変数の理解2


以前書いた記事の追加。

コーヒーの淹れ方にしても、グラフィックデザインにしても変数の理解をして操作できるようになることで理想を目指す、というようなことを以前書いた。「なにかがうまくなる」というのがどういうことか抽象的にたまに考えている。

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少し前にTwitterかなにかで「最近の学生はコンセプトが重要だとよく言うようになったが、もうちょっとどういうことか考えたほうが良い」というようなことを書いている人がいるのをみた。その人の発言がどういう文脈かきちんとはわからなかったが、「コンセプトが重要だと気づくのは初手としては重要では?」と思った。

すでにわかっている人は「何が重要で、なぜ重要で、どのポイントが機能していて、機能する箇所はこうするとうまくいきやすい」ということがセットで体系的に入っている。なので、以前はそちら側だったにも関わらず「なんでそこがわかっていてその次がわからんのだ」などと思ってみるのだ。

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思えば、物事を習うときは「逆順」であることがよくあると思う。

先に書いたコーヒーの淹れ方の場合は、最後まで体系的にやりたければ「コーヒーの歴史」や「豆の選び方」からやるのではなく、「淹れ方(お湯の注ぐところ」」からやるのではないか。(実際はしらんが)

でないと、「豆の選び方」「煎り加減」「挽き加減」「粉やお湯の量」「お湯の注ぎ方」と順番をおっていくと、変数が多すぎて、自分がどの段階で失敗したか明確にならないからだ。

まず一定のお湯の注ぎ方で安定した淹れ方ができるようになって、その前の段階の変数を学ぶ。それまでは、一定の条件を満たせるものを使用する(市販の挽いてあるコーヒーの粉を使うなど)。

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グラフィックデザインについて言えば、(デッサンなどの基礎教育などを別にして、)まず授業課題などで「コンセプト(あるいはそのようなもの)」を与えられて、ロゴや名刺などを制作するあたりから始める。

コンセプトをグラフィックに落とし込めるようになるのはほぼ最後の工程にあたるからだ(本当はその後の流通とか運用とか色々あるが)。

なので、その後に気づくはずなのが「コンセプトの重要性」とかで、そのあとで「なぜコンセプトが重要なのか/どのあたりがコンセプト立案に重要なのか」あたりか。その後、どんどん根底の部分へ掘り下げていくことになる。

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最近は学生のポートフォリオを講評する機会も多く、事例が貯れば同じことのペーストで効率化できるのでは、などと思ってみたが、やはりそれぞれの発展段階があり、どのレベル(変数の工程上の話で)かに合わせていく必要がある。「そもそもその根底から突っ込む?」というような指導がある学生さんは、うまくなってきている、と思って良い。

逆に、細々とした統一ルールやテクニック的な指摘を受けている人は、もっと先があるので頑張って欲しい。

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