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【Discord】コミュニティルールの作り方

Sorawafと申します!Discordサーバー運営には欠かせない「コミュニティルール」の作り方についてまとめていきたいと思います。

1.ルールを取り巻く昔と今

 MSS(Discord運営者が集まる交流コミュニティ)設立当初から、「コミュニティルールはどの様に設けるのが適切か」が盛んに議論されていました。当時のMSSのコミュニティルールは下記の通り。

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Discordのルールに書かれている事と、
一般的な「マナー」を守りましょう。

 とても単純な内容ですね(笑) 当時のコミュニティルール作成の風潮は「少ないコミュニティルールで大半をカバーする」事でした。「一般マナー」という曖昧な表現を使っているのも、大半の「良くない事」をカバーできる便利な言葉だったからですね。

 「運営の免責を行いやすい」「アクシデント時の対処の幅が広い」など、運営者目線でメリットのあるルール構造であった為、多くのコミュニティで採用されておりました。

 一方で、Discordを利用するユーザーが増えるにつれて、この簡潔なルール構造だけでは対応しきれない事案が増えてきました。数百、数千人規模のコミュニティが珍しくない今、多人数が集まる程にアクシデントも増加していきます。

 Discordのモデレーターアカデミーでも、ルールを明確に示す事の必要性を記載しています。

【記事文】
the guidelines govern user behavior on Discord and outline what is and isn’t acceptable in all communities. While many of these things are common sense, they should still be incorporated into your rules so that there is a clear expectation set among members as to how they should behave.
(Discord モデレーターアカデミー:203: DEVELOPING SERVER RULES

【日本語訳】
ガイドラインは、Discordでのユーザーの行動を規定するもので、すべてのコミュニティで受け入れられるものとそうでないものの概要を示しています。これらの多くは常識的なものですが、メンバーがどのように行動すべきかを明確にするために、ルールに組み込む必要があります。

 何が「一般マナー」に当たるのか、何をコミュニティ運営は不適切と考えているのかを明確に示す必要性が更に増しています。

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2.何のためにルールを設けるのか

 そもそも、コミュニティルールはなぜ、設ける必要があるのでしょうか。大切な視点は下記の3つとなります。

1|運営対処の根拠作り
2|運営姿勢を明確に伝える事
3|コミュニティ独自の文化や決まりを伝える事

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1|運営対処の根拠作り

 利用者を処罰する際に、コミュニティルールがあれば、それを根拠として示す事が出来ます。根拠が整っていれば、「何故処罰されたの?」「それって不正処罰だよね?」という反論に対して応答出来ます

 「コミュニティルールに違反していたので処罰いたしました。」という説明を分かり易く伝えられる事で、処罰後の揉め事を回避しやすくなります。

 例えば、「一般マナーを守りましょう」という規約のみであった場合、「この場合は一般マナーには含まれないよ」「何がダメか良くわからないのに処罰されるのはおかしいよ」といった反論を受けるかもしれません。

 しかし、下記の様にルールを設けていれば、

「他者へのハラスメント、荒らし/煽り行為等を禁止します。他者を尊重し、暴言や、誹謗中傷などの不適切な言動は行わないでください。苦手な人がいる愚痴やエログロ系の話題、立場の違いから揉めやすい政治や宗教に関する話題も禁止です。」

「OOと記載している通り、それはコミュニティルール違反に当たるのですよ」というルールの説明が行いやすくなります。相手の納得も得やすくなります。

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2|運営姿勢を明確に伝える事

 コミュニティルールを明文化するという事は、「私たちはこういう事を良しとしませんよ」という明確な意思表示になります。Discord規約に書いてある内容であっても、改めて明記することで運営姿勢を伝えます。

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3|コミュニティ独自の文化や決まりを伝える事

 各コミュニティには、独自の文化や決まり事が必要なケースも多々あります。その多くは、コミュニティに初めて訪れた人にとって「異質」であったり「思いがけない」ものであったりします。そのため、運営から明確に内容を伝えておく必要があります。

 例えば、MSSでは「Management Life」という別コミュニティを運営しており、別コミュニティで処罰を受けた場合はMSSでも処罰を受ける仕組みであることを明記しています。

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3.コミュニティルールの長さについて

 コミュニティルールを短く書くと、必要な情報を伝えきれない。長く書くと読んで貰えない。短くても長くてもジレンマに陥る難しさがあります。そこで、皆さんに意識して欲しい事は次の2点です。

1|「免責の為のルール」と「読んで貰うルール」を分ける
2|そもそもルールを読まなくても済む工夫を考える

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1|「免責の為のルール」と「読んで貰うルール」を分ける

 コミュニティルールはすべてしっかり目を通してほしいですし、読んでいることを前提にコミュニティ運営を行います。しかし、実際は読んでいない人が大多数であり、「重要なポイントを端的に伝える」工夫が必要となります。

 そこで、コミュニティルールの詳細を全て網羅している「免責の為のルール」とは別に、「読んで貰うルール」を用意する事となります。

 例えば、要点だけをまとめた「簡易版ルール」を作成して、目立つ場所に載せておくことが考えられます。下記画像では、コミュニティの入り口にあたるサーバー説明チャンネルに掲載しています。

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 もしくは、カテゴリごとにガイドチャンネルを設ける方法もあります。各チャンネルを使用する際の注意点などを、各ガイドチャンネルに記載しています。

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2|そもそもルールを読まなくても済む工夫を考える

 物理的にルール違反出来ない仕組みづくりという観点も重要です。そもそもルールを読まなくても困らない。これが利用者も運営者もストレスフリーではないでしょうか。

 例えば、「他サーバーの絵文字を使用してはいけない」というルールが有るのであれば、初めから「外部の絵文字を使用する」権限をOFFにしておけば問題ありません。

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4.コミュニティルールの検討事項

 ここからは、各コミュニティで検討しておくべきポイントを紹介していきます。ルール作成の際に、是非参考にどうぞ。

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・使用言語

 皆さんのコミュニティのメインとなる仕様言語を明記しましょう。大規模なコミュニティに成長するにつれて、「外国語の使用に起因する問題」が増えていきます。「可能な限り日本語を使用して下さい」とするか、「翻訳Botを導入するので外国語もOK」とするか。運営者の方針を考えます。

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・運営対応に関して

 コミュニティルール違反を発見した場合に、運営がどの様な対処を行うのか、異議申し立ては可能なのか、可能な場合のお問い合わせ先は何処になるのか、といった事を考えます。

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・禁止範囲について

 サーバー内だけでなく、DM間を通したアクシデントも発生し得ます。コミュニティルールの適用範囲を明確に示す事が大切です。

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・不適切行為について

 どの様な行為を不適切として捉えるかを明記します。他者へのハラスメント、荒らし/煽り行為、暴言、誹謗中傷などがあります。

 ゲームコミュニティであれば、不正行為(チート/回線切断/アビューズ/チーミング/不正通報など)、スマーフ行為(初心者狩り)をなどを禁止する場合もあります。

 何かのキャラクターやタレントのファンコミュニティの場合には、過度なキャラ下げなどの不適切な言動を禁止する事もあります。

 苦手な人もいる愚痴やエログロ系の話題、立場の違いから揉めやすい政治や宗教に関する話題を禁止とする事もあります。

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・ボイスチャットの利用について

 ルーム入退室の挨拶や、相手を尊重した言葉使い等のマナーを重視する用に明記することがあります。コミュニティジャンルによりますが、無言抜け、放置行為等を禁止する場合もあります。

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・ネタバレやリークについて

  非公開情報の公開(リーク)は不正にあたり、禁止を明記する場合があります。公開情報の公開についても、ネタバレが重大な課題となり得る場合は、「スポイラーでメッセージを隠すようにする」「ネタバレを許可しているチャンネルを使用する」「そもそもネタバレ情報は発信しない」など、運営方針を明記する事があります。

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・宣伝について

 宣伝行為を禁止するかどうか、限定付きで可能とするかを明記します。

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・金銭のやり取り

 お金のやり取りも問題になり易いので、運営方針を明記するべきです。不正物の売買を禁止、「クレクレ行為」を禁止、等々を明記します。

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・プロフィール名について

 不適切なプロフィール名を使用している場合は、ニックネームの変更等を行う旨を記載することがあります。

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・メンション使用について

 全体メンションの使用禁止や、メンションの使用頻度に関する注意(メンションの連投はしないで欲しい等)等を考えます。

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・配信について

 Discordを配信画面などに映す場合は、事前の承諾をとるといった注意事項を考えます。

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・不適切なリンク掲載について

 不適切なリンクの掲載を禁止する場合があります。例えば、虚偽情報が掲載されているリンク、紹介報酬付きリンクがその一例です。

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・著作権について

 動画像などの著作物を扱うコミュニティの場合は、著作権に留意する旨を明記する場合があります。必ず著作者の許可をとる事、意向に従う事や、著作者名等の記載を義務付ける事があります。

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・自治行為について

 コミュニティルールの解釈を利用者が独自に行って、運営者に変わって運営行動を行う「自治」が行われるケースがあります。不適切な運営対処を防ぐ為に、「自分で判断せず運営に連絡、相談する」事を義務付ける場合があります。

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・個人情報の扱いについて

 むやみやたらに個人情報を聞かない、公開しない事を明記する場合があります。

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・禁止行為の回避・無視に関して

 禁止行為を回避したり、注意や処罰結果を無視してはいけない事を明記します。

 例えば、ワードフィルター(特定の用語を禁止する)が機能している場合、それを回避しようと試みてはいけない、Ban等の処罰をされた時に、再入室をサブアカウントやその他の手段で試みてはいけない、など。

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・免責について

 自分自身の言動に対して、各ユーザー自身が責任を持つ事や、DiscordやBotの機能がシステム側の不具合で正しく動作しなかった場合でも、管理者は責任を負えない、といった事を記載する場合があります。

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・公式ルールの順守

 Discordの規約やガイドラインの他に、関連するサービスの規約も順守する様に記載をします。(ゲームコミュニティであればゲーム側の規約など)

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・利用規約の変更に関して

 利用規約変更時の段取りなどを記載します。

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 上記の検討事項はあくまで一例です。Discordの規約やガイドライン等を参考にしつつ、コミュニティの実情に合わせてコミュニティルールを検討していけると良いのではないでしょうか。

 この記事が皆さんのコミュニティルール作りの参考になれば幸いです!


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