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(25)登山届を誰に出す?

登山を始めた頃、「登山届」は「登山許可書」みたいなものだと思っていました。海外ではその意味合いがある山も多いですが日本の場合は違いますね。ではなぜ提出するのでしょう。そしてそれは誰に提出されているのか。

義務感から作成し出している人も多いでしょうし、まったく出さないという人もいると思います。任意であれど遭難すれば「登山届を提出していなかった」と報道されたり。

いまはインターネットでも作成、提出ができるようになり格段に簡単になりました。なかでも「Compass」の登場は革新だったと思います。いつのまにかエリアがぐーーんと拡大して全国に!?紙の時代は「提出する時間と場所がない/遠い」→「面倒くさい」→「出さない」が大半の登山者が持つ「出す/出さない問題」における葛藤の種でしたが、これで出さない/出せない理由が大幅になくなったことでしょう。

今回の「お山のマナーブック令和版」は、「なんのために登山届を出すのか」のおさらいと、ネットで出せるようになったことの何が素晴らしいのかを、山小屋バイトで紙の登山届を扱ってきた経験を踏まえて語らしてください。

この連載は、当たり前のことから山ならではのことまで色々ある登山マナーを再考していきます。そもそもよく理解していなかったり、昔から語り継がれてきたなかには、時代とともに解釈が変わってきた、あるいは不要なのもあろうかと思っています。
そこで、昭和の登山ブーム世代を先輩に持ち、平成の山ガールブーム世代を後輩に持つ私が、これまでの経験と体感から今の時代にフィットした解釈をしてみようと!
あくまでも個人の解釈ですから、ここに書いたことを山で守っていない人を見かけてもその人が間違っていると思いこまないようにしてくださいね。

週1回更新(目標)、全50回(予定)でお送りします。自主出版化を目指します(野望)。ご支援よろしくお願いします。

第一回から抜粋

私が約20年前にアルバイトしていた山小屋は北アルプスの登山口に建っていたので「登山ポスト」がありました。午前中切れることなく登山者がやってきますが、小屋内にあるポストに提出していく登山者は半分にも満たなかったと思います(事前に提出している人もいたでしょう)。もし周辺山域で遭難・滑落事故が起きるとまず警察から小屋に電話があります。そして、

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