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恐怖と脳とスポーツ

こんばんは、
今回は恐怖と脳とスポーツについて書いて行きたいと思います。

みなさん、スポーツをしていて恐怖を感じたことはありますか?
例えば ...
相手チームが怖い?
上手くできるかどうかわからないから怖い?
プレーをするから怖い?

正直、そんな経験はあまりないと思います。
ではどんな恐怖が多かったですか?
おそらく親・監督・コーチに怒られるのが怖いと思ったことが多くないですか?

もちろん、
他の人の目を気にしたり、それこそ指導者を意識して練習や試合をするべきではないとは思いますが、多くの人が怒られたくないと思うのが本心でしょう。
ましてや小さい子供達に恐怖で指導するのはどうなんでしょう?

今回は、
このような疑問を元に
恐怖と脳の関係を中心にいくつかの研究を紹介できればと思います。

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今日紹介させてもらうのは、友田明美先生を中心に書かれた3つの論文です。
友田先生は虐待と脳の関係を中心に研究されている方で僕もいろんな論文を読ませていただいています。

またTEDでも講演されていて、
大学院に在学中に何度も見させていただきました。
(リンクを貼っておきます。)

http://www.ted-ja.com/2017/02/qin-zi-woxi-guai-zhao-nonoy-ke-xue-you.html

さて、それぞれの論文の内容ですが、
1つ目の論文では、
"親の言葉による暴言は子供の上側頭回の密度を過剰にあげてしまう"という内容です。
この脳の上側頭回という部分は、主に音声言語処理やコミュニケーションを司る領域であり、親の言葉による虐待によって過剰に発達してしまいます。

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では、この結果から何が推測できるのでしょうか?
まず考えられるのが上側頭回の過剰な発達により、           
音声言語処理やコミュニケーションに悪影響が出てしまうことです。
例をあげると、
1. 人の言っていることを正しく理解できない。
2. 人と上手くコミュニケーションを取ることができない。
上記の理由により社会で上手く生きていけない。
このような問題が出てくる可能性があります。

2つ目の論文は、
"家庭内暴力を目撃した子供の舌状回・紡錘状回は減少し、過剰に肥大している”という内容です。
舌状回は単語認知、紡錘状回は単語・数字・人認知を司っているといわれています。
この舌状回と紡錘状回が家庭内暴力を目撃してしまうと正しく機能しなくなってしまいます。
その結果1つ目の論文と同様に生活に悪影響が出てしまいます。
文字が上手く理解できない・単語・数字・人を上手く理解できない(脳で処理できない)。そして、社会で生きるのが苦痛になる可能性があります。

また、これらの論文では親や家庭内での問題でしたが、
これが監督・コーチ・はたまたトレーナーといわれる人たちならどうなるでしょう?
これは推測ですが、同じ現象が起こる可能性は十分に考えられます。

そして3つ目の論文は、
”厳しい体罰によって前頭前野と眼窩前頭皮質が減少する”という内容です。
前頭前野と眼窩前頭皮質は主に思考や判断、感覚情報の統合、意思決定を司る部分で、
ここが上手く機能していなければ人は短絡的な行動をとってしまうといわれています。
つまり、体罰(力による恐怖)を受けると人は正確な判断や正しい感覚情報を統合できなくなるということです。
いわゆる思考が停止してしまうということです。
指導者に暴力を振るわれて頭が真っ白になり、何も考えられなったことはありませか?

このような様々な脳への影響は脳を守るためにあると僕は思います。
全ての現象をまともに捉えてしまうとショックに耐えきれないと脳が感じ、
そうならないように脳の各部分を変異させているのだと思います。

スポーツという本来子供たちを育てるためのものが、
子供たちの成長の妨げになってしまっているかもしれないのです。
そうならないためにも、
スポーツを通してどのような指導をしていけば良いのかを指導者は考える必要がありそうですね。

僕自身も子供たちにトレーニングを教えることが多くありますが、
どのような言葉がけをすれば、子供たちの将来に貢献できるかを考えて指導を行っていきたいですね。

明日からの子供たちへのトレーニング指導も大変になりそうです。

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