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ミス,ミス,ミス

次々とミスが

 オンラインで自分の授業を始めてみたが,次々とミスが明らかになって落ち込んでいる。
 ある科目では,配信されたものを視聴して,手元の紙に記入したものを写真にとって送れ,という課題を設定していたのに,提出先のリンクを示していなかった。学生からは,「やりました」という報告は来るものの,課題の写真は一つも来ない。すでに解答例を公開してしまったので,「自己採点しておいて」ということに。
 配信したものを視聴したあと,Googleフォームで小テストを設定していたある科目。これは学生が回答したらその場で採点されるようにできるのがよいのだが,妙に正答率が低いと思って見直してみると,正答の設定が間違っている。すでに何人もの学生が回答してしまっている。でもこのシステムでは採点のし直しというのができない。「申し訳ないがもう一度回答して」とお願いしたら,さっそく回答した学生が,間違った解答例をちゃんと覚えていたようで,正しく間違った回答を送ってきてくれた。ごめんなさい。「もう一度回答して」のメッセージにあわてて「前の解答例は忘れて」という言葉をつけ足した。
 配信用にスライドを再生しながら音声を収録していたら電話が鳴る,みたいなことは,単に電話線を引っこ抜いておけば済む話だが,でも途中まで収録したものが台なしになるとがっかりしてしまう。

科目が多すぎる

 遠隔で授業をやるために配信の動画や音声を作ったり,小テストを作ったりしていて感じるのは「今まで対面でやってきた授業は,なんと雑に薄いものだったか」ということ。配信用のコンテンツを準備する,配信するたびに小テストを作る,みたいなことで必要になる授業の作り込みは,本当は対面の授業でもやるべきことなのだ。これまでそれをしていなかった。
 ただ,それは仕事の環境によるところも大きい。今年前期の私の主要な担当科目は3科目,さらにオムニバスで当面自分がやらなければならない科目も1科目,後期の分を前倒しして始める科目が1科目,いずれも受講者は70数人。これをすべてしっかり準備して作り込み,学生の提出物をチェックし,みたいなことは私の能力の手に余る仕事量に感じる。誰かが「急に脚本家と役者と演出家と技術者も兼任しろといわれても」といっていたが,まあ本当に仕事の質そのものが全然変わってしまったのに,使えるリソースはほとんどもとのままなのだ。
 やっと学生のネット環境の確認やサポート,他の教員のサポートが一段落ついたが,いまだに学生からはのべつ幕なしに「提出しようとしたのにできない」「ちゃんと送られていますか」といったメールが来る。逆に,設定した〆切になっても全然音沙汰のない学生もいる。依然として個別の対応が続く。
 授業の作り込みは,実はいやではない。「時間割の奴隷」状態からの開放もちょっとうれしいはず。でも,抱えているものが多いと,苦しい感じが先に立ってしまう。

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