# 女性を守るという大義は、障害者差別を正当化するか vol.6 モバイルプリンス氏の罪_未必の故意
「女性を守るため」という大義のためであれば、障害者差別を扇動することが正当化されるでしょうか。
もちろんそんなことが許されるはずがありません。
女性差別をなくすという目的のために連帯した男性たちが、プロジェクト発起人であり精神疾患を持つ梶谷健太郎氏を危険人物であるかのように印象づけ、接近・接触の注意喚起を促す文章を不特定多数の人に向けて拡散する、という事件についての検証、今回は第六弾です。
よかったらこの問題を一緒に考えてください。
この一連の検証記事は、梶谷健太郎氏個人の名誉回復と、悪質な差別扇動行為に対する糾弾を目的に書いています。
イベント発起人の梶谷健太郎氏が、なぜ深刻な名誉毀損被害を受けることになったのか、なぜ梶谷氏を「危険人物」であると印象操作し精神疾患であることを明記した上で接近・接触の注意喚起文を広く拡散するという障害者に対する差別扇動行為が行われるに至ったか、この疑問を解くべくひとつひとつ検証してます。
まだの人は最初の記事からお読みいただくと、この事件の問題点がわかります。
今回は「モバイルプリンス氏の罪 未必の故意」をテーマに考えていきます。
## モバイルプリンス氏とは
この記事の主役になるモバイルプリンス氏は、問題の発端となったイベントの主催グループ #AgainstSexismProject のメンバーで、事情説明のツイキャス配信でも積極的に発言していた人物です。
### モバイルプリンス氏のプロフィール
モバイルプリンス氏は『しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール』(旬報社) という本を出されています。
ネット業界に大変くわしいようで、スマホの使い方・ネットトラブルの避け方の専門家として、講演会などで活躍されています。
著書に記載されているプロフィールを紹介します。
島袋/コウ
モバイルプリンス。スマートフォンアドバイザー。1987年、沖縄県出身。高校在学中にお笑い芸人としてデビュー。その後、20歳から27歳まで携帯電話ショップに勤務。両方での経験を活かし、スマホ・ネット活用の方法を楽しく、わかりやすく伝えるため、2014年「モバイルプリンス」の名前で活動を開始。琉球新報の子供向け新聞「りゅうPON!」での連載や「週刊アスキー」「Engadget」などのWebメディアにてスマートフォンの記事を執筆。また小学校などでの「スマホ対策講演会」などが認められ、2018年沖縄県警より「サイバー防犯PR大使」として任命される。テレビ・ラジオなどに多数出演し、スマホ・ネットの安心安全な活用術を紹介している。
https://twitter.com/mobileprince_PR
### せやろがいおじさん『コネラジ』レギュラー出演
最近では、せやろがいおじさんのYouTubeチャンネル企画『コネラジ』の月曜レギュラーとして、時事問題などについて鋭く論評されています。
動画の中での自己紹介によると『SNSのストリートファイター』というのがセルフイメージのようです。
### モバイルプリンス氏の仕事
ぼくは存じ上げなかったのですが、モバイルプリンス氏は琉球ラジオへのレギュラー出演や、琉球新報に連載記事を持つなど、さまざまなメディアから幅広くオファーを受ける、大変著名な方のようです。
### 差別扇動事件との関わり
今回ぼくが問題視している「注意喚起文」の末尾には、モバイルプリンス氏のアカウント名は記載されていません。
そのため部外者であるぼくは、モバイルプリンス氏の関与を当初はわからずにいました。
モバイルプリンス氏が #AgainstSexismProject のメンバーであることを知ったのは、イベント中止の事情説明として石川優実氏が配信したツイキャスでした。
このツイキャス配信で本人が説明しているところによると、モバイルプリンス氏は #AgainstSexismProject の発足初期からのメンバーだったようです。
#AgainstSexismProject のメンバーであるにも関わらず、モバイルプリンス氏が「注意喚起文」に名前を連ねなかった理由はわかりません。
## モバイルプリンス氏の罪
今回の主題に入ります。
モバイルプリンス氏の罪は「未必の故意」です。
簡単にいうと「見て見ぬふり」です。
### 未必の故意とは
「未必の故意」とはなんでしょう。
イミダスから引いてみます
『未必の故意 | よくわかる裁判員制度の基本用語 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス』
未必の故意は、犯罪事実がいまだ必ずしも発生するわけではないが、発生すればそれはそれでいいと思っている場合です。発生する「かもしれない」と思っているにすぎない点で、確定的故意とは区別されます。しかし、「それでいい」という投げやりな心情に陥っている点で、犯罪結果を消極的に受け入れているわけですから、故意ありとして非難されます。たとえば、車を運転していて歩行者が飛び出しそうに見えたときに、ぶつかるかもしれないがそれでもいい、と思っているのが未必の故意です。これに対し、「かもしれない」と知りながら「大丈夫だ」と思っている場合は「認識ある過失」と呼ばれます。
https://imidas.jp/judge/detail/G-00-0093-09.html
### 文学に見る未必の故意
未必の故意については、さまざまな文学作品で扱われています。青空文庫で読める江戸川乱歩の『赤い部屋』が短くてお勧めです。
## 何が起こるか予見していた・止められるのに止めなかった
9月21日、「注意喚起文」の問題の箇所を修正するよう、ぼくが石川優実氏にDMでお願いしたことは前回の記事でふれました。結果的に断られたことは残念でした。
石川優実氏→マスナリ
私に要求してないなら、私が被害者であることがわかってるなら、私を通さずに私の信頼が落ちないようなやり方をかんがえてやってもらえませんかね?
2020年9月21日 午後10:44
詳しくは前回の記事を参照してください。
石川優実氏に断られたあと、ぼくはモバイルプリンス氏にDMで連絡をしました。
できれば、このような批判的検証記事など書かずに、当事者たちが自らの差別性を認め、問題の文書を撤回することがベストだと考えたからです。
くぼゆうすけ氏に連絡するという選択肢もありましたが、ツイキャス配信内での「保護施設に行ってもらうしかねえじゃん」という発言が象徴するように、くぼ氏は関係者の中で最も差別に無自覚で悪質な人物だと感じられました。
そこでモバイルプリンス氏に連絡することにしました。
9月23日午前11時、モバイルプリンス氏に初めてのDMを送ります。
最初のDMは4000字超えの長文です。
内容はこれまで書いてきたことと重複するので、飛ばしても大丈夫です。
途中、梶谷健太郎氏の個人情報に繋がりかねない内容の部分を伏せ字にしています。
マスナリ→モバイルプリンス氏
初めてまして。
マスナリジュンと申します。
梶谷健太郎氏に関する件でお願いがあり、メッセージをおくります。
お忙しいところ、また、ツイートを拝読するとお身内にご不幸があったばかりという中で、このようなメッセージをおくる失礼をお許しください。
お願いというのは、#AgainstSexismProject から先日発表されました、梶谷健太郎氏に関する「注意喚起文」の修正をするよう、メンバーの方と相談していただけないか、ということです。
まず、自己紹介をします。
マスナリジュンといいます。東京でちいさな商売をやっています。いかなる団体にも所属していません。個人です。
2013年から社会問題を扱う動画配信をしています。フェミサイドのニュースにふれたことをきっかけに昨年末からは性差別・性暴力をなくしていくための情報発信にフォーカスしています
本題です。
発表された「お詫びと注意喚起文」の「注意喚起」の部分は、精神疾患を持つ人たちを社会的に排除する、極めて悪質な差別扇動だと感じました。
ぼくは部外者で、イベントに一人の客として参加したいと思っていただけなので、この件で被害を被っていません。内部事情もよくわかりません。
「お詫び」の部分には関心がありませんし、口を挟む立場にないこともわきまえています。
ですが「注意喚起」の部分は問題です。
梶谷さんが精神疾患を持っていることを明記した上で、世間にひろく接触や接近をしないよう注意喚起することは、精神疾患を持つ人に対するスティグマを強化する差別扇動です。
また例として不適切ではありますが、仮に重罪を犯した前科者について同じように注意喚起をしたとしたら、明確な名誉毀損です。民事ではなく刑事事犯の名誉毀損にあたる可能性もあると思います。「名誉毀損 前科者」で検索していただけると専門家による多くの見解が出てきます。
どんな罪を犯したものであっても、その事実を持って社会的名誉を毀損することは犯罪です。そこまでする公益性と正当性が、みなさんにはあるのか強い疑問をもっています。
文章が発表されてすぐに、ぼくは抗議のツイートをしました。現時点でまともな返答はありません。メンバーの皆さんは、この問題の深刻さに気がついておられないようです。
石川さんとモバイルプリンスさんのツイキャスを拝見していました。
終盤で「運動からはパージするしかないけど、社会からはパージしない」という話がでていたと思います。今回の対応は社会からのパージにほかならないのではないでしょうか。
モバイルプリンスさんが「注意喚起文」にどれくらい関与しているのかわかりません。まったくお門違いなことをお願いしているのかもしれません。もしそうなら平にご容赦ください。
モバイルプリンスさんはツイキャスの中でも、罪は罪として問題視し、被害者である石川さんにも最大限の配慮をしながら、同時に梶谷さんのことも気にかけておられました。
また、月曜のせやろがいさんとのラジオでも、鬱病などの社会的に弱い立場にある人を自分ごととして考えておられました。大変に感銘を受けました。
今回のお願いは、本来であれば公式の窓口に送るのが筋です。ですが、メンバーの発信を読む限りの印象は、梶谷さんに対して懲罰的であり、女性を守るためには仕方ないと言わんばかりです。お願いを聞き入れていただける耳をお持ちとは思えません。
性差別や性暴力がはびこるこの男性社会から、どうやって女性や子供たちの安全を確保するのか。男性が真剣に考え、行動を起こさなければいけません。
一方で、差別の歴史を紐解けば、女性を守るという大義のもと、黒人やトランスジェンダー、障害者などマイノリティーが迫害され殺されてきました。
「女性や子供を守る」は絶対的に正しいだけに、別の悪を正当化してしまいます。
ナチス時代のT4作戦や旧優生保護法の例を引くまでもなく、精神障害者は苛烈な差別の対象になってきました。
梶谷さんが精神疾患を持つことを明記した上で接触・接近をしないよう注意喚起することは、差別扇動そのものではありませんか?
また梶谷さんは、石川さんに問題のメッセージを送ったときの記憶がないと言っています。一般通念上、責任能力は認められないのではないでしょうか。
まして、メンバーのみなさんは、梶谷さんを裁く立場にないのではないですか? これでは私刑ですし、ひろく社会的制裁を促す犬笛だと感じます。
梶谷さんが罹患されている双極性障害は、躁期に身の丈に合わない大きなことを始めてしまい、まわりに多大な迷惑をかけ、鬱期にそのことで自分を責めるというのが特徴的な疾患だと聞きます。また、鬱など他の精神疾患と比べても極めて自殺率の高い病気だそうです。梶谷さんも数日前に自殺企図をほのめかすツイートをされています。
ぼくは本気で心配しています。
これは看過できないほどの大変な問題です。
「注意喚起文」をだした人たちを、世間の注目を集めて糾弾しようと考えました。
ですが気にかかることがあり、こうしてモバイルプリンスさんにご相談することにしました。
可能であれば自主的に文章を撤回し、注意喚起の部分の差別性を認め、その点に関しては謝罪し、改めてイベント中止の経緯説明文を出されることが、誰にとっても望ましいのではないかと考えます。
気にかかることというのは、この件が大きくなるとまず石川さんの社会的評価に傷がつく可能性があるということです。
梶谷さんが石川さんの熱心な応援団であったことはアンチがよろこんで吹聴し証言するでしょう。スクショもたくさん取られているようです。
また、梶谷さんが問題行動を起こした証拠として出されたのは、石川さんとのDMですし、それを公開したのはくぼさんのアカウントからです。
事情説明のツイキャスは石川さんのアカウントからで、その中で「梶谷さんは自分のところから出た人だから責任を感じている」「梶谷さんが過去に問題行動を起こしていたことや、精神疾患をもっているらしいことは早い段階で知っていた」という内容を石川さんが話されています。
石川さんはあくまで一人の登壇者だという立場を表明されています。事実そうなのでしょう。しかし、大事なのは部外者の目にどう映るか、です。
石川さんとはこの件で何度かメッセージのやりとりをしました。
あの文章を訂正するようメンバーに促すか、最低でも石川さんがあの文章を拡散依頼したツイートを削除し、別な文言で再度ツイートするかされたほうがいい、と。
石川さんはあの文章を「経緯説明文」や「お詫び文」としてではなく、「注意喚起文」がでたので拡散してほしい、という旨のツイートをされました。これでは同罪になってしまいます。
しかしぼくの文章の拙さのせいか伝わらず、被害者にいろいろ求めないでほしい、と石川さんは気分を害されてしまいました。
またぼくの抗議ツイートに対して、アンチフェミが嬉しそうに寄ってきているのも気にかかる点です。彼らはフェミニストの内紛が大好きです。できれば無駄な餌を与えたくありません。
アンチフェミから今回の事案がどう見えるかをぼくなりに想像して整理してみます。
「調子に乗ったフェミ男性の梶谷が身の丈に合わないイベントを企画した。梶谷と津田大介が司会をし伊藤詩織や石川優実らが登壇する、フェミ映画のトークイベントになるはずだった。梶谷は関係者に暴言をはくなど迷惑をかけまくりイベントは中止。フェミ騎士仲間の男たちは梶谷ひとりに責任をおしつけあっさりと切り捨てた。プライバシーであるはずのDMを晒し、梶谷が精神疾患を持っていて危険人物だとお触れを出した。イベントに裏で関与していたとみられる石川優実も注意喚起文として拡散を依頼し、それらをみた部外者であるはずのフェミ騎士マスナリが騒ぎ立て始めてフェミの内紛勃発」
こんなの誰も幸せになりません。アンチがニヤニヤするだけです。
石川さんは今の日本を代表するフェミニストです。アンチも多いですが、それを遥かに凌ぐ数の支持者がいます。石川さんに大きなものを背負わせるつもりはありませんが、ここで世間的評価が失墜するのは日本のフェミニズム運動にとって避けたいことです。
2017年、あれほどの風が吹いた希望の党も一瞬で求心力を失いました。直接のきっかけは小池百合子の「排除発言」です。世間の人は排除を忌避します。
今回の「注意喚起文」は精神障害者など社会的弱者の排除です。反応するのはアンチフェミだけでは収まりません。
これ以上梶谷さんから被害を受ける人を出したくない、それが注意喚起の動機であることは理解しているつもりです。ですが、方法が間違っています。
また、梶谷さんは■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。職場までわかれば、その気になれば自宅や実家も割り出されてしまうかもしれません。悪意のあるアンチフェミか、恐怖に怯えたフェミニストの手によって。
そんな事態は防ぎたいです。
このまま文章が放置されていることは良くない結果を迎える可能性があります。
ぼくにできることは、こうしてお願いをして対応していただくか、それが無理なら広く注目を集め、こういう「注意喚起」は許されないことであると訴えることくらいです。
ぼくは文章で伝えることが苦手なので、この件を動画にするつもりです。(※)きのうはメンバーのツイートを保存したり、プロットを作ったり、録音しておいたツイキャスをかるく文字起こししたりしていました。
動画を撮影・編集してYouTubeにアップするのは最短で木曜夜か金曜くらいになるでしょう。
モバイルプリンスさんが、なんらかの対応をしていただけることを、切に願っています。
初めてのメッセージで不躾なお願いを長々と書いてしまいました。失礼をお許しください。
2020年9月23日 午前11:09
※この時点では批判的検証を動画にしてYouTubeにアップする予定でした。
本筋からすこし脱線します。最初のDMで4000字超という長さについては、モバイルプリンス氏の気分を大変害してしまったようで、このあと何度も指摘されることになります。
そのことについてのやりとりを、ぼくの謝罪部分から抜粋を続けます。
マスナリ→モバイルプリンス氏
...
文字数の多い文章を面識のない方に送りつけた失礼は重ねてお詫びします。面識がなく前提を共有していない関係だからこそ、丁寧な説明が必要でした。精一杯の誠実さを心がけて書いたつもりでしたが裏目に出ました。大変お手間をとらせました。
...
2020年9月24日 午後3:24
モバイルプリンス氏→マスナリ
例えば、マスナリさんと分からない形で、4000文字のスクショがいきなり来たという投稿を行い、皆の反応見てもいいですか?
マスナリさんを批判したり、攻撃する意図はなく(当然発信者は隠します)、純粋にみんなどんな反応するかと思い…
2020年9月24日 午後4:05
マスナリ→モバイルプリンス氏
マスナリからだと明記した上なら構いません。わからない形ならやめてください。
モバイルプリンスさんのフォロワーに意見を聞いて、なにがわかるのか、疑問ではあります。バイアスがありすぎます。
2020年9月24日 午後4:06
モバイルプリンス氏→マスナリ
あ、内容のジャッジではなく、純粋に「フォロー外の人からのDMを許可したら4000文字あった時のインパクト」の反応です。
マスナリさんからとか、内容を見てどっちの味方、とかではなく。
2020年9月24日 午後4:07
ちなみにこのDMから数日後、モバイルプリンス氏は実際に
「4000文字のスクショがいきなり来たという投稿を行い、皆の反応見てもいいですか?」
を実行されました。
DMのやりとりに戻ります。
マスナリ→モバイルプリンス氏
それを知ってどうしたいのですか?
このメッセージの内容も注意喚起文の批判材料に使うつもりなので、早いか遅いかの違いです。ぼくは陰で名前を隠して活動することが嫌いなので、自分の書いたものがどこでさらされても構いません。ただし匿名で使うのはやめてください。自分の発言には責任を持ちたいので。
2020年9月24日 午後4:09
ここでぼくは「このメッセージの内容も注意喚起文の批判材料に使うつもりなので」ということを伝えています。
この時点で異論がなかったので、DM公開についての暗黙の了解を得たと認識しています。
脱線して時系列が前後しましたが、話を本線に戻します。
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ぼくがモバイルプリンス氏にお願いしたのは2点です。
1. メンバーに再度呼びかけ、注意喚起部分を撤回・謝罪し、再度経緯説明文をだす。
2. それができない場合は、モバイルプリンス氏が自身のツイッターで注意喚起部分を批判する。
1については、精神障害を持つ人に対する差別扇動文を一刻も早く撤回していただきたかったためです。
2については、くぼゆうすけ氏らが「注意喚起文」を撤回しない場合でも、中心メンバーの一人であったモバイルプリンス氏が批判することで、このような差別扇動的な「お触れ」を出すことは許されないことであると、社会に示すことができるからです。
モバイルプリンス氏はぼくのどちらの願いも聞き入れることはありませんでした。
モバイルプリンス氏→マスナリ
マスナリさんが、この件を動画にすることで、石川さんをはじめとした他の方がどう動くのは私には分かりません。しかし、梶谷さんの経緯を公表して全員ダメージを喰らったように、動画公開とともにマスナリさんを含めて全員ダメージ喰らう未来が見えます。
2020年9月23日 午後7:32
モバイルプリンス氏→マスナリ
ですので、マスナリさんの「精神障害者への偏見を訂正したい」という理念にはすごく共感するのですが、この話題が伸びれば伸びるほど、特に梶谷さんのダメージ、そしてフェミニズム界隈のダメージ、最後に混乱を生み出すキッカケになった(と私は予想します)マスナリさんのダメージが発生すると思います。
精神障害者への偏見をただしたいのであれば、今回の件とは関係なく、病名のアウティングなど、一般論でされると一番スマートではないかと思います。
いったん、私からは以上です。
2020年9月23日 午後7:37
モバイルプリンス氏→マスナリ
...
正直、他のメンバーにかけあい、修正を依頼すると対応してくれると思います。しかしながら、面識のない相手からの選択の余地のない要求をのむと、今後どうなるか分からないことから、今回私として批判・修正の対応は行いません。
私や、グループのメンバーの行動は100点満点ではなかったと思います。その失点を批判するのは構いませんが、マスナリさんにおかれましても、ご自身の行動が100点だった(であるのか)を考えていただければ幸いです。
批判はご自由にどうぞ。
2020年9月24日 午後3:05
"
他のメンバーにかけあい、修正を依頼すると対応してくれると思います。
"
モバイルプリンス氏は、差別扇動効果のある「注意喚起文」の拡散を止めることができると自覚した上で、
"
面識のない相手からの選択の余地のない要求をのむと、今後どうなるか分からないことから、今回私として批判・修正の対応は行いません。
"
という結論を出しました。
ここが今回の記事で最も重要な点です。
止められるけど止めなかったのです。
---
交渉決裂に至る最終局面を連続で貼ります。
マスナリ→モバイルプリンス氏
石川さんの拡散については残念です。あとは、元の文章を撤回していただくか、このような文章は社会的に許されないと糾弾するか、です。
梶谷さんのケアが手に余るというのは、双極性障害が非常に困難な病気であると知人の様子をみて感じたからです。まして、梶谷さんとは信頼関係を築けていません。それでもたとえば買い物代行や病院への付添など、ぼくでできることで、梶谷さんが望むのであれば喜んで協力します。
先の発言を撤回して、この話の結末がどうなろうと、梶谷さんが望みぼくができることであればサポートします。
2020年9月24日 午後4:42
マスナリ→モバイルプリンス氏
ぼくを納得させたり満足させることを要求していません。この交渉が決裂したら、モバイルプリンスさんもぼくにとって憎むべき差別者です。思う存分糾弾します。
ただ現時点では落とし所をなんとか探れるのではないかとおもってお話しています。
2020年9月24日 午後4:44
モバイルプリンス氏→マスナリ
なら信頼関係を築いてくださいよ。難しいのはこっちも重々承知です。今も梶谷さんと連絡を取りながら、彼が少しでもよくなるようにリソース裂こうとしているのに、マスナリさんが私に色々な要求をしてきて、そのリソース奪おうとしているだけじゃないですか。
2020年9月24日 午後4:44
マスナリ→モバイルプリンス氏
なぜ上から目線なのかわかりません。
この交渉をやめたいならそう仰ってください。こちらは下から平にお願いしているわけではありません。人間として最低限の敬意を払っているだけです。
2020年9月24日 午後4:45
モバイルプリンス氏→マスナリ
「交渉が決裂したら差別主義者として糾弾します」「なので落とし所を探っています」なんすか、その銃口つきつけて交渉する感じは。そうしたナチュラルな強要が、不快だと先ほどから述べているじゃないですか。
批判はどうぞ、好きにやってください。
2020年9月24日 午後4:46
マスナリ→モバイルプリンス氏
不快に感じられるのは当然です。こちらは差別をやめろと言っているのですから。差別を続けたい人にとっては不快なのでしょう。
精神障害者に銃口を突きつけているのは、あなた達のほうです。
2020年9月24日 午後4:47
## まとめ
モバイルプリンス氏の罪についてまとめます。
まず、ここまでの検証でわかった事実の整理です。
- モバイルプリンス氏は、 #AgainstSexismProject の初期メンバーでした。
- 梶谷健太郎氏の病気のことも早くから知っていました。
- 「注意喚起文」が梶谷健太郎氏にとって社会的制裁の効果を持つことを認識していました。
- また、石川優実氏に「パージ(追放)は簡単」と伝えています。
- モバイルプリンス氏はこの「注意喚起文」の公開・拡散を止めることができる立場にいました。
- 止められると自覚していたにも関わらず「注意喚起文」を撤回させることはせず、公に批判することもありませんでした。
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モバイルプリンス氏は何が起こるか予見していて止められる立場にいたにも関わらず、なぜ何もしなかったのでしょうか。
ぼくの仮説は、「保身」です。
モバイルプリンス氏は芸能人です。中学生などにネット炎上の回避方法などを教えたり、沖縄県の「スマート申告納税大使」になるなど、クリーンでポジティブなイメージで売っている人です。
そのブランドイメージが傷つくことを恐れて、梶谷健太郎氏を見殺しにし、精神障害者に対する差別扇動を黙認しました。
保身による未必の故意、不作為の罪です。
モバイルプリンス氏は著書『しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール』で、ネットのトラブルを避けるために「○○しない」ことの重要性を繰り返し強調してます。
− 簡単に信じない
− やらない・撮らない・アップしない
− リンチに加担しない
− 拡散しない
などです。
13歳にネットトラブルの回避方法を伝えるなら「○○しない」という消極的態度でよいでしょう。
しかし大人が、精神疾患であることを明記した上で接近・接触を避けるよう広く注意喚起することは、個人に対する名誉棄損であり、明確な差別扇動です。止められるなら積極的に止めるべきです。
梶谷氏がどんな迷惑を関係者に及ぼしたのかは外部の人間であるぼくにはわかりませんが、必要であればきちんとした事情説明や謝罪や補償を求めれば良いのではないでしょうか。
それ以上のことは、端的にいって私刑です。
私刑について、モバイルプリンス氏が著書の中で述べられている部分を引用します。
※太字はマスナリによるものです。
絶対に避けたい「私刑による拡散」
最後は私刑としての拡散について説明します。
私刑とは、警察でも裁判所でもないのに、一般の人が個人に制裁を加えること。
「拡散希望! この男がお金を持って逃げました」「この人は悪い人なのでみなさん注意してください。拡散希望!」といった投稿が私刑に該当します。
この私刑が拡散するパターンは、「こんな悪いことをしているやつは許せない」⇒「でも、警察は動かない(逮捕しない)」⇒「わたしたちで懲らしめるしかない!」
この流れがほとんどです。こうした構造のため、残念ながら冤罪の確率がぐっと上がります。
ネットでは常に想像力を働かして情報に対してリアクションできるかどうか、リテラシーが問われていることを自覚してください。
「だれかを守りたい」という善意が、ちがう誰かを危険や恐怖にさらすリスクを十分考えてみましょう。
島袋コウ/モバイルプリンス著
『しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール』旬報社 179p 180p
モバイルプリンス氏が差別についての考えを語っている動画も貼っておきます。
モバイルプリンス氏には自身の言動を一致させていただくよう、今後の行動に期待します。
差別しない・私刑に加担しないだけでなく、見て見ぬふりをしない姿を、大人として若い世代に見せてほしいです。
## おまけ
モバイルプリンス氏の罪、未必の故意についての検証は以上です。
おまけとして、その他の問題を少しだけふれます。
### モバイル氏の反論記事への反論
モバイルプリンス氏は10月10日、「#マスナリジュン氏への反論 Vol.0 そもそもの経緯」と題したnote記事を書きました。
このなかで、ぼくの検証記事をさして
「事実に基づかない表現」「論拠に瑕疵がある」と書かれています。ですが、どの部分がそれにあたるのかは全く示されていません。第三者が検証不可能な主観です。論理的な反論とは言えません。
また、「ちなみにこのツイキャスをリアルタイムで聞いていたマスナリ氏から「差別的である」という指摘は入っていませんでした。」と書かれています。
この点についてぼくからの反論を書いておきます。
問題発言が多発したツイキャス配信は、ぼくはリアルタイムですべてを聞いていません。手が放せない仕事をしながらでしたので、あとでゆっくりと聞くために録音していました。
音声をミュートにしたりミュートオフにしたりと断続的な視聴ではありましたが、リアルタイムでいくつかコメントを入れています。
ぼくがツイキャス配信に投稿したコメントは、音声チェックと接続トラブルのフィードバックを除外し、以上です。
ツイキャス配信はぼくが問題視している「注意喚起文」の公開前であることも、忘れていただいては困る点です。
とはいえ、差別性の指摘が不十分であったことは認めます。全編をリアルタイムで見て、石川優実氏・くぼゆうすけ氏・モバイルプリンス氏の差別性をもっと厳しく指摘すべきでした。悔やまれます。
なお、この記事を書いている2020年10月24日18時現在、ツイキャスの動画アーカイブは削除されて見ることができませんが、コメントはそのまま確認できます。
ご興味のある方はお早めに確認を。
−−−
モバイルプリンス氏のnote記事は「Vol.0」とあるので、これから本格的にぼくに対する反論が始まるのだと思います。
反論記事がアップされれば、それに対するぼくからの再反論記事をアップします。
モバイルプリンス氏におかれましては、論理的で検証可能な反論をされるよう期待します。
## 次回予告
次回は検証の中締めとして、この問題をざっくり総括する予定です。
この記事を執筆時点で「注意喚起文」は公開されたままです。梶谷健太郎氏の名誉は毀損され続け、障害者差別扇動文は拡散され続けています。
よかったらこの問題にひきつづき注目してください。
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毎回の長文にも関わらず、多くの人に読んでいただいています。ありがとうございます。
感想ツイートも読んでいます。ぼくが見落としていた論点などがあり、記事の参考にさせていただいています。
※ この件に関係するみなさまにおかれましては、関連するツイートを削除されませんように。すでにスクショで保全してあります。
もし間違いがあったと気づかれたら、あったことをなかったことにするのではなく真摯に謝罪されることをおすすめします。
## 有料部分について
荒らしコメントをさけるために有料記事にしていますが、有料部分にはなにもありません。金を払ってでもひとこと言いたい人はどうぞ。
この記事に売上があった場合は、同額を上乗せして、11月初旬ごろを目処にぼくとは無関係の反差別系団体に寄付します。その際は有料部分に入出金の明細画像を貼ります。
サポートに関してはぼくのコーヒー代にあてさせていただきます。
ありがとうございます。
2020-11-10 非公開部分に寄付の報告について追記
ここから先は
¥ 300
サポートいただけると、ぼくが喜び、幸せな気分になることをお約束します。