#40 福kin 「一人医療介護セッション」なんです3!
前回に続き、一人医療介護セッション最終回です。
問7・今後医療介護業界でどんな連携ができるか(地域包括ケア等)
A・会社の課題解決から社会の課題解決へ
高齢者分野で地域の課題を把握し対応する機関といったら「地域包括支援センター」があります。
以前は私もそこに在籍していました。
地域包括支援センターの職員は忙しい。毎日毎日相談対応、支援計画、権利擁護事業に、地域に向けた勉強会や催しの準備等。
こういった業務を整理するのにkintoneはもちろん有効ですが、やはり地域の課題を解決するためにkintoneを活用できないか考えたいです。
「高齢者見守りキーホルダー事業」
例えば、大田区から全国に広まった「高齢者見守りキーホルダー事業」
これは、予め登録してもらった氏名やかかりつけ医、病名等の情報と身につけているキーホルダーのIDを紐づけて、意識不明の状態で救急搬送された際にキーホルダーのIDを手掛かりに迅速に個人情報や医療情報にアクセスできるシステムです。
これにより救急医が病名や内服薬を把握し医療判断に役立てたり、ソーシャルワーカーが氏名やキーパーソン、担当ケアマネを把握する事で家族への連絡やこれまでの介護状況を知る事ができます。
このシステムでkintoneを構築すると、
・ます登録用紙に記載してもらった情報をkintoneで管理できる
・登録情報にアクセスできる機関を管理できる
・見せる情報の範囲をアカウントにより管理できる
・救急隊等がモバイルからもアクセスできる
・キーホルダーにQRコードを印刷しアクセスの利便性を高められる
・フォームブリッジを使って、高齢者自身や家族がいつでも最新の情報を更新できる
等の運用ができるようになると思います。
徘徊高齢者の保護にも一役買うはずです。
実際にkintoneで運用している事例は現段階で把握していないので、あくまで想像ですが技術的には可能だと思われます。
むしろ難しいのはセキュリティ概念の理解や、地域ネットワーク構築、仕組みの浸透の方かもしれません。
「町内災害時救済情報マップ」
また、kintoneはマッピング機能も優れているので、災害時に役立つ「町内災害時救済情報マップ」も作成できると思います。
大きな災害が起こった時のために、予め「独居高齢者」「障害・難病家庭」等の情報を地図で共有しておきます。
災害が起きたときに地域住民や公的機関はマッピングされた家庭にピンポイントで安否確認に行けるはずです。
kintoneはクラウドなので、災害時にデータが飛ぶ心配も少ないのです。
また、予め顔写真や病名、内服薬を登録しておけば避難所に避難している当事者を素早く見付け、スムーズに内服薬の準備等ができます。
緊急度の高い家庭や病名毎にソートもできるので、効率的な安否確認に繋がります。
会社の課題だけでなく、社会の課題も解決していきたい!
私の中で、そんな想いが日に日に強くなっています。もし私で何か協力できるケースがありましたらお声かけください。
問8・医療介護業界における これからの kintone の可能性をどう考えていますか?
A・個人・組織と社会をエンパワメント!
福祉業界の職員は学校や日々の実践で様々な事を学んでいます。
例えば
傾聴
“傾聴(けいちょう)”とは、相手の気持ちに寄り添って耳を傾ける方法です。
ラポール
相互を信頼し合い、安心して自由に振る舞ったり感情の交流を行える関係が成立している状態
アセスメント
対象者の現在の状態をよく知り、何を求めているのか、希望・要望を掴むために行われる技術。見立て。
等々
このような知識や技術はシステム開発にも生かせると私は考えます。
何故ならシステムもまた人と人との関係の中から生み出されるものだからです。
人間関係や人と環境との接点に対するアプローチを学んできた私たちですが、今まではシステム構築をする機会、というか発想がありませんでした。
システム構築はきちんとプログラムを学んだ人が専門的に行うものだという認識だったからです。
ただ、kintoneはノンプログラミングの世界です。人間関係や環境に対するアプローチのプロである私たちが、システム開発の技術を手に入れたら現場にはどんなシステムが根付くのでしょうか?
あらゆる所で、人と人との関係に寄り添うシステム構築がはじまるのではないでしょうか。
今後、医療・福祉業界の職員がシステム構築をすすめる事で、個人が、組織が、社会が生き生きとその力を発揮できる世の中になる事を期待しています。
最後に
以上で私が医療介護セッションにお伝えしたかったことのまとめを終わります。
当日お伝えできなかった部分も含めつらつらと書いてきました。
これから医療介護業界がkintoneのようなシステムを活用しながら、ますます魅力的な業界になる事を願っています。
少しでも読んでいただいた皆様に何か残れば幸いです。
ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?