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Zoomでゼミ(試行)

なんとか集合

 短大2年生のゼミの学生に呼びかけて,Zoomを使ったオンラインミーティングを試してみた。
 別のことをしていてうっかり予定の時間が過ぎたところで,学生からLINEで「まだですか」と呼ばれてホストの私が遅れて出席。ホストの承認がなくても会議室に入ることのできる設定にしておいてよかった。そのときの出席者は5人ほど。その後徐々に集まって,最終的には私も入れて9人の出席。欠席連絡のあった1名以外はみんな出席できたことになる。
 「部屋が汚いので」と固定画像にしていたり,「顔を見せるのが恥ずかしい」といってビデオを切っていたり,機器の調子が悪くて音声だけになっている人もいたが,双方向のやりとりは一応できた。バーチャル背景でいろいろ遊んでいる余裕のある人もいた。
 このくらいの人数だと,(ビデオが生きている)参加者の顔が一望できるのは,なかなか新鮮ではある。それはお互いなので,学生同士の相互作用も,対面で机を囲んで座ってやるときよりも活発な感じ。とはいえ,雑談程度のことではなくもっとアカデミックなことをやろうとするとまた勝手が違うのだろうとは思うが。

でもこれでやれるかどうかは疑問

 出席者に聞いてみたところ,スマートフォンを使って接続している人が5人。手持ちで画面が常にぐらぐらしている人もいた。うまく置き場を設定しないと苦しいね。パソコンからの人が2人。スマートフォンから接続しようとしたがどうしてもつながらず,タブレットから接続したという人が1人(本人曰く「スマートフォンの調子が最近悪くて」)。
 スマートフォンで90分の授業を視聴する,というのは,スタンドに置いたとしても結構厳しいだろう。それに,Zoomで90分やりとりすると0.5GBくらいの通信量になると聞いた。仮に携帯電話会社が若者向けに無料で上限を拡張した50GBをまるまる授業を受けるために使えたとしても,10コマの受講でパケ死に至る(追記:あとから読み返して気がついた。これは計算間違い。100コマ受講できるってことだと、状況はそれほど深刻ではないということになるか。)。自宅にWi-Fiのない(あるいはWi-Fiがあるのかどうか自分では確認できない)学生が無視できない割合(多分1/3と1/2の間くらい)いるという現状からすれば,オンラインでリアルタイムの受講を求めるならポケットWi-Fiのようなものを持たせるための算段が必要になるだろう。だが,これは予算的にも,たくさんの機材の手配もすぐにはできそうにない。
 スマートフォンを使う学生が多いとなると,スライドや資料を見ながら視聴するということも,サイズが小さい,画面やアプリの切り替えが必要,などの問題があって大変そうだ。
 人数が多いと,双方向といってもなかなか厳しかろうとは思う。それに画像や音声を切って,機器だけ接続しているが本人がどこかにいってしまっていても基本的にこちらとしては把握のしようがない。まあ,これで担保できる「双方向性」なんてそんなものなのだろう。
 文部科学省はとにかく「対面授業と同等」を保証するためには質疑応答などをその場でできる同時性,双方向性を確保しなければならないという立場のようだ。だから,これを部分的に,限定的な時間使うというやり方は検討の余地があると思う。だが,私の担当している科目の一つでは,質疑応答などをClassroomのストリーム(掲示板的な機能)でやりとりする形でできるだけ対面を減らしてみようと考えている(今その教材作りで行き詰まっているのは先日のエントリーで書いたところだが)。

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