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JFL移籍情報まとめ2021〜その4(高知・青森・岡崎・枚方・刈谷)

このまとめ記事シリーズもラストとなりました。
J1、J2リーグは既に開幕し、JFL開幕まで残り2週間を切りました。

ファンクラブは継続しましたか?開幕戦のチケットは取りましたか?
新しいユニフォームはゲットしましたか?

最後は昨年のJFL、14〜16位のチームと、昇格組2チームをご紹介。
JFL初参戦のチームから、久々のJFL復帰となったチームまで、今年はどんなシーズンになるんでしょうか。

1位から13位のチームについては、下記の記事をご覧ください。
本記事に合わせて、情報を更新しました。




注:データは2/28現在のものです。随時更新予定ですが、一部未反映の場合がございます。出場試合のデータは各リーグの公式の試合結果や各種データサイト等から引用しておりますが、大学・地域リーグ等については試合結果を手計算している場合もございます。
また、データの不備・間違いが判明した場合にはコメントいただきたくよろしくお願いいたします。

高知ユナイテッドSC(昨シーズン:14位)

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もがきながらもJFL初年度を戦った昨年の高知。開幕から4連敗を含む9戦勝ちなしと中盤戦までは大いに苦しみましたが、Honda FC戦で念願の初勝利を手にすると、11月は4戦3勝と一気に波に乗りました。また、ホーム最終戦となる青森戦では1000人を超える観客数を記録。今シーズンは成績面も、興行面でも昨年を超えるようなシーズンとしたいところです。

選手に目を向けると、横竹翔平田拳一郎藤崎将汰ら全国リーグを経験のある選手が中心選手としてリーグ戦全試合に出場。全体的にJFLを初めて経験する選手が多く経験不足が心配でしたが、いわきFCから移籍した赤星魁麻の6得点をマークしてチームを牽引するなど多くのJFL初経験の選手が活躍を見せました。上記の4選手は今シーズンも残留と、根幹となる選手が残るのは非常に心強いところ。

シーズンオフは4選手が引退、10選手が退団となりました。レギュラー選手では玉川健太が引退、リーグ戦全試合出場の田口遼が福井へ移籍。また途中出場含めほとんどの試合に出場していた松本翔が滋賀へ、山下宏輝が栃木シティへ移籍したことでスタメン・控え選手ともに多少顔ぶれが変わることになりました。他の選手を見ると出場試合数が少ない選手の退団・引退が目立ちます。どのチームでもそうですが、昇格1年目は地域リーグ時代を支えた選手との別れが多くなり寂しいですね。

一方の加入メンバーは大卒選手が中心。加入した14選手中、実に10選手が大卒ルーキーで、全体的に関西〜九州の大学からの加入選手が多い印象です。中でも京都先端科学大環太平洋大は2年連続での選手加入となりました(昨年加入した2人は1年で退団しているのが気がかりですが……)。
GKは2選手が加入。環太平洋大から加入した井上聖也はセレッソU-18時代は正GKでU-23の試合でのベンチ入り経験もある選手。舩木翔や森下怜哉といった同期選手に負けない活躍を地元高知で見せて欲しいところ。MFでは四国大学リーグの優勝校、四国学院大からは岡田大介が加入。背番号10を背負い、atarimaeni CUPでも2得点をマークしています。唯一東北地方の大学からの加入となった仙台大から加入の細山海斗は北海道・東北大学選抜の経験を持つ選手です。

大卒以外の加入選手は4名。富山からはブラジル国籍のルーカス・ダウベルマンが加入しました。MF登録ですが、富山ではCBでの出場がメインだった選手。185cmの体格はJFLでは別格級。守備の要としての活躍が期待できそうです。FWでは松江から西村光司を獲得。FW登録ながらサイドでのプレーも多く、田口が抜けた左サイドを埋める働きを務めてくれるでしょう。吉田知樹はいわきFCからの期限付き加入したドリブラー。いわきではスーパーサブでの出場が多かった選手ですが、高知では長い時間のプレーを見てみたい選手です。ジャパンサッカーカレッジから加入した松原央門は元青森。古巣との対決も楽しみです。

大卒選手の大量加入で全体的に若いチームとなった高知。この中からブレイクを果たす選手が現れるでしょうか。


ラインメール青森(昨シーズン:15位)

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昨年はJFL昇格後最低となる15位でシーズンを終えた青森。短期決戦となったリーグ戦でいきなり2連敗、しかも滋賀戦はJFL昇格後最多失点となる6失点の大敗を喫してしまい早々に上位戦線から離脱。10月に3戦負けなしで持ち直しかけましたが、そこから4連敗で一時は最下位に沈むなど、J3ライセンス取得後初のシーズンはJ3参入争いに全く絡めないまま終えることとなりました。

15試合で17得点、26失点で得失点差-9はリーグワーストの数字。攻撃面では、新卒の行武大希が4得点と気を吐きましたが、一昨年12得点をマークした萬代宏樹がまさかの無得点。守備陣では昨年までは4バックが中心でしたが、滋賀での6失点の大敗を喫して以降3バックに移行した模様。昨年に引き続き野田紘史がほぼ全試合フル出場のほか、大ベテランの太田康介が全試合出場、新加入の阿渡真也井上友樹がレギュラーとして奮闘しましたが失点は減少しませんでした。

巻き返しを図りたい今シーズンは昨年までカターレ富山を率いた安達亮監督を招聘。合わせて15選手が退団し大補強を敢行しました。全試合出場していた太田康介の引退は痛いですが、他にレギュラー選手の退団はGK横山、DF阿渡、FW浜田幸と最小限に止まりました。

一方の加入選手は各ポジションで有力選手を補強。GKでは青森山田出身の高校選手権初制覇の立役者、廣末陸を獲得。FC東京では同期の波多野渉に水を空けられましたが、まだ22歳。高校時代を過ごした青森で輝きを取り戻したい。産業能率大の正GKだった東島大成は186cmと長身の選手。末次も含めた若い3人で1つのポジションを争うことになります。

レギュラー選手が多数抜けたDF陣は実績のある選手を中心に補強しました。J3鹿児島から平出涼を、JFL奈良からは北朝鮮代表のベテラン金聖基を獲得。平出はJリーグ通算200試合以上、金は100試合以上と抜群の実績を持つ2人が守備陣の立て直しを図ります。MFでは盛岡から後藤京介を獲得。2018年シーズンにはYSCCでJ3最高のパサーと称され、J2への個人昇格の経験もある選手。今年の青森は、この選手がボールを持ったら何かが起こるでしょう。また武蔵野からは青森県出身の差波優人を獲得。安達監督の下でのプレーは富山時代以来となります。こちらもJFLでは別格級のボランチ。後藤とともに海外でのプレー経験を持つ選手でもあります。またJFL通算31得点の点取り屋、水谷侑暉も強力。昨シーズンは1得点に終わりましたが、武蔵野でプレーした2019年シーズンは10得点でJFLベストイレブンにも輝いています。さらに千葉から加入した本田功輝も期待のドリブラー。千葉では入団早々靭帯断裂の大怪我もあり3年間で試合出場は0でしたが、本来のポテンシャルが発揮できればチームとともにJの舞台に立つ日もそう遠い未来ではないでしょう。

FWでは北信越リーグ2年連続得点王の山田雄太を獲得。新加入ながら背番号10を背負うのは、チームの期待の表れでしょう。地域リーグでは196試合66得点の実力者が自身2度目のJFLに挑みます。横浜Fマリノスから移籍の津久井匠海は高校在学中にプロ契約を果たした逸材。実質的なプロ1年目を青森で迎えることになりました。また、2シーズンで7得点をマークしている期限付き移籍中の和田響稀を完全移籍で獲得したのも朗報です。

間違いなくJFL全チームで最高と言える補強を行った今年の青森。悲願のJ3参入、そしてJFL優勝に向けて台風の目となりそうです。


FCマルヤス岡崎(昨シーズン:16位)

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昨シーズンはJFL初参戦となった2014年以来の最下位となった岡崎。開幕から3連敗し、シーズン終了まで2桁順位から抜け出せないままとなりました。一方で天皇杯では初の3回戦まで進出した他、最終戦ではこれまで1度も勝利がなかったHondaFCに勝利するなど、明るい話題もありました。

15試合で得点数はリーグワーストの14。JFL昇格以来頭を悩ませ続けている得点力不足は今年も深刻でした。チーム最多得点者が青木翼の3得点では上位浮上は難しいでしょう。今オフは飯田、津田らJリーグ経験者が多数退団したほか、庄司、盛礼良レオナルドなどの長くチームに在籍した選手も退団するなど11選手がチームを去ることになりました。


一方の獲得選手は例年通り元Jリーガーを中心に構成されています。特に北村隆二監督の古巣、松本山雅とFC岐阜色が色濃い印象です。まず松本からは中美慶哉が加入。J2で2度の2桁得点の実績を持つ攻撃的MF/FWは得点力に泣いたチームには非常に大きな力になるでしょう。また元松本勢ではJ3のチームから岩沼俊介三島康平村瀬勇太が加入。岩沼は札幌・松本でJ1昇格経験のある選手。コーチの吉弘充志とは札幌時代のチームメイトという縁もあります。三島は水戸のエースとして活躍しいていた2016シーズン途中に松本に移籍しましたが、移籍後はフィットしなかった印象。J3からJFLに移籍して活躍した平井やレオナルドのような復活を期待したいところ。

元FC岐阜の選手では阿部正紀の移籍が大きなニュースとなりました。J2時代の岐阜では最終ラインでレギュラーとして長くプレーしていましたが、2019年限りで引退。今シーズンは会社員として働いていたものの、現役復帰を果たしたとのこと。少々のブランクはありますが、J2でバリバリのレギュラーだった選手の加入はチームにとって非常に大きいでしょう。ロングスローの投げられる松原勇吉も良い補強。JFLは長野時代の2013年以来。監督が薩川さんだった時代ですね。

新卒選手は東海リーグのレギュラー選手を各ポジションで獲得。3選手ともに東海地方出身の選手だけに、地元での活躍に期待です。

また、今年の大きなトピックスとして、市内の龍北総合運動場での試合開催が始まります。これまで名古屋や豊橋での開催が多かっただけに、地元開催はチームにとって良い影響をもたらしてくれそうです。


FC TIAMO枚方(地域CL:優勝)

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ここからは地域CLを勝ち抜いた2チームについて紹介していきましょう。まずは大激戦となった関西サッカーリーグを制し、そして地域CLを制した枚方から見ていきます。

このチーム、もともと稲本潤一、新井場徹、播戸竜二が共同オーナーとなっていたそうです。2004年に大阪府5部からスタートし、遂に全国リーグまでやってきました。ちなみにTi amoはイタリア語で「あなたを愛している」という意味だとか。

そんな枚方ですが、今年のJFLの中でも、名の知れた選手が最も多いチームかも知れません。元日本代表の二川孝広に元韓国代表のチョ・ヨンチョル、ヴィッセル神戸で長くプレーした田中英雄、G大阪出身で福岡や新潟などでもプレー経験のある岡本英也、北九州で10番をつけていた井上翔太などなど。監督も名古屋で長くプレーした小川佳純です。昨年限りで退団しましたが、元日本代表野沢拓也や鹿島やC大阪で活躍した石神直哉らも在籍していました。

新戦力もJリーガー路線かなと思っていたのですが、蓋を開けてみると大卒ルーキーを中心に獲得しました。知名度では元Jの選手に劣るかも知れませんが、かなり有力選手が多く注目です。

要注目なのは駒澤大から加入した昨年の関東サッカーリーグ1部の得点王、薬真寺孝弥。ボランチが主戦場ながら15得点をマークした得点力をJFLでどれだけ見せつけることができるでしょうか。JFLに関東サッカーリーグの得点王が加入するのはソニー仙台に加入した前澤甲気(現八戸)以来です。同じく駒澤大から森本ヒマンは矢板中央高校時代から注目されていた選手。大学時代は怪我もあり大きな成績は残せなかったようですが、187cmの恵まれた体格でポテンシャルは高く大化けする可能性を秘めた選手と言えるでしょう。高校・大学で同級生だった星キョーワァンには一足遅れましたが、期待度はピカイチ。今オフはJFLに加入する選手の目立つ国士舘大から加入した新井晴樹は大学時代はFW登録でしたが、枚方ではMF登録の様子。どういったポジションで起用されるかも注目です。

JFLの各チームからは攻撃的な選手を獲得。F.C.大阪から久保田駿斗、マルヤス岡崎からは元関東サッカーリーグ得点王経験者の松本孝平が加入。元Jリーガーは多いもののJFLを経験した選手は少ないチームだけに、経験者の加入は心強いですね。久保田は3チーム目の関西のJFLチーム在籍となります。さらにアルビレックス新潟シンガポールから武田航太郞が加入。昨年シンガポールリーグで14試合に出場した実績を持つ選手ですが、初のJFLではどのくらい通用するでしょうか。中京大学出身で同じく新加入の北畠新輝の1年先輩です。

また、JFLには珍しく高卒選手が3人いるのも特徴的。アサンプション国際高はあまり知られていない学校ですが、2017から共学化した新興校。昨年までチームに在籍した野沢拓也がコーチを務めているのが縁での獲得でしょう。ちなみに伊集院光深夜の馬鹿力リスナーなら懐かしい、進藤晶子アナウンサーの出身校でもあります。早押しクイズQQQのQのQ〜!

ちなみに枚方で名前のインパクトNo.1なのはオーストラリア出身のMAX KING選手です。超強そう。

動画を見たら好青年!

FC刈谷(地域CL:2位)

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2009年以来、12年ぶりのJFL復帰を果たしたFC刈谷。古豪が遂にJFLに戻ってきます。東海地方のチームは5チーム目。刈谷と岡崎の西三河対決も楽しみですね。昨年は東海リーグのリーグ戦が中止の憂き目に遭いましたが、トーナメントを勝ち抜いて地域CLへの出場権を獲得。決勝ラウンドでは上位3チームが同一勝点の大接戦となりましたが、得失点差で栃木シティを差し切りました。

退団選手は8選手。地域CLでは出場機会が少なかった選手が中心に退団しました。女川に3選手が移籍した点は注目です。何か繋がりがあるんでしょうか。一方の加入選手は9選手。実績のある中堅・ベテランと期待の若手をバランスよく獲得した印象です。

中堅・ベテランから見ていきましょう。関西リーグのおこしやす京都から勝又慶典が加入。ベストイレブンを受賞した町田時代以来10年ぶりにJFLでプレーします。現ヘッドコーチの飯塚亮とチームメイトだった縁も見逃せません。長野時代に長くコンビを組んだ佐藤悠希との共演も楽しみ。今年のJFL各チームには元長野の選手が散らばっています。もしかすると第三者目線でJFLを最も楽しめるのは、パルセイロサポかも知れませんね。


同じ関西リーグの和歌山からは鳥取・栃木でJ3でのプレー経験のある攻撃的MFの山本大稀も加入。勝又とは京都で同僚として地域CLでも戦いました。個人昇格を果たした今季は是非とも暴れてほしい。
DFではこちらも8年ぶりのJFLとなる浅田大樹が加入。J3で188試合に出場した実績は確かなもの。ディフェンスリーダーとしての活躍を期待するとともに、古巣Hondaとの対決も楽しみですね。

若手では讃岐から期限付き加入の神谷椋士に注目です。期限付きとはいえ、西尾市の出身で幼少期を刈谷のサッカークラブに所属していたことから、地元選手として人気が出そうです。双子の兄、凱士は川崎に所属。兄弟で東海学園大まで常に同じチームでプレーをしていました。今季新加入の岩永陸弥は後輩に当たります。
若い選手ですが、昨年のJ3では途中出場中心に20試合で2得点の実績。讃岐ではトップ下や2列目での起用が主だったようですが、刈谷では得点源としてのブレイクに期待。ちなみに、刈谷と讃岐には門川監督が元讃岐U-18の監督を務めていた縁があります。

他の選手では、町田・浦安・鈴鹿などでもプレー経験のある田中貴大が加入。サイドバックが主戦場の選手で、昨シーズンはシンガポールでプレーをしていました。山口から加入した古賀俊太郎も海外経験の豊富な選手。レスターシティのユースに所属し、ベルギーやラトビアリーグでのプレー経験があります。海外経験と東京Vの下部組織出身という共通点を持つ2選手が刈谷に新しい風を吹かせるかも知れません。

地域CLのレポートによると、刈谷はかなり完成度の高いチームだった様子。
チーム名変更後のJFL最高順位は2008年の8位。まずはこれを超えることができるでしょうか。



各チームの戦力分析、いかがだったでしょうか。
今年のJFLは17チーム。うちJリーグ百年構想クラブは過去最多は過去最多の7チームと、J3参入は昨年以上の熾烈さとなること必至の様相です。加えて降格+入れ替え戦に回るチームは最大3チーム。

こんな面白いリーグ、他にあるでしょうか??

JFLを普段から応援している人だけでなく、これまで興味のなかった方も興味を持っていただけたら幸いです!

大量得点で波に乗れ!

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