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マニュアルアプローチでの緊張抑制

最近マニュアルアプローチについて勉強・実践することが多いのですが、
今回はマニュアルアプローチを生理学的な観点から復習しようと思います。

僕自身、病院では選手から高齢者のパーソナルを中心に活動しているので、
マニュアルアプローチをどのように使用しているかまでをまとめることができれば良いかとな思います。

僕がマニュアルアプローチをする際に考えていることとして
1. 筋の過緊張を抑制する
2. 体性感覚を変化させる
3. 筋に適切な張力のポジションに持っていく
4. 筋の癒着を取り除く


マニュアルアプローチで1-4を考えて、
疼痛抑制・ROM改善・筋力の改善を狙います。
そして、マニュアルアプローチ後に運動を行うことで
正しい運動パターンの獲得や不良動作を取り除いていくことが
必要だと考えています。

僕のパーソナルトレーニングの主な流れとしては、
1. 問診
2. 評価
3 & 4 マニュアルアプローチしながら評価⇄運動しながら評価
5. 変化を実感してもらう

そして今回は、
マニュアルアプローチは生理学・神経学的にどのように仕組みになっているかを
まとめていきたいと思います。
今回は3つの抑制についてまとめます。
1. Ia抑制
2. Ib抑制
3. 反回抑制

1. Ia抑制(相反抑制: Reciprocal inhibition)
対象となる筋の拮抗筋の筋紡錘に刺激を与えることで対象となる筋の緊張を抑制する。
Ia線維は脊髄内で枝分かれしていて、
下位の脊髄分節の介在ニューロンを介して拮抗筋のα運動ニューロンを抑制する。
例:上腕二頭筋の筋紡錘への刺激→外腹斜筋の緊張抑制

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https://physioapproach.com/blog-entry-341.html

2. Ib抑制 (自原反射: Autogenic inhibition)
対象となる筋のゴルジ腱器官に刺激を与えることで、
その筋の緊張を抑制する。
ゴルジ腱器官が刺激を受けると活動電位が発生し、
Ib線維を通って脊髄に侵入し、同じ筋を支配している
α運動ニューロンを抑制する。
例:半腱様筋・半膜様筋のゴルジ腱器官へ刺激→内側ハムストリングスの緊張抑制

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https://physioapproach.com/blog-entry-341.html

3. 反回抑制 (Recurrent inhibition)
レンショウ細胞という介在ニューロンが出力細胞の軸索側枝からの興奮を受け、
その細胞を抑制する。
α運動ニューロン活動が限度を超えた場合に筋伸張反射活動に負のフィードバックをかけて過剰の収縮を抑制する。
例:外腹斜筋の最大収縮→外腹斜筋の緊張抑制

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https://physioapproach.com/blog-entry-341.html

紹介した3つの抑制をマニュアルアプローチで行うことで、
筋の緊張抑制を行うことができます。
あとは、解剖学観点から対象となる筋の構造を把握し、
それぞれに対してアプローチをかけていくことができます。

しかし、マニュアルアプローチを行うことで、
緊張がなくなり、楽にはなりますが、
一番良いのはその状態で運動介入をすることです。
「気持ち良くなったわ」「楽になったわ」だけで終わらせるのではなく、
そこからActiveに運動することで
さらなる効果を期待することにつながると考えています。

今回は初めて"トレーナー"っぽいことを書きましたが、
また気が向けば書こうと思います。

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