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山便り (9)

林道崩壊

 7月20日夜半、台風六号に伴う豪雨で山に入る林道が崩れ落ちた。崩れ落ちた土砂は市道を塞いだ。
 7月21日昼前、台風の被害がなかったかを確認するため、山に行った。かなりの雨量があったから、多分、林道は雨水の侵食でわだちの部分が掘れているだろうと思いながら山道を入っていくと、橋を渡ってすぐの先は崩れた土砂と大木が横たわり、通行できない状態であった。

車を降り、歩いてその場所に行き、崩れた上方を見上げると、なんと私の山に入る林道(厳密に言うと作業道)が崩れ落ちているではないか。私は崩れた場所に急いだ。林道は道幅が半分になっていた。車で通るのはとても無理だ。無理をすれば、まだ崩れるかもしれない。もう山に入れないのか。私はこの世の終わりほどの衝撃を受けた。当面7月24日の野点の茶会はできない。この後も、山に入れなかったら、私のここ六年間は一体何だったのか。気持ちはどん底まで落ちた。何とか通れるようにしよう。私は沈む気持ちを奮い立たせた。山林を譲ってくれた地元の人に相談に行った。「市道は市がやってくれる。」ということだった。林道はどうするかを森林組合に相談に行った。「木材の運び出しに使う作業道の修復は山主がやるしかない。」という。コンクリートブロックできちんと積めば、高さ、幅からいって百万円では済まないだろう。とりあえず、車がなんとか通れるような簡単な工事をお願いした。
 当然、野点の茶会は中止になった。

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