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5. 英語は結局どのように勉強したら良いか

これまで、大人になってからの英語学習について紹介してきました。私が過去10年にわたり行ってきた勉強法を紹介してきたので、これから英語の勉強を始めようという人にとっては食傷気味かもしれません。健康番組を見続けていると、そんなに健康食品ばかり紹介されても、結局何を食べれば良いのかと感じるでしょう。また、筋力トレーニングについて、ここもここもここも鍛えるべきと多くのトレーニング方法を教えられ過ぎると、「そんなの全部できる訳がない。」と始める前から諦めてしまうことがあります。
英語も同じで、情報量が多過ぎると、結局何をやって良いのか分からなくなるものです。そこで、あくまで私の経験に基づくものですが、英語をこれから始めようと思っている方が、どのように英語学習を進めていけば良いかについて記載していきたいと思います。

まずは英語に慣れる

多くの方が言うように英語学習は継続が大事です。したがって、英語の勉強を始めようと思ったら、毎日何をするかを決めなければなりません。ここで注意すべきなのは、あまり高いハードルを設定し過ぎると継続できなくなるということです。たとえば、最初から毎日英語の新聞を読んで、音読して、単語も覚えてというようなスケジュールを立てても、まず間違いなく挫折します。それでは、どのような目標を立てれば良いでしょうか。
お勧めは「毎日英語を最低10分やる。」程度の目標を立てることです。さらに通勤時間をこれに当てるとプライベートの時間が削られないので継続し易くなります。10分間が目標なのであれば朝の通勤だけでも足りるので、飲み会が夜に入って帰りの電車で英語ができなくても問題ありません。これをやっていると、そのうち行きも帰りも英語をやるようになるので、電車に乗る方であれば1日あたり30分程度は勉強時間が確保されます。

取り組む内容は何でも良いのですが、短い時間を有効活用するため、音声付きの教材に取り組むのが良いでしょう。私は朝日出版のCNNを使った教材を使用していました。一つ一つの記事が短く短時間で繰り返し聞ける、生の英語が聞ける、使われている英語がある程度高尚、内容も面白いなど、初級者が取り組む内容としては理想的だと思います。

飽きないようにやることを変える

通勤時間だと継続が簡単と書きましたが、それでも同じことばかりをやっていると飽きてきます。この時期は英語に慣れることが目的なので、飽きたら別のことをやっても全く問題ありません。とにかく英語の勉強をするのであれば、ある意味何でも良いのです。ただ、折角なのでこの段階で基礎の基礎を押さえておくと後が楽です。私のお勧めとしては、ここで最低限の発音と英語表現に取り組んでおくのが良いと思います。以前の記事でも紹介しましたが、以下がお勧めの教材です。これも全部やった方が良いということではなく、自分の興味のあるものからで問題ありません。

少し本気を出す

英語に慣れてきたら、英語をもっと勉強したいという情熱が徐々に湧いてきます。やる気が出たら、通退勤の時間だけでなく、家に帰ってからも30分程度勉強時間を確保するようにしましょう。ここからは目標を持って英語スキルを上げていく必要があります。自分で英単語や英文法の学習が必要と感じた方は、このタイミングで始めるのが良いと思います。これらにあまり必要性を感じない方は、発音を鍛えるため、英語教材での学習を開始することをお勧めします。難易度は一気に上がりますが、英語を聞き、シャドーイングすることが基本なので、物理的にはそこまでしんどくはありません。

英会話学校に通ってみる

英会話学校に通うなら早ければ早いほど良いので、この時期から英会話学校に通い始めるのも選択肢の一つです。英会話学校に通う意味は自分が如何にできないかを知ることにあるので、まだ自信がないからという理由で決断を先延ばしにするのはやめましょう。ただし、英会話学校はコストがかかりますし、社会人であれば土日などプライベートの時間を削られるため、あまりだらだら継続する訳にいかないのも事実です。留学や駐在のタイミングなども見据えて開始時期を検討しましょう。

完全に本気を出す

上記を続けていくと、英語力はかなり高まってくるはずです。ここまで来たら、具体的にネイティブと会話ができるようになることを目指した勉強をしましょう。苦手な分野がある方は、その分野の潰し込みを行うのもこの時期です。英語のListeningと音読は是非毎日の日課に取り入れてください。Listeningは海外ドラマを字幕なしと字幕ありで繰り返し観て、字幕なしで理解できる範囲を徐々に広げていくと良いです。シャドーイングやスクリプトの音読も合わせれば、英語のアクセントやイントネーション、そして様々な英語表現も学ぶことができます。音読は新聞の音読がお勧めです。高度な英語を音読することで、音読による効果だけでなく、Reading能力の向上も同時に狙うことができます。新聞はEconomistがお勧めです。

余裕のある人は、ネイティブYoutuberの動画を観て、発音の矯正も継続しましょう。

海外に行く機会を得たら・・・

留学や駐在などで海外に行く機会を得たとしても、学校や仕事だけでは英語の練習量としては不足していることを意識し、上記の勉強(ドラマ等視聴と新聞等音読)は継続した方が良いです。あとはとにかく外国人とランチや飲み会に出かけ、外国人と会話する機会を増やしましょう。

英語の勉強というのは、資格試験の勉強等とは異なり、何かを暗記しさえすれば短期間でもできるようになるものではありません。むしろ英語学習はスポーツがうまくなる過程に似ています。たとえば、プロ野球選手になるような人でも、最初はただの野球少年だったはずです。練習時間は週に一度の練習時のみ。それが徐々に野球が好きになってきて、家でも素振りをするようになり、父親に自主練をせがむようになります。そして、最終的には、友だちが遊んでいる間にも野球をやり続けるような人物がプロ野球選手になれます。英語もこれと同じで、最初は趣味からのスタートで問題ないものの、英語が本当の意味でできるようになることを目指すのであれば、どこかでギアを入れかえて本気で継続して取り組む必要があります。スポーツと同じで、一度ある程度のレベルまで到達すれば、練習をやめてしまっても能力を一定維持することが可能です。ただ、何年も全く口を動かしていないと、能力が錆びついてしまうでしょう。

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