風呂場で録音やメモが出来たらいいなぁと思ってしまった危険な思考について

シャワーを浴びているときや、風呂に浸かっているときは、普段思いつかないことを思いついたり、抱えている問題の答えが突然見つかったり、新たな曲のメロディが生まれたりします。シャワーだけじゃなく、自転車を漕いでいたり、無音でドライブしていたりする場合もこれに当てはまると私は考えています。研究したわけでもなんでもないので完全に自分の経験によるものであり、広く当てはまるかどうかはわかりません。ただ、似たような話を聞く事はあるので、このような事はよくあるのではないかと考えています。この現象はおそらく、”他のことが何もできない状況にある”ということが大事なのだと思います。

通常、私(や、おそらく多くのおとな)の頭の中は、その日やらなければならないことややるべきことであふれていると思います。それは例えばその日の仕事の内容であったり、家事であったり、遊びの予定だったりするかもしれません。頭の中には、あれとこれを仕掛けたらそれが終わるまでの間にこれをやって・・・といって手順を浮かべたり、あ〜あれ今日中にやんなきゃ上司に怒られるわ・・・と思っていたり、ボ〜ッとしているようでも無意識下でなんらかのプレッシャを浴びていたりする、と思います。少なくとも私は割とこの傾向があって、2018年に、生まれて初めて海外に行く機会があり、それも仕事で、かつたった一人で、と言う個人的には結構ハードモードな条件でした。パスポートもないし英語も大したことないし飛行機の乗り方も何もかもわからないわけで、その出来事が終わるまでの数ヶ月、私はずっとそのことが頭にあって、なんだかフワフワして落ち着きませんでした。無駄にパスポートのありかを調べたり海外のお作法をGoogleに訊ねたりする時間もありました。

話が長くなりましたが、つまりシャワーを浴びている時って、シャワーを浴びる以外のことができないんです。従いまして、シャワーを浴びている間はやりたいことややるべきことについて思いを巡らせても、なんの意味もないことが明白なわけです。それをおそらく無意識に察知して、この瞬間、我々は本来人間が人間たる所以である”自由な発想”が可能になるわけではないかと考えられるわけです。

で、今回タイトルに書いたのはこの先の話なのですが、つい数日前もシャワーを浴びているとき、ふとなんとなく良さそうなメロディの曲ができたり、noteに書きたいネタが思い浮かんだりした(それがこの文章)のです。でも、実は(私だけではないと信じているのですが)風呂から出ると忘れちゃってることがほとんどなんですよね。さっきのデータ揮発した!?と言う状態になります。従いまして、必然的にこう思うわけです。"どこかにメモしておきたいしメロディは録音しておきたい…完全防水で使えるメモ帳やレコーダがないかな、、、、むしろそういうの俺が作ったら売れるかな、、”と。

で、まぁ作って売れるかどうかはおいといて、この時私は、自分がこれらの頭に浮かんだいくつかのネタたちを”そのまま覚えておく”と言う選択肢について全く考えていなかったことに気がついたのです。どう考えても覚えておくのが一番簡単な解決法なのに。

さらにこの出来事に限らず、普段もそうじゃん、と。スケジュールはiPhoneでGoogleカレンダーと同期して管理しているのであんまり頭に入れないし、わからないことがあればGoogleに尋ねる。そしてその情報はそのまま忘れる。こんなことばかりです。一人1台のスマートフォンが当たり前になったいま、”情報を頭に入れとく”と言う行為が今までよりも一段階向こう側に行ってしまっているのかもしれません。情報の正当性はおいといて、全てがわかるデバイスが手元にあるんだから。

しかし、実際のところ、スマホに頼らず全てを自分の脳で完結できれば効率的なのは言うまでもないでしょう。スマホを取り出して、ブラウザやアプリを開いて、文字を打って、レスポンスを待つ時間が無くなるのですから。

しかも、あまりに脳を使わないのも、非常に危険な気がします。もうろくしちゃうんじゃないか?と不安になります。もちろん不要なタスクを脳から追い出すことで自由に使える領域は増えるわけで、何かしら大量の脳の領域を使うようなことをする場合にはスマホにお任せした方がいいのでしょうけれど、できればいろんなことを自分の脳で覚えておきたい。私は人間の可能性を信じているのです。

こんなことをシャワーを浴びながら考えて、よし今日考えた事は覚えておくぞ、と言うことでなんとか覚えていたのでシャワー終わりにnoteの下書きにちょっとだけ書いて、今こうやってその続き文章を書いています。

ただ、実際のところその日以降数日はシャワーを浴びてる時に考えた事はすっかり忘れてしまっていたし、この文章をnoteに残したことも忘れてしまっていました。(先ほどnoteに残っている文章の下書きを見て(数十分前)思い出しました。)

習慣というのはそう簡単には変わらないものですね。

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?