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自分にとってのスクラムガイド

何かあると必ず目を通している「スクラムガイド」

普段アジャイルやスクラムを実践する中で私は「スクラムガイド」をよく目を通しています。アジャイル・スクラム実践者の多くが同じなのかは分かりませんが、私が最も目を通している文書は「スクラムガイド」であるに違いありません。
以前はスクラムを始める前に読むものというイメージがありましたが、よりスクラムを理解すればするほどこのスクラムガイドに立ち返り読み続けていると気づきました。

なぜ何度もスクラムガイドに目を通すのか

単語表現がスクラムガイドに載っているものに沿っているか確認するため

人にスクラムを説明する際に余計な混乱を与えないという意味で、自分の使おうとしている単語がスクラムガイドに記載されているものと一致するか確認しています。
イベント・ロール・作成物それぞれの単語はもちろん、「自己管理型」のようにこれまでのスクラムガイドで使用されていた用語からアップデートがあったものも漏れなく正しく使っているか確認しています。

読むたびに新たな気づきがあるから

スクラムガイドは17ページ(オリジナルの英語版は13ページ)と少ないボリュームでありますが、読むたびに新たな気づきが得られることが多くあります。
前述で単語表現が合っているか確認すると書きましたが、それをするようになったのも読むたびに自分が捉えていた表現とは違う表現が使われていたことが分かり、自分自身の理解を正すためにも習慣化した背景があります。
例えば、今まで私はスクラムの「作成物」という表現は「成果物」と誤用していたことに気づいたり、最近ではプロダクトバックログの並び順に「優先度」や「優先順位」という言葉が全くもって使われていないことを認識しました。

過去のスクラムガイドとの比較からどんな変化があったのか気づけるから

私はスクラムガイドを読むときは日本語翻訳されたオリジナルのPDF版ではなく、角さんが提供してくださっているHTML版のスクラムガイドを見るようにしています。

スクラムガイドを毎回最初~最後まで読んでいるのではなく、辞書のように見たい箇所をピンポイントに読んでいるため、目次のあるhtml版を読んでいました。
このhtml版の素晴らしいところは過去のスクラムガイドもタブメニューからすぐに確認ができる所です。これによって同じ用語の説明でも、スクラムガイドのアップデートによってどんな変化があるのかすぐに分かることができます。この変化を見ることでスクラムを実践していく上でのポイントやメッセージを感じ取ることができます。

スクラムを実践する上で考えるきっかけを与えてくれるから

スクラムガイドはガイドブックであってマニュアルではありません。つまり、細かくすべてチームでスクラムを実践するための手段が記載されているわけではありません。チームごとにそのチームにあったやり方を実践する必要があります。その上でスクラムガイドはどのように実践していくべきか考えるきっかけを与えてくれます。
いかにしてスクラムの理論と価値基準をチームに浸透させ、実現していくか。各イベントの目的をどのように達成していくか、考えるきっかけがたくさんあります。

いつどんな時にスクラムガイドを読む?

個人的にいつスクラムガイドを読んでいるかも書いてみようと思います。

人にスクラムを説明するとき

スクラムマスターを務めてチームにスクラムを説明する際や、社内外の研修講師を担当しているので、その際の資料アップデート時には必ずスクラムガイドに目を通しています。
これは前述の「単語表現がスクラムガイドに載っているものに沿っているか確認するため」に書いた内容に直結します。

人とスクラムについて話すとき

スクラムの相談を受けたり、ちょっとした雑談とかからスクラムの話をするときにもスクラムガイドに目を通しています。
現在最新版である2020年度版のものはこれまでと比べてもかなり抽象度が高い表現が多く使われていると感じています。なので、他の人がどういう解釈でスクラムを理解しているのかを聞いたり議論するのが私はとても好きです。
その一環として社内でも「スクラムガイドを読み解く会」を開催しましたが、非常に有意義だったので1周と言わずどこかでまた開催したいと思っています。

スクラムを実践するとき

スクラムを実践するときももちろんスクラムガイドに目を通します。自分たちがスクラムガイドに記載されている理論や価値基準を守れているか、イベントの目的や各ロールの責任を果たせているか検査する意味でスクラムに取り組んでいる間もスクラムガイドは確認します。

なんかふとしたとき

どうやってスクラムを、そしてアジャイルをより成功させるかを考えるときにもスクラムガイドを読んでいます。それもあってかChromeのタブには常にスクラムガイドが開かれています。(タブの整理ができていない現れでもありますが…)
ちょっとでもスクラムについて気になることがあればまずはスクラムガイドを確認する習慣がついたと思います。

スクラムガイドは何度読んだっていい

スクラムを実践していく上でスクラムガイドはたくさんの気づきを与えてくれます。初めて読む人は文章量が少なく抽象的な表現も多いため、よく分からない、理解できないと思う人は少なくないでしょう。(実際に私もそういう声を何度も聞いてきました。)
スクラムガイドの存在は一つのきっかけだと思っています。自分自身でよりスクラムを考えるきっかけになったり、誰かと考えを共有して理解を深めるきっかけになったり… そういうきっかけにスクラムガイドは使うといいのだと思います。
これからスクラムを理解していきたいという人はぜひスクラムを知っている・理解している人と一緒に読むことをおすすめします。そうしているうちにきっとスクラムの奥深さに気付けるはずです。

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