用の語彙と、自分が読んだり聞いたりする際に理解しておかなければならないインプット用の語彙です。大学受験などにおいて、日本人が意識している語彙力は多くがインプット用を意味します。単語帳などで英語を覚えるという行為は、インプット用の語彙力を増やす行為で、必ずしもアウトプット用の語彙力を高めるのには役立ちません。アウトプット用の語彙を増やすためには、また別のトレーニングをするべきです。

単語帳はやるべきか

もしこれから英語の勉強を始めたい方で、語彙力が極端に不足している場合には、単語帳から始めるのが良いと思います。たとえば、英語の文章を読もうとして、数行進むごとに辞書を引いているようでは、時間がかかりすぎ非効率です。ただし、以下でも説明しますが、単語を覚えるという行為はすごく時間がかかるので、単語帳を一冊完璧に覚え切ったと思ったら、すっぱりやめて知らない単語を適宜辞書で引くようにした方が良いと思います。
それでは、どの単語帳が良いでしょうか。私も色々なものに手を出した訳ではないので、比較検討したうえでのご紹介はできないのですが、音声で文章が読まれる形式のものが覚えやすいと思います。私は大学受験時に、DUOを使用しました。

現在のバージョンはやっていないので分からないのですが、私が使用したものは90分くらいの音声(英語のみ)がついていました。私の場合、全例文を10等分にし、初日は最初の10分の1を音声を聞き完全に記憶するリピートする、2日目はまず初日に覚えた10分の1を聞き、次の10分の1を完全に覚えるまでリピートする、3日目はまず2日までの10分の2を聞き、次の10分の1を完全に覚えるまでリピートするといったことを繰り返していました。前日までに覚えたものを毎回もう一度聞くことになるので、覚えたものを忘れてしまうということはありません。最終的には、90分の音声を聞くことになるのですが、全単語を覚えた後に、10日ほど連続で毎日90分の音声を聞き続け、記憶を定着させます。20日間ほど毎日単語に1時間以上かけることになるのでハードといえばハードですが、このように取り組むことで、せっかく単語を時間をかけて暗記したにも関わらず、以前に覚えたものは忘れてしまうといったことを防ぐことができます。

なお、一般的に英語ができるようになることが目的であれば、単語帳は覚えやすさ重視で選んで良いですが、TOEIC、TOEFL等のテストで高スコアを取得することが目的であれば、それ用の単語帳を使用すべきです。そのテストの頻出単語を暗記するということは、高スコア獲得の一番の近道です。私は、TOEFL受験時は以下の単語帳を使用していました。

DUOと違い例文がないので、極めて覚えにくいのですが、TOEFLの頻出単語はしっかり押さえており、これを暗記しているかどうかでスコアが大きく変わってきます。CDも単語が読み上げられるだけなのですが、私は毎朝40分から60分を単語の時間にあて、CDを聞きつつ単語を覚えていました。1冊分聞き終わるのに1週間もかかりませんが、繰り返し続けて全ての単語を覚え切るのに2ヶ月ほどかかった記憶があります。こんなに時間がかかったのは若くなかったからかもしれません。

辞書を引く

一度単語帳を覚え切ったら、後は日常的に辞書を引いて語彙力を徐々に増やしていくしかありません。ここで重要なのは、英語のインプット量自体を増やすことです。何故なら、一度辞書で引いたとしても、しばらくその単語に出会わなければ、そのうち忘れてしうからです。英語を本気で身につけたいのであれば、毎日英語を読み、分からない単語はしっかり辞書を引くという習慣を身につけるべきです。私の場合、毎日新聞を読み、不明な単語は極力辞書を引くようにしています。

英語を上達させるためには、英和辞典よりも英英辞典を使うべきという意見を聞いたことはないでしょうか。たしかに、英単語というのは必ずしもそれと全く同義の日本語がある訳ではないので、中級者以上は英英辞典を積極的に使った方が英語力が向上します。ただし、英単語を調べるという行為は、その単語の持つ意味をしっかり理解しなければ意味がありません。英英辞典を見ても、意味がいまいち分からないという場合は、英英辞典にこだわり過ぎず、英和辞典でも意味を調べるようにしましょう。

アウトプット用の語彙を増やす

アウトプット用の語彙を増やすためには、日本語→英語が頭に思い浮かばなかった時に、都度調べていくしかないでしょう。この地道な行為をしないと、インプット用の語彙力はかなりあるのに、それをアウトプットに使えないという状態になってしまいます。また、留学中や駐在中は、周りのネイティブが使っている語彙を盗むことでアウトプット用の語彙が増えていきます。日本にいる間は海外ドラマを活用すると良いでしょう。
また、自宅学習に音読を取り入れることも、アウトプット用の語彙を増やすためには有効です。英語を声に出して読むというという能動的行為により、それまでインプット用でしかなかった語彙をアウトプットできるようになります。英語の音読は発音の矯正など、あらゆる意味で有効なので、毎日取り組むのが理想的です。

本記事は以下のマガジンの一部です。


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