【素描】真っ白な女

真っ白な女が歩いている。
そのフサフサとした豊かな白さを支えるように、背筋はピンと伸びている。

花柄の緑のワンピースの上に、ピンクのカーディガンを羽織り、
秋色に染まる風景の中で、彼女だけが鮮やかに存在していた。

「誰のためでもない。私は私のためにオシャレをするのよ」

彼女の背中から、そう聞こえてくるようだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?