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犬のきもちと家族。

去年のゴールデンウィーク中に、愛犬であり歳の離れた弟のようでもあった我が家のアイドルが天国に旅立った。

私の人生の半分を共にしてきた可愛い可愛い子。10年以上離れて暮らしていても、絶対に私や姉のことは忘れずにいてくれた。


老衰で目が見えなくなり耳が遠くなったのがちょうど亡くなる一年前くらい。

歩くのもよたよた、私だと認識するのに時間がかかったけど、なでれば嬉しそうにするしご飯もたくさん食べて元気そうにしていた。

ゴールデンウィークの2週間前に、「ついに寝たきりになった」という知らせが母から届いた。それでも、会えば元気になってくれるんじゃないかなって思ってた。

帰省する3日前、母になんとなく電話してみたら、認知症で一日中ほえているというかすれた鳴き声が電話の奥から聞こえてきた。

待ちに待った帰省。家に帰ると目の病気のせいでずっと涙を流していて、横たわっている姿。4,5日前からご飯を食べなくなったと聞いて、事態の深刻さに気づく。母は介護で眠れずふらふらだったから、その日は私がそばで寝た。鳴く声もどんどん弱くなっていたけど、なでてあげると少しの間鳴き止んで、その間に私も寝てしまった。

翌朝、大好きだったりんごをすりおろしてあげてみたら、少し食べた。ほっとして少し家族で用事に出かけていたら、帰ってきたとたん容態が急変してあっという間に亡くなってしまった。


父も単身赴任しているから年に数回しか家族全員揃わないのに、

家族全員に囲まれて旅立った。

でも、直前の苦しい時間を一人にしてしまった。


きっと、頑張って待っていてくれたんだと思う。それを思うと、ごめんねとありがとうで涙が止まらなかった。

今回で会うのは最後かもしれないと思って覚悟はしていたけど、まさかこんなに早くいなくなってしまうと思わなかった。

毎日一緒に暮らしていた母は憔悴しきっていて、この辛い瞬間を一人で迎えさせなかったのも彼の優しさなんじゃないかとすら思う。


今回、家族のみんなが素直に大好きだった愛犬を失って、私の家族はお互いの前であまり涙を見せないけど、みんなで泣いた。普段、感情をあまりださないお父さんも泣いた。なんというか、家族で同じ感情を共有していることが唯一の救いとなって家族ってすごいと思ったし、この子がいなかったら我が家はこんなに一致団結しなかっただろうとも思った。


家族でいるとみんなで励ましあえたけど、

東京に帰ったら一人で、家に残る母も一人なのを想像したらまた泣けてきてどうしようと思っていたら、

当時はまだこれから家族になるかもしれなかった今の旦那さんが飛んできてくれて、いつか天国で会えるように僕も頑張って生きると言ってくれたことは忘れない。普段はふざけてばかりで怒ってしまうこともあるけど、大事なところはわかってる人。


血が繋がってなくても、犬でも他人でも家族になれると教えてくれた。
この経験を書き残しておきたくて下書きに書いたまま、読み返すと泣いてしまってずっと公開できなかったけど
ようやく1年経ってひさびさにゆっくり思い出しながら感謝とともに公開してみる。


これからも、新しい家族と周りの人を大切に生きようと改めて心にきざみながら、、

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