私がマーケティングに興味を持ったわけ

こんばんわ。
今日は私がマーケティングに興味を持ったわけを書きたいと思います。

これは、最近初めて気がついたのです。
いわば、
私の内面で全く関係のないと思っていた経験や記憶が、
”コネクティング・ドッツ”のように、
点と点が結びついて、発見することができました。

マーケティングに興味を持ったきっかけ、
それは、就職活動です。
その頃は就職氷河期で、
今からは考えられないくらい、
就職することが難しかった時代でした。
私のような有名大学の卒業ではない学生は特に、
20社、30社に応募して面接を受けるのは当たり前で、
50社受けてやっと面接に進める、
というケースも珍しくないことでした。

”ガクチカ”と言われる、学校生活で力を入れたことに自信のあった私は、
世間知らずだったため、
環境が厳しいことは全く気にせず、
必ずすぐに内定が出るのじゃないか、と
たかをくくっていました。

ところがまずエントリーシートが書けない。
「こんなの読んでも何も面白くないよな」
「受かる気がしない」

自分でもわかっていました。
「これでは採用担当者も私を選んではくれないだろう」と。

一方で、学生時代は
アメリカ大陸横断鉄道を使って、バックパックでボストンーロス間を往復したり、
病院の脳外科病棟で看護補助の仕事をしたり、
アルバイトに注力して、一日18時間働き、月収30万円以上を稼いだり、
部活動に情熱を燃やしたり、
とにかく人より多く動き、
努力して成果を出したり、
苦しさも、悔しさも、
全身で感じた4年間だったという、成長の実感もありました。

そして、
世の中に出て役に立ちたい、
人のためになることをして、
誰かを助けたい、
社会に出ることについて、
それはもう、
熱くたぎるような大志もありました。

しかし、
無情にも目の前の就職試験という、
社会への入り口の門は閉ざされ、
ぴくりともしない。
絶望とは、こういうことだと思いました。

挫折感。
自分を疑い、
完全に行く道を見失ったように感じて、
社会に居場所を見つけることができない、
疎外感を味わいました。
そして、
逃げるようにして大学院へ進学し、
とにかく2年間勉強をやろうと思って、
さらなるモラトリアムの時間を持ちました。

その後、
大学院を終えてから、
とにかく就職しなければならないという危機感から、
もう、手当たり次第に就活をして、
一番初めに内定が出た会社に入社することができました。

働き始めて3年くらい経って、
マーケティングを初めて勉強しました。
その時わかったのは、
就職活動をしていた頃の自分は、相手ニーズを全く考えていなかった、
ということでした。
相手がどんな人材を求めているか、
相手の会社はどんなことをしていて、
自分の経験はどんなふうに活かすことができるか。
こういうことへの想像力なしに、
ただ自分の価値を認めてもらいたいと思っていただけでした。

無名の自分の話を聞くほどには、
私というブランドはないし、
相手の興味を引くようなフレーズ、
キャッチコピー、
ビジョンなども特に考えずにいたのです。

つまり、新卒採用という市場の中の、
自分という人材のマーケティングもブランディングもできていなかったのです。

入社して7年目くらいにお店でランチを食べていたら、
隣にOB訪問をしている学生と、OBの男性二人組が話していました。
OBの20代後半らしき男性が、自信の就活の時の自己PRとして、
次のように言っていたといいます。
「俺の自己PRは、「将来立派な父親になりたい」だったんだよ」

いいこと言うな〜、と私は感心したのをよく覚えています。

いい父親になる、そのために仕事で結果を出して周囲に頼られる存在になる、
社会で誰かの役に立つことは、
自分の子供にとって誇らしいことだから。
自分は父親を見ていてそう感じた。

こんなような内容だったと思います。
素晴らしいじゃないか!と、私は一人で卵スープを飲みながら感動していたのをよく覚えています。

こう言うことなんだと思いました。
相手と自分の関心がぶつかる交差点を探して、
自分の言葉で経験を言葉にすることは、
それだけで説得力があるし、
どういう人かが想像できます。
その延長線上には、一定のイメージで認識されるようになるブランディングにもつながるでしょう。

マーケティングを学べば、
お客さんの求めていることをスタート地点として、
自分ができることで喜ばせることができるかもしれない。
そう思って勉強を続けたんです。

もう就職して21年目ですが、
私にとっては、
マーケティングとブランディングの仕事が、
好きなんです。

仕事が趣味みたいになるなんて、
あり得ないと思っていました。
でも、
過去の経験と、
目の前の仕事とを、
点と点で結びつけると、
就活で経験した挫折感にも意味があるんだと思えて、
ハッピーになる気がしました。


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