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反旗【航路会議】

洋上への航行を始めて、二週間。スクリューの調子も良好で、連絡手段の無線も不具合なく使えていた。
6月12日、日の入り時刻は17時。

「会議はじめる」
帝都が、乗組員を操舵室に招集する。

地図はひとつも用意されていないことは皆が知っていた。白地図にどう帝都が描いていくのかは出航してから皆が待ち望んでいたことだった。

ーーー6月12日の17時、沈まぬ太陽がようやく沈んだのだ。


合反地図(白地図版-銀河総判事検証済地図-)

合反地図は銀河と地球の接点を記した地図だ。右へ右へと流れる帯状のエネルギーは左ほど青く、右ほど赤いエネルギーを帯びている。中間地点がゴールドであることが確認できると思うが、ここ一帯のエネルギーは銀河に飛びやすい地帯として銀河の行軍がかつて見つけたものだった。

イギリス付近の風車のようなマークはグリニッジを示している。本初子午線の基礎となるグリニッジには銀河への通関門が設けられている。少し左に行って大西洋上に4つの矢印が中心に向くマークがあると思うがこれは

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