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クイーンズタウン〜ブキ・メラ(レッドヒル)の図書館に行くべし

 シンガポールで仕事と勉強をどう進めていくか、元同僚に相談に乗っていただくため、クイーンズタウンの南へ初めて足を運んだ。
 シンガポールで最初に開発が始まった街、クイーンズタウン。1953年にエリザベス女王の戴冠式を記念して名づけられたという。アレクサンドラ・ロードを挟んで東側は、ブキ・メラ(レッドヒル)になる。知らずに地区をまたいで散歩している中で、「いい感じ」の図書館を発見したため、ここに記していきたい。


Comics Library

 ショッピングモール「アンカーポイント」内にある漫画専門のポップアップ無人図書館、「Comics Library」は、2023年9月にオープン。

ポップなレイアウトが目を引く
FINカードを持っていなくても利用可能なのかしら。アプリ登録は必須

 国立図書館庁(National Library Board、NLB)とアンカーポイントとのコラボレーションで実現したこのユニークな図書館は、9月中には閉館する可能性があるため、興味がある方はお早めに。

Casual Poet Library

 日本で静かなブームになっている私設図書館。その1つと日本旅行中に出会ったシンガポール人写真家Rebecca Tohが開設しつつある「Casual Poet Library」が、アレクサンドラ病院向かいのHDB住宅の一角にある。

コージーという表現がぴったり

 彼女いわく、全てはInstagramの投稿から始まったという。

 多方面から大きな反響を得て、この投稿から3日後には、現在の店舗に出店を決めたとのこと。8月1日オープン予定だが、既に新規の貸出希望者は受け付けておらず、図書館の運営ボランティアも200人を超える応募があったよう。

ディスプレイにあるだけでも、川内倫子やレベッカ・ソルニット、カート・ヴォネガットなど。
好きな人はとことん好きになるラインナップ

 本屋ではなく私設図書館というところに、創設者の気概を感じる。

ヴォイド・デッキを見逃すなかれ

 いち店舗としてではなく、公共空間にオープンした図書館もある。
 まだ実際に行ったことはないのだけど、ホランド・ビレッジのとあるヴォイド・デッキ(Void Deck、HDB1階部分のオープンスペース)という完璧なアクセシビリティを持つHV Little Libraryは、本との素敵な出会いを叶えるだけでなく、コミュニティ開発という点でも静かな話題になっている。2022年8月に、住人の1人が小さな本棚を置いたことからスタートしたこの図書館は、ボランティアで運営されており、壁の装飾から本、楽器、卓球台などは全て「いただきもの」だ。

 吹きっさらしの環境で本のコンディションが気になるところだが、ブラインドを設置し保護しているとのこと。近々ふらっと立ち寄りたい。

越境散歩

 話は前後するが、Casual Poet Library近辺をぶらぶらしていたら、奇抜なコンドミニアムが突如姿を現した。

低層HDB住宅の合間から、異質の存在感を放つインターレーン(The Interlace)

 2015年のワールド・アーキテクチャー・フェスティバル (World Architecture Festival:WAF)で最優秀賞を受賞したとのことだが、どことなくバランスが心配になる。

 クイーンズタウンとブキ・メラの境界に気づかないまま越境し、新旧の建物が当たり前に共存しているさまにしばし見入った午後だった。

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