7/28Somewhere[Flag]
「珍しいね、今日は山蘇野さんの作品じゃないの?」
PCに向かうめぐの表情は鋭い。あの視線の先に見えている景色が早く知りたくて俺たちはなるべく彼女に声をかけないようにしている。
「うん、あたしの恋は山蘇野さんじゃなくて基実くんだもん」
俺は基実くんと目を見合わせた。神経質になるほどに一瞬だけ見合わせた。何が言いたいのだろうか、、、。
ひとりで歩くことを決めて歩いている恵が少しだけ若かった頃の話。まだ結婚していた頃の話を今日は少ししよう。
基実と恵が出会ったのは約10年前になる。
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