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何もかも変わってしまった表参道で

土曜日は月に一度のお花教室だった。教室のある赤坂から青山ブックセンターに行くために表参道までテクテク歩く。遅めのランチか軽食でもとろうとちょうどいいお店を探してみたが、スターバックスもプロントもドトールも閉まっていた。仕方がないかと青山ブックセンターに行ってみるものの、なんと閉まっていた。東京の中心地、何もかも閉まることがあるなんて。

誰もがみんなマスクをし、距離を保ちあい、落とし物を拾うのも躊躇してしまう。こんな日が来るなんて夢にも思わなかった。にわかにまだ信じられないでいる。

もう帰ろうかなと思ったら、青山ブックセンターとテラスでつながっているアン カフェが開いていた。テラス席に座ってパスタセットを食べる。店員さんがフランクで、なんだかホッとする。気を利かせてひざ掛けを持ってきてくれるし、「せっかくなんで」と何度も珈琲をたっぷり注いでくれる。思う存分、読書にふける。

そのむかし、ここでたのしい時を過ごしたことがあって、思い出をトレースしてみる。あの時から何もかも変わってしまったけれど、今もなお思い出は生き生きと鮮やかに蘇ってくる。たしか見上げた月がとても綺麗で。

私だけがまだ変われないで、取り残されている。

みんなで気兼ねなくご飯を食べ、お酒を酌み交わし、たのしくお話しができる日が来ることを願っている。

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