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漫才師ってカッコいい〜

『THE SECOND』見ました?

わたしはリアタイして号泣しました。

M-1という戦地の前線から離れ、一度は剣を置いた老兵や、前線から離れてからも技を磨き続けた戦士たちが再び剣を交えてる姿を見てボロボロと涙が出てきた。

当初は「M-1に出れなくなった人のためのM-1みたいな大会」というイメージが強かった。G-1グランプリなどという言葉を濁さずに言うと「失敗例」もあったし、THE MANZAIやR-1のことを鑑みて少し不安を抱えつつ、もう一度好きな芸人が闘う姿が見れるかもしれないことに期待を寄せていた。しかし蓋を開けてみたら期待以上のものだった。

わたしが予選から応援していた芸人は囲碁将棋。(優勝予想も囲碁将棋でした)

しかしながら、出場者を見れば見るほど誰にも負けてほしくない

結成年数に上限がなく、今後も年に一度開催されるのだとしたら、M-1よりもよっぽど「次がある」。にも関わらずどうしても特別に思えてしまうのは、第一回目であること以上に、マシンガンズの存在が大きいと感じる。

決勝の場でも言っていたが、彼らは20年以上芸人をやっているのにネタが2本しかない。何年も前にネタを作るのを辞めてしまった。作ったとしても持ちネタ以上に面白くならないからだそう。

だから今回優勝できなかったら来年以降は出ない!とラジオでもおっしゃっていました。

「心の中では芸人を辞めた気でいた」なんて発言もありましたが、昔作ったネタで勝負して、決勝行けたらラッキー!なんて出場者はおそらく他にもいたんじゃないだろうか。

今回の放送を見て意欲がわいたベテラン芸人もいれば、今更本気を出すことに抵抗がある芸人もいるはずである。

やる気を出したベテラン芸人が賞レースのために新ネタを作り劇場に立つ回数を増やしたら「○○がネタやってるの久しぶりに見た」という感覚も減るし、マシンガンズのように最後のボーナスステージのつもりで出場する芸人の数も年々減る可能性が高い。

さらにM-1でラストイヤーを迎えた芸人たちが、ところてん方式にTHE SECONDに出場することも容易に想像できる。

だからこそ、第一回目の本大会は「特別」なのだと思う。

M-1の出場資格を失った直後の金属バットと、心の中では芸人を辞めたとまで言っているマシンガンズが1回戦目で闘うなんてことはもう起こらないかもしれない。

そんなマシンガンズが最終決戦まで上り詰め、M-1出場資格を失ってからも粛々と技を磨き続けてきたギャロップとチャンピオンの座を奪い合うなんて、こんな奇跡のようなことが2回も続くとは思えない。

というか、何度もあってたまるか。

いや、「やってみろよ!!」

こんなことが何度も起こってしまったら奇跡でもなんでもない、でも見れるもんならそりゃ見たい。

Twitterでも言ったんですけど、今回のマシンガンズは実力はあるけど世間的にはノーマーク。そんな状態で競合を倒してグランプリファイナルまでやってきて、ネタが2本分しかないにも関わらず、2回の漫才でそのほとんどを使い切り、満身創痍で挑んだ決勝戦で最低点で負ける。

これもう山王戦で怪我して、「俺は今なんだよ」と試合に出続け、王者山王に勝利した後呆気なく敗退する桜木みたいなもんですからね。

こんな漫画のような出来事をリアルタイムで観測できたことに感動し、漫才中は笑顔だったのにCMに入った途端オイオイ泣いた。

決勝のマシンガンズのあまりのかっこよさに泣き、そんなマシンガンズをしっかりとした6分ネタで抑えたギャロップに感動して泣き、何年も前に囲碁将棋が優勝する姿を見たいと願っていたあの頃の感情を思い出してまた泣いた。


M-1のせいで漫才が競技化しすぎているとか、「笑い」で勝敗決めるのはナンセンスだとかいう声も聞こえてくるようになり、わたし自身「ぶっちゃけわかる」と思いながらそんな意見を聞いていますが、それでも決められたルールの中でどれだけ人を笑わせられるかを本気で競っている芸人たちはかっこいい。


いいものを見れたなと、ただただそう思います。
こんな奇跡が続かなくとも構わない。ですが、THE SECONDは今後もこの空気を保ったまま続いていってほしいですね。

マシンガンズには、来年も「去年出し切ったからネタがねえ!」って言いながらまた出て欲しいな。


そして、改めてギャロップさん優勝おめでとうございました!

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