転職したい

そう言い続けて早4年。新卒入社した会社に6年も勤めてしまっている。

同期は全員転職し、新卒入社の先輩も数名しか残っていない。学生時代の友人もほとんど転職を経験しており、中でも一番仲の良い友人は派遣会社で契約更新時期に毎度転職をしているため、現在4社目らしい。

そんな友人たちは、一度も転職をしていないわたしを「長続きしてすごい」と言う。わたしは転職をしていないのは、環境を変える度胸がないからだと思っているため「すごい」と言われるたびに恥ずかしくなる。

会社には主に給料と取引先と仕事内容で不満があるのだが、何故転職をしないのかと聞かれたら「面倒臭い」が一番の理由だ。

今の職場は、一言で言うとキモい。入社前からキモいと思っていた。キモさを具体的に説明すると会社がわかってしまうので、ぼかして言うが、

・通常面接以外にトリッキーな選考方法があった
・内定の通知方法でウケようとしてきた
・役員がイキっている

上記のようなベンチャー特有のキモさがあった。だから入社前から3年勤めたら転職すると決めていた。ちなみに退職率が異様に高い弊社は、このキモさを出していた社員がいなくなり、キモの種類を変えてきている。

そんな変動キモ会社に3年勤め、実家暮らしでそれなりに貯金もたまり、転職とひとり暮らしをしようと思った矢先。

コロナだ。

リモートワークができるようになり、ひとり暮らし計画も取りやめ、落ち着くまでは実家で慣れた仕事を続けることにした。コロナが落ち着いたら再び出社になると知らされていた。ではそうなったときに退職しよう。そう決めたのだが、2024年、ついにフルリモートが可能になった。フレックスも導入された。なんならコロナ禍でわたしは会社にとってそれなりに「辞められたら困る人材」に成長してしまい、自分の仕事を完璧に終わらせるという信頼のもと、繁忙期であっても簡単に有給が取れるようになった。

キモ会社は社会不適合者のオタクが働くにはうってつけの会社になってしまった。

しかしこれが許されているのはわたしが実家暮らしだからだ。1人暮らしをするには薄給すぎるのだ。

わたしは同じ職場に居続ける恥ずかしさと、実家暮らしを続けている恥ずかしさにいつまで耐えられるだろう。

いっそのこと会社が爆発でもして転職活動をせざるを得なくなればいいのに。

貰えるものは貰っておきたい