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中国の標語好きについて

中国って「標語」みたいなのが好きだというのは、中国に行ったらすぐわかる。そこら中に標語が書いてある。資本主義の日本なら絶対に広告が入っているところに、中国の場合は標語が入っている。”いい言葉”が書かれているのだ。新自由主義者の視点からはかなり無駄に映るだろう。地下鉄の中、地下鉄駅内、何なら商業施設の電光掲示板にだって標語がでかでかと出ている。

英語で言えば「propaganda(プロパガンダ)」というのだろう。なんとも偏った印象がついてしまっている言葉だ。

個人的には、広告で購買意欲などの欲を掻き立てられて無駄な出費が増えるのもなんだと思うけど、この標語もなんだと思った。街の至る所に標語があって自ずと目に入る環境にいると、何か人間の意識に無意識に刷り込まれるものがあるのだろうか。そうではない世界を知っていると客観的に見れるが、この景観が当たり前ならばそのような洗脳の効果もあるのかもしれない。

いや、僕だってアップルの広告を何度も何度も見せられて、当初買うつもりもサラサラなかったiPhone11でこのnoteを書いているのだから、標語の効果もあるに違いない。僕らは無意識のインプットに思っているよりも心理の深い所に影響を受けている。

とにかく、漢字の標語が中国に行くとたくさんある。中国らしい景色と言えるだろう。

例えば、こんな感じだ。

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歩道橋の側面に書いてある。この12個の熟語は2019年9月時点で市内各所で見られた。

富强,民主,文明,和谐,自由,平等,公正,法治,爱国,敬业,诚信,友善

漢字だから日本人にはおおよそ意味が分かる。和谐はハーモニーを大事にしようという意味、敬业はよく働き学ぼうという意味、诚信は誠実であろうという意味、友善は仲良くしようという意味。全て異議無し!とても日本的な価値観と重なるという印象だ。政府としては人民の道徳の時間みたいな感じなのだろうか。改めて、日本ならここに企業の名前を付けた橋の名前を売り出しているよなあと思った。

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