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高断熱高気密、どこから始めたんですか。

先日、勉強会で「暮らしと建築社」の須永さんと話す機会があった。彼は奥さんともにみかんぐみのOBである。長野県伊那市の伊那東小学校の現場が終わった後、その地で設計事務所を開設し、いろんな設計をやっている。現在は、クライアントとともにゼロエネルギービルを作ったり、超高性能なアパートを事業者として作っていたりする。その彼に、どこからこういう高性能な家を作ったのか聞いた。(タイトル写真は木下建工、木下さんから提供)

「竹内さんが高断熱にした方がいいと言ったからですよ。」と笑いながらいう。「断熱のバランスを考えたら、200mmじゃ足らないと言われて、300mmにしたんです。」とのこと。こちらは確かに言ったかもしれない。でも、彼が偉かったのはここからだ。「実際に300mmしたらいくらコストが上がるか計算してみた。そしたら、大した金額じゃないことがわかって、それ以降の現場でやってみたんです。そしたら、そのお宅のクライアントからありがたがられて、そこからです。」意外と単純なトライである。そんなものである。でも、一般の設計に慣れている設計者は屋根の断熱材300mmと言われると、「そんなになんでたくさん入れるんだ?」となってしまう。施主の木下さんとのコラボレーションを聞くと、「温熱計算は施主がしてくれるし、設計をリスペクトしてくれるし、、、」と羨ましいコラボレーションの話になる。

まずはとにかくやってみることですね。

断熱材に関して、屋根グラスウール300mm、壁グラスウール200mm、基礎立ち上がり防蟻処理したボード系100mm、樹脂窓、気密施工あたりが標準的な考え方だと思う。

・屋根が厚いのは、夏の日射対策。冬の上昇気流を抑えるために、壁より厚い。

・壁は100mm分をフェノールフォーム系50mmに置き換えることが多い。(ボード系断熱材はだいたい倍の性能があるから半分でいい。)

大雑把に言うとこんな感じである。これさえやれば、新築では、等級6、あるいは等級7にいける場合もある。

また、建築家 坂牛卓 さんの自邸「坂牛邸」に関して、どのくらい断熱をしたら良いかと聞かれたので、上記のようなレベルの話をしてみた。最初は断熱材の厚さに驚かれていたが、実際やってみると効果覿面である。そう、ぱっと写真をみても、そんな風には見えない。断熱は見た目に見えないから良いのではないかと思う。

https://architecturephoto.net/79102/


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