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エスポワール甲州 キュヴェ・テンゲイジ

山梨県の最北端にある北杜市。
周りは南アルプスや奥秩父、八ヶ岳などの大自然に囲まれた場所。
その様子はまるでハイジがアルムおんじやユキちゃんと一緒に住んでいるような、のどかでおだやかな風景が広がります。

近くにはおおきなひまわり畑もあり、暖かくなると登山や観光客でにぎわいをみせる、そんなところです。
その北杜市の中心から少し南に下り、須玉川と塩川を渡った先にドメーヌ・テンゲイジはあります。
醸造家で代表の天花寺弓子さんと栽培責任者の下川真史さんの二人に、うさぎのチョコとアンがいます。
この大自然がひろがる美しい土地で「ほんまもん」のワインを造っています。



エスポワール甲州 2019
キュヴェ・テンゲイジ

上ノ山地区のベテラン契約農家の栽培したブドウを使い、1年間フードル(大樽)で澱と一緒に熟成させています。
澱と一緒に寝かせることで、発酵を終えた酵母からアミノ酸などの旨み成分や多糖類がワインに溶け込み、香りやコクがでるということらしいです。


ぼくはキャップシールを剥がしコルクを抜栓し、そのひんやりとした瓶から静かにワイングラスに注ぎます。
そのグラスから、まず柑橘の香りからはじまり、スパイスやハーブの香り、それと鶏の出汁っぽさがあって、それだけで期待が膨らみます。

その黄色みがかった黄金の液体をそっと口に含むと、さわやかな和の柑橘の味わいが口いっぱいに広がります。
じんわりとしたうまみがあって、酸が上品で、でもしっかりあって。
飲み込んだ後にくる柑橘の皮の苦味、それと生姜っぽさ。
甲州もこんな風になるんですね!これはすばらしくおいしい!


ぼくもここ数年、日本ワインを飲んできて、もちろん甲州はそれなりにどういった味わいなのかわかってきていたつもりでした。
しかしその概念を壊されたワインがあります。
それがグレイスワインのキュヴェ三澤・明野甲州でした。
ほかにも美味しい甲州を飲んできたと思いますが、初めて口にした時にかなり驚きましたが、このワインでも同じくらいの驚きと発見があったのです。

テンゲイジさんは、美味しいがちゃんとわかってますよね。
このエスポワール甲州は日本ワインを飲んでいる人ほどそのすごさがわかると思います。
これはぜひみなさんに飲んでほしいワインです。

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