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【資格受験レポート】ソフトウェアテスト資格の「IVECレベル2」を受けて来た話

こんにちは、tateishi(@mt3_set)です。

この記事はソフトウェアテストの小ネタ Advent Calendar 2021の22日目の記事になります。


先月の11/28(日)にIT検証技術者認定試験(IVEC(アイベック))という資格を受けてきました。

合格発表はまだですが、今回はその時の様子や感想などを書いていきたいと思います。


そもそもIVECって?


一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)という団体が主催する資格試験で、公式サイトでの説明は以下の通り。

IT検証技術者認定試験(IVEC)は、一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)が認定するテストエンジニアの資格試験です。特徴はテストの現場における実務を重視していることです。IVECのキャリアレベル(下図参照)ごとに実務力を問う記述式試験を設けており、その合格者(認定者)には実際の現場でも安心して仕事が任せられると、業界でも高い評価を受けています。

一般社団法人IT検証産業協会 IT検証技術者認定試験(IVEC)とは

こちらのページにも書かれていますが、2017年以前は「知識試験」「実務試験」の2つの試験だったのが、2018年からは「実務試験」に一本化されました。

なので

  • JSTQB:テストの体系的な知識を問われる資格

  • IVEC:実務での経験を問われる資格


というイメージです。

また、IVECには1~7のレベル(現在受けられる試験はレベル5まで)があり、それぞれのレベルで要求されるスキルが変わってきます。


今回僕が受けてきたレベル2
は「キャリアレベル:エントリーレベル」に属し、「テスト実行管理」のスキルを問われる資格になります。

試験は年に2回、春期試験と秋期試験があり、毎年以下のようなスケジュール感で実施されます。

  • 春期試験:5月末(申込期間:3月末~4月末頃)

  • 秋期試験:11月末(申込期間:9月末~10月末頃)


なので次の試験は来年の2022年5月末頃ですね(コロナで中止とかにならなければ)

受験される方はだいたいのスケジュール感を覚えておくとよいかもしれません。

その他の詳細についてはIVEC試験概要のページを参照ください。


勉強法


まずは先人たちの知恵を借りよう、ということで既にレベル2に受かっている会社の人たちに勉強法を聞いてみたところ、


「あーIVECね、あれあんまり勉強しなくても受かるよ」

「取り合えずシラバス読んでおけば受かるよ」

「ちゃんと仕事してれば受かるよ」


ほんまかいな…

心配性の僕は色々調べて、最終的に以下のことをしました(結局大したことしてないけど)

  • IVECのシラバスページに置いてあるエントリーレベル(レベル1・2)のシラバスを読み込む

  • 過去問と解答例をざーっと読んで、だいたいの解き方を知る

  • 同じく↑の過去問置き場に置いてあるドキュメントフォームを確認しておく


シラバスを読み込むのは基本として、過去問とその解き方まで抑えておくというのが最重要事項だったりします。

というのも、過去問の形式とその解き方は毎年だいたい決まっているためです。

恐らく自分の現場でのテストケースフォーマットとか各情報の管理方法に慣れている人がシラバスだけ読んで受験すると、ちんぷんかんぷんのまま終わると思います。

あとはドキュメントフォームを確認しておくのも意外と重要。

試験開始前の説明のときに試験問題のサンプルファイルを確認できる時間があるのですが、それらのファイルはこのドキュメントフォームに置いてあるファイルとほぼ同じ?だったりするので、試験開始してから「何やこのフォーマット、全然見たことあらへん」とびっくりしないように、一度確認しておくことをおすすめします。


ちなみに、当日の試験環境はPC1台に以下のアプリケーションが入っていて、これらで問題を見たり解答を入力していきます。

  • OpenOffice.org Calc 日本語版(表計算)

  • Acrobat Reader(PDFリーダー)


試験の説明時にも注意事項として載っているのですが、「OpenOffice」の操作感が若干Excelとは異なるので、不安な方は事前に触っておくとよいかもしれません。


試験当日の流れ


試験は情報オアシス神田という会議室で行われます(たぶん毎年同じ場所)


レベル2は試験の説明開始が13時~なので、その10分前くらいに行ったのですが、会場付近にはすでに人がちらほら。

若い方から年配の方まで、色々な年代の方がいる印象でした。


試験を行う部屋の入口で受験票を渡し、自分の番号が書いた席に座ります。

上でも書きましたが、最初の20分程で試験についての説明が行われ、その間にサンプルのファイルなどを見ることができます。

説明が終わって時間になったらいよいよ試験開始。
試験はPC1台で行います。フォルダの中に試験問題と必要なファイルなんかが色々入っていて、それらを設問ごとに順次開きながら解いていく感じです。

PCの画面はそこまで大きくなく、モニターなどももちろんないのでウィンドウを行ったり来たり…若干ストレスがたまりますが、そこは「Alt+Tab」の画面切り替えで凌ぎましょう。

その他、ウィンドウやファイルに対する基本的なショートカットを覚えておくとなお良いです(これは試験に限らずですが)

また、PC以外にはメモ用紙(注意事項が書かれた紙の後ろの方)も配られるので、筆記用具も持っていきましょう。

簡単な計算とかちょっとしたメモ書きとか、頭の中だけで考えるよりもささっと書き出した方が効率の良い問題がいくつかあります。

試験時間はレベル1~5まですべて180分です。

問題を解き終わったら、PCにUSBが刺さっているのでそれに解答用のファイルを入れて、注意事項&メモ用紙といっしょに試験官の方に渡して退室、といった流れになります。


試験問題について


問題の持ち帰りは不可なのですが、覚えている範囲で何となくポイントみたいなところを書いていきます。

問1:テスト実行管理者の前提知識


シラバス暗記系の小問集合。

恐らくここで時間を使わせる作戦で、出鼻をくじかれると辛い。
さくっと終わらせよう。

問2:テスト実行スケジュールの策定


各条件からテスト進捗管理表を埋める問題。

問題の内容としてはざっくり

「過去の作業進捗をもとに、現在の条件で進捗管理表を作る」
「進捗遅れが出た → 原因と防止対策」

みたいな感じですが、条件が複雑で割合など面倒な計算をさせられることも多かった印象なので、時間かかりそうだなーと思ったら後回しにしても良いかもしれない。

問3:テスト実行報告書の作成


テスト実行の中間報告書を作る問題。

「テスト実行結果概要」「不具合の重要度」「不具合のステータス」「進捗(件数)」「生産性」「不具合傾向」などなど、やたらと入力する個所が多く、色々な資料を参照しながら解かなければいけないので一番時間がかかる。

今回の試験では中盤の難関だった。

問4:テスト実行フェーズのリスク抽出


とあるプロジェクトの状況説明から、今後起きるリスクを複数個挙げる+それらの対策を答える問題。

ここはわりとシラバスに記載の内容まんまだったのでさくっと解けた記憶。

問5:テスト実行のふりかえり


テストチームの複数のふりかえり内容から

「どのチームに対する意見かの分類」
「ふりかえり内容を1つ選んで、改善すべきタスクとその内容」

などを答える問題。

これも問4と同じく長文を記述する必要がなく、そこまで時間はかからなかった印象。

問6:不具合の管理・分析


とある不具合履歴管理表をもとに

「各不具合をそれぞれのステークホルダーの視点から重要度付け」
「不具合から複数選んで、それらの対策検討」
「一番問題になったと思われる不具合について開発担当者に依頼すること」

などなどを答える問題。

最後の山場で、とにかく不具合管理表を読み込むのに時間がかかった。

最後残り20分くらいで問題見たときに「あーこれ全部解くの無理だわ」と感じたので、いくつかあった小問のうち解けそうなものだけ先に埋めていきました。

最終的に問6の小問1問だけ空欄で終わってしまったけど、何とか全体的に埋めることができたので合格していることを祈りたいです。


受験結果


だいたい試験の2か月後に合格発表があります。

今回の場合は2022年の1月末くらいに発表されると思うので、合否が分かったらまた追記したいと思います。



2022/1/30 追記


予定通り、受験日から約2か月後の2022/1/28(金)に合格発表のお知らせメールが来ていたのですが、何とか無事合格できました~👏👏

IVECの試験結果は「合格・不合格」の他に、「各設問それぞれの正答率のレーダーチャート」を表示してくれるみたいで、僕の点数は以下のような感じでした。


問1:前提知識    :満点   (合格者平均:90%くらい)
問2:スケジュール管理:50%くらい(合格者平均:60%弱)
問3:報告書の作成  :80%強  (合格者平均:75%くらい)
問4:リスク抽出   :50%弱  (合格者平均:80%)
問5:ふりかえり   :80%強  (合格者平均:60%)
問6:不具合管理・分析:65%くらい(合格者平均:65%くらい)


おおう、何か微妙だな…
合格者平均が高い、かつ↑で「さくっと解けた」と書いている問4が一番悪かったという…笑

全部合わせると70%ちょいくらいの正答率でしょうか?
合格者平均と比べると、ほぼほぼ同じくらいの点数は取れていたみたいです。

ちなみにIVIA公式サイトから見られる試験結果の集計によると、今回(2021年秋)のIVECレベル2は受験者数232人のうち、合格者が146人だったので、約6割強の人が合格した計算になります。

詳細な点数のボーダーは明示されていませんが、6~7割くらい点数が取れていれば合格できるのかなーという感じですね。

試験対策については、合格者平均から見ると「スケジュール管理」「不具合管理」の管理系の設問が平均点低めになっているので、そこら辺を重点的に勉強してみるのが良いかもしれません。

もちろん問題の傾向は毎年変わると思いますが参考まで。

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