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WCSと7月の日記


WCS予選通過の経緯

KCカップポイント1位で予選を通過しました。
KCカップポイントは2023年から追加された制度で、KCの順位に応じてポイントが配布されます。
本来であればデュエルリンクスのWCSは年度毎に4回あるKCカップの世界1位と年1回のWCS予選で国毎の1~3位までしか出れない非常に狭き門なのですが、KCカップポイントの新設によりある程度のアベレージがあれば出場することができるようになりました。特に日本のエリア予選はありえない激戦区で、エリアによっては代表ラインのボーダーが20000近く違うこともザラです。そんな魔境を一発勝負で抜けることは困難なため個人的にはありがたい制度です。

調整過程

今回はRYOSUKEさんにお声かけ頂いて七武海の皆さんと調整することになりました。

特に特殊レギュレーションでの本戦形式は調整相手を見つけることが大変だったりするので非常に助かりました。
また普段と違う調整環境に身を置けたことで色々学ぶことが多かったです。ありがとうございました。

WCS結果

4-2でスイスラウンド順位8位でした。
使用デッキは左から順に【絆ベアルクティ】【SR】【D-HERO】【アームドドラゴン】【レイジングオッドアイズ】を使用しました。

ベアルクティ 3勝2敗
SR 1勝2敗
D-HERO 4勝1敗
レイジングオッドアイズ 2勝1敗
アームドドラゴン 2勝3敗

スキルについての予備知識

今回遊戯王は大体わかるがリンクスはわからないぐらいの方向けの予備知識としてスキルについての簡単な概要を書いています。

SR(クリアウィング・アクセル)

要点
・墓地に好きなSRチューナーが生える
・クリアウィングが居たら赤目が場に生える

特に下準備も必要無くダブルヨーヨー1枚でクリスタルウィングの制圧かカイドレイクで盤面全破壊→チャンバライダーの1キルのどちらかを選択できます。

オッドアイズ(レイジング・ペンデュラム)

要点
・スケールが揃うと☆7・☆4・好きな魔術師が生えてきます
・ドラゴン族エクシーズがそのままレイジングドラゴンのエクシーズ素材にできます

スキルに全くデメリットや制約がないので構築面での自由度が高いです。
シンクロ型とエクシーズ型に加えてオルフェやマギストスやオノマトが混ざったりとにかく色んな型のオッドアイズがあります。

地味に凶悪なのが覇王烈竜の召喚介護部分です。
ダークリベリオンやクィーンドラグーンが☆7ドラゴン扱いになるのでどこからでもレイジングが出てワンキルが成立します。
SRもそうですがスキルが初動もワンキルも介護しているデッキは他のデッキと比べてデッキパワーが一段階ぐらい変わるなと感じます。

オルフェゴール・パラディオン(オレが使える効果は3つある!)

要点
・自分のリンクモンスターの攻撃力分ライフが回復します

リンクモンスター中心でスキルが不要なデッキは基本的にこのスキルを選択しています。
元々の攻撃力を参照しないためオルフェゴールトロイメアやアークロードパラディオンでバフをかけるとそのままの数値分回復します。

個人的に次回KC以降調整されると思っているスキルです。単純に回復量が多すぎることと後攻側が恩恵を受け辛い点が健全ではないと思います。
参考程度に、初期ライフを2500増やす代わりに手札が2枚少ない状態でスタートするスキルがリンクスにはあります。

トリックスター(ホーリーエンジェル・ミスチーフ)

要点
・自分のリンクモンスターの攻撃力分ライフが回復します
・ホーリーエンジェルのバーン量が増えます

トリックスター専用の3つある!です。

これまでのトリックスターはプレイメイカーの3つあるを使用し先攻でライフを2000回復してブラッディマリーの効果起動条件を満たしていました。
元々のホーリーエンジェルミスチーフはホーリーエンジェルのバーン量が少し増えるだけの産廃スキルでしたが、WCSに向けて運営がトリックスターをプレイメイカーではなくブルーエンジェルで使ってほしいという思惑で上方修正されました。

ガンドラオルフェ(闘う決意)

要点
・3回まで手札をなんでもガンドラに交換できます

これも初見だと何が何やらわからんスキルですが、要はガンドラギガレイズでオルフェを切って初動と妨害の貫通に悪用します。

未来を照らす絆

要点
・2500以上のモンスターを墓地に送るとシグナー竜が2体出てくる
・墓地のスターダストをエクストラに戻すとライフストリームが出てくる
・クェーサーが出せる

クェーサーが出ます


ルール考察

要点
・通常デッキ3デッキ+特殊レギュレーション2デッキ
・同一カードは全デッキ合わせて3枚まで(リミットがかかってるカードはリミット次第)

よく東海ルールと呼ばれる形式のルールです。ルールの都合上どうしても併用できないデッキがあったり構築を妥協せざるを得ないデッキが出てきたりするのでこのルールは個人的には好きでは無いです。

用意したデッキ全てが一勝しなければいけない形式ではないので、特定のデッキに狙いを定めて5タテするような編成を組み辛いです。カイジのEカードに近い感覚ですが、出し順次第でマッチの勝敗が大きく変わるため、どうしてもじゃんけんの要素が強くなります。

前提になるセオリー

・スタンダードにしか入れられない主なデッキは【純オルフェゴール】【ベアルクティ】【パラディオン】
・SRはトリックスターに対して不利
・トリックスターはオルフェゴール系統に対してガン不利

基本的に踏まえるべき部分はこの3つです。

これ以外にも相性差は勿論ありますが先攻後攻の差やハンド差でひっくり返ったり、選手間でも有利か不利か意見が別れる程度のものです。
そもそもSRとレイジングがぶん回ると関係なく粉砕されるので相性の過信はできません。

今回の編成においてベースとなった考えは以下です。

純オルフェゴールを可能な限り避けるためにトリックスターをレジェンドに配置しやすいはず

1.レジェンドに逃げてきたトリックスターを処理するためにトリックスターに強いデッキをレジェンドは選択
2.トリックスターに当たらないためにSRをスタンダードに設置

選手の中にはその先を読んでトリックスターをあえてスタンダードに置いたり、更にそれを読んでSRをレジェンドに置いたりとなんだかんだで色々な戦略が混在していました。
ただこれはあくまでどこで読みをストップさせるかの話でしかないので正解不正解は無かったと思います。

枠を取り合うカード

基本的に枠に困るのは以下の4枚です。

《月の書》
《禁じられた聖杯》
《コズミック・サイクロン》
《禁じられた聖杯》

この4枚は汎用性が高くデッキを選ばず、後攻札としても貴重です。
もう一つ枠を食い合うのがリミット①枠の2枚です。

《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》
《トリックスター・ライトステージ》

SRはまず固定枠なので必然的にクリスタルを扱うデッキは編成に組み込めないかクリスタルを諦めることになります。またライトステージ出張のオッドアイズとトリックスターの併用が不可となってしまいます。

そして意外にも枠を食い合わないのがリミット③のカード達です。
リミット③の罠はどれも強力ですが3種類の中から選択できる分替えが効きますし、リミットやスキルの関係でそもそも使用できなかったりなど採用率自体もまちまちです。

天龍雪獄

リミット③の中でも一際パワーが飛び抜けているのが天龍雪獄です。明らかな引いたら勝ちカードで、墓地リソースを削りながら対象の取らない除外は現在のデュエルリンクスにおいても明らかにオーバーパワーです。

問題点があるとすれば、入らないデッキor入れられないデッキが今期は多かったです。このカードを無理なく採用できるデッキがトリックスターとヴァレットぐらいしかありません。
新テーマがひとしきりこの雪獄で暴れた後に使えなくするのがいつものデュエルリンクスですが、周期的にはこのカードの採用率が落ち着いている時期となります。

初期段階では雪獄を3デッキに1枚ずつ採用し、引いたら勝ち要素を散らす作戦でしたが、罠デッキの併用はどうしても肝心な罠が薄くなりがちで均等にデッキパワーが落ちてしまい編成に組み込む罠デッキは2デッキが限界です。また、トリックスターやヴァレット自体の使用を見送ったこともあり結局5デッキの中に1枚も採用しませんでした。

使用デッキ解説

絆ベアルクティ

デッキ提出数日前に水仙杯で入賞した絆ベアルクティを試したところ感触が良かったのでエクストラやベアルクティの枚数を微調整して使用しました。

純ベアルクティ自体は前から触っており、メジャーなルドラ出張ギミック以外に強欲なウツボなどいくつかの要素をテストしていましたが、どうしても満足のいく結果を得られませんでした。
それどころかメインギミック自体にも弱点があることがわかり、ラディエーションを引いたもののドローが悪くて止まってしまったり、セプテントリオン+αまで回り切っても月の書1枚で妨害を大幅に減らされるなど、ちゃんとラディエーションを引いても負けるゲームが目立ちます。

しかしスキル「未来を照らす絆」は上でいくつか挙げた純ベアルクティの問題点を解決してくれます。

1.ラディエーションへの依存度が低い
純ベアルクティがラディエーションを引けていない場合、全ての手札を投げ捨ててセプテントリオン単騎に向かっていたのに対して、絆ベアルクティはディパーチャー+シンクロンチューナーという比較的緩めな条件でスターダスト+セプテントリオンの盤面になります。

2.最終盤面が純よりも堅い
ブラックホール・トロイメア・カイドレイク・竜穴の魔術師・ガンドラなど、スタダがカバーできる範囲が環境的にかなり広いです。これらのカードに妨害数を減らされない他、万が一妨害を貫通された場合においても、ビッグディッパ―などのリソースに触られて詰むパターンも回避してくれます。
またセプテントリオンの刺さりが良い対面が持ち合わせている解答がほとんど効果破壊なので、特にガンドラオルフェ相手は先攻展開が成立した時点で完封できます。

3.妨害貫通力アップ
スキルの恩恵で月の書に対して耐性ができる他、グランシャリオにさえ辿り着ければ良いので実質的にキルの要求値が下がっています。☆7ベア+マッハシンクロンでカイドレイクをちらつかせる動きも強力です。


いくつか絆ベアルクティのメリットを挙げましたが、これでもムラがあるデッキなのは間違いなく、実際に絆ベアルクティが落とした2敗はこのムラが原因で負けています。
ただしこの環境において、安定感という要素だけでは必ずしも勝ち切れるものではないと考えています。
例えばヴァレットやD-HEROが敷く2妨害程度のベターな展開はSRやレイジング側の引きが強いと為すすべなく破壊されます。「回っても負ける」と「回れば勝てる」のギリギリのラインを攻める必要があります。
特に今年の参加者のレベルは高かったので、同じようなデッキで同じようなことを繰り返しても差がつかないです。SRとレイジングのトップ2つ以外にはなるべく上振れ要素と初見殺し要素を盛り込みたいと考えていました。

《スクラップ・ドラゴン》
本来クリスタルだった部分はルールの都合上使用することができないのでいくつか代替案をテストしました。
最初はスカーライトで使用していたものの、「グランシャリオ効果→スキル使用&☆7シグナー竜当選→墓地ジェット蘇生」の3面処理のワンキルルートを評価しスクラップドラゴンにしました。破壊コストにも困らないため小回りが効き優秀です。
他の候補としては9トリシューラ・フォーミュラシンクロン・炎斬機マグマの3枚です。
・トリシューラ
対面によってかなり活躍するものの、素材が☆7ベアルクティ+ポラリィ+1チューナーとかなり条件が厳しい上に過剰なため不採用としました。
・フォーミュラシンクロン
チューナー2枚+ラディエーション+ベアルクティのようなハンドで事故を回避できる可能性があります。ただしフォーミュラを絡めたその後のシンクロのためにアーケティスか他のシンクロが必須で、そこまで枠があるデッキでもないので没に。
・炎斬機マグマ
☆8ベアルクティにアクセスできていない手札でセプテントリオンやグランシャリオに無理矢理辿り着くために使います。ライフストリームをグランシャリオの素材にするゲームがあるぐらいなので☆8チューナーはかなり貴重です。
ただそこまで頻発する状況ではなくスクドラほどの汎用性がないため不採用に。

D-HERO

使った代表たちのなかではかなり好評なデッキでした。
癖が無く扱いやすいデッキですし、明確に不利な対面が少ないので困ったら脳死で選出できる点も魅力です。

特筆すべきはリキッド採用でしょうか。
D-HEROはメインギミックをディストピアのみに絞ったガチガチの罠ビートやベアトタックルの出張ギミックであったりダークエンジェルを採用した型など選手間でも構築が分かれていた印象ですが、この環境のこのルールにおいてはリキッド採用のD-HEROが答えであったと考えています。

D-HEROは月の書を割り振り辛い都合上、どうしても後攻がネックになりがちなので、メインギミックだけで押し返すギミックが必要です。
また絆ベアルクティの項でお話した通り、SRとレイジング以外のデッキには少しでも上振れ要素を盛り込みたいわけです。ディストピア+1伏せ程度では不安が残る環境ですから、フルモンを引き起こした際に罠を引き込みにいけるギミックは明確に利点となります。

当初はリキッドマン2枚構築で、リキッドマン自体の感触は良かったものの、D-HEROを引けていないゲームでリキッドが完全に浮くこと、ただでさえ素引きしたくないカードが多い中ミラクルを積むことで更に事故のリスクが増すことの2点から、調整していたメンバーの中で事故率の高さを懸念する声とサンライザーのパワーの高さを評価する声で意見が割れました。

どちらの意見も理解できる部分だったので、増援の選択肢として採用するに留めることにしました。個人的にはこの枚数比に満足がいっています。

SR

大幅な規制を受けた他のデッキと比較してSRはダブルヨーヨーのみが3→2とかなり緩く、更に唯一の懸念点であったイヴリースの実質的な禁止が追い風となり前環境よりも良い形で今期を迎えることになりました。リミット施行後のSRはダブルヨーヨーが1枚減った分をタケトンボーグの3枚目で補うのが一般的で、ダブルヨーヨー1枚初動の分初動率自体は落ちているものの、ベイゴマ+αでクリアクリスタルに向かう強初動の確率はそこまで落ちていない状態です。しかしデッキ内のダブルヨーヨーの総数が減っているため、弱初動で展開したゲームがトップの捲り合いになった場合に後続に若干の不安があり、全体的にムラが増加した印象を受けます。

《スピードリバース》
前期の採用率はまちまちでしたが、今期に入って一気に採用率が上がりました。手数の増量と後続の確保の2つの役割が持てるため、上述した後続の不安が解消します。このカードがゲームに絡むと、盤面は返せても後続を捌けないという状況に持っていきやすいです。

《SRカールターボ》
この枠はギリギリまでバンブーホースのつもりでしたが、カールターボの必要性を感じたため直前にリストを変更しました。バンブーホースについては後述します。

カールターボの役割は手数とキルパターンの増加です。
例えばベイゴマックス+タケトンボーグ+ダブルヨーヨーのハンドでは、カールターボが無いとベイゴマックスのサーチ分を攻め手として絡められないため、基本的に1枚分カードを損することになります。それでも十分すぎるぐらい強いハンドではありますが、メインギミックを多く引いている分不純物が引けていなかったりすると2妨害であっさり止まってしまうこともしばしばあります。

特にベイゴマックス特殊召喚→タケトンボーグ特殊召喚→吹持童子の流れは非常にローリスクハイリターンな動きですが、月の書を1枚プレイされるだけでドローを潰され盤面も埋まるため攻めの幅が狭まります。
そこでカールターボの出番なのですが、ベイゴマ→カールターボ→スタチャ→タケトンボーグの流れで展開することで月の書による詰みを回避しつつ聖槍やスピードリバースを引き込みにいけるため、相手視点で手数を読みにくくすることが可能です。

また、カールターボには専用の必殺ルートがあります。

クラウソラス特殊召喚
クラウソラス効果
カールターボ特殊召喚
墓地吹持童子効果 レベルを1に
ズール特殊召喚
墓地カールターボ効果
2100×2

前期にあまやみに教えてもらったキルルートですが、SRのスキル規制で埋もれるには惜しい美しいルートなのでこの場で紹介します。これを知っているか知らないかでカールターボに対する見え方は変わってきます。
特にSRはエクストラが枯渇してキルを取り切れないゲームも多々あるため、こういった余りがちなエクストラだけでキルを狙える点も魅力です。

《SRバンブーホース》
SRの事故の要因は大きく分けてチューナーしか引けないパターンと不純物が被りすぎるパターンの2つに分類されます。
したがって、事故解決に必要な要素は非チューナーにあたるSRの増量と考えバンブーホースを試しました。

最終的にカールターボに枠を譲る形で不採用としましたが、抜いた理由としては、このカードで事故が解決するパターンが少なく、むしろ事故要素になるパターンになる方が多いと判断したからです。というのも、ダブルヨーヨーを持っているハンドでは絶対にプレイしないため、かえって通常時のハンドのバリューを落としがちです。最後まで手札で浮いたままゲームが終わるということも珍しくありません。

レイジングオッドアイズ

一般的なシンクロ軸のトリックスター入りオッドアイズです。
今回本戦の調整をするにあたって、WCS予選の流れで参加選手のほとんどがまず最初にSRとオッドアイズを使用デッキ候補として定めたと思います。それほどまでにこの2つのデッキパワーは抜けています。
それに加えて大会ルールの発表からデッキ提出までの猶予がかなり短く、ルール発表までの間の手持ち無沙汰な期間を練習にあてる場合、この2つにとりあえず手を付けることになりやすいです。

シンクロ軸の強みはコンパクトな枠でリソース量と高い再現性です。

1.D-HEROヴァレットトリックスターの3つの罠デッキに対して強く出れる
2.最低限の不純物でスケールのムラが起こりにくい(ペンデュラムコールも最大値搭載できる)
3.エクストラに余裕があるため状況ごとに取れる選択肢が広い

これら3点を評価してシンクロ+トリックスター出張を選びました。
ただしオッドアイズマギストスに関しては話題になった時期が直前だったため、試す機会が取れず見送っています。

《幻想の黒魔導士》
妨害を踏み越えた後に少ないリソースでキルに向かえるギミックの必要性を感じたため採用しています。例えば一例として通常召喚したレベル4がいる状態で2体ペンデュラムにワーニングポイントをもらった場合、そこに貴竜を出してメテオバースト→幻想で貫通を狙ったりします。


アームドドラゴン

原型となる部分を作ったのが自分ではないので語るのも憚られるところはありますが、読んでる方目線でも気になる部分ではあると思うので一応書いておきます。

先攻はLv10の妨害でやり過ごしつつ後手はダムドやホワイトの手数で踏み越えるデッキです。先攻は脆めですがその分後攻が宇宙なので感覚としては銀河に近いデッキです。
2枚初動ではありますがスキルの手厚い介護で安定性もそれなりに高いです。

環境的に優位なポイントとしてはトリックスターに有利なところです。
10自体に戦闘耐性があり震霆で効果破壊耐性も付与できるため、雪獄を当ててのゴリ押し以外に突破手段がありません。
突破手段の一つである月の書も基本的にはSRに投入されるためルール的な追い風もあります。

1つ問題があったとすればデッキ提出数日前に致命的なバグを見つけました。

禁じられた聖槍が適用されている状態のアームドドラゴンを対象に武装竜の震霆を使うと墓地回収が処理されないというものです。
いまいちイメージがし辛い方は黒い旋風起動時に聖槍を打っても不発にならなかったことを思い出すとわかりやすいと思います。
例えばダムドに聖槍を打ってそれを対象に震霆を使いたいことはよくあるので結構まずいバグだと思ったのですが、今更デッキを変えるわけにもいかないので聖槍を一部コズミックに変えました。
恐らく①の効果の選択先に打点変動も混ざってるからそこと一緒くたになってたのかなあと思うんですがこのレベルのバグが話題にもなってないのどんだけ使われてなかったのか。


ちなみに18日のアプデで修正されたようです。


使用候補だったデッキ

トリックスター


有利対面であるSRの躍進、不利対面であるオルフェゴールの衰退と共に注目されたデッキです。
SRに対して有利と言われる要因は大きく分けて2つあります。

1.SR側のクリスタル以外のエクストラがさほど有効ではない
2.SRが採用している妨害がトリックスターに対して効かない

1について、SR側のテンプレとなっているエクストラデッキは戦闘と効果破壊での除去が中心に構成されています。トリックスターに対してこれらが有効に働かないため、クリスタルを突破されてしまうとキャロベインやワイトプリンセスの上から立ち回ることが困難になります。
2について、一般的にSR側が採用している妨害が月の書と禁じられた聖杯の2種類のみであり、これらがトリックスターに対して全く有効ではありません。とはいえこれはSRに限った話ではなく、プール的にトリックスターフェス→リンクモンスターSSの流れを綺麗に妨害できるカードは限られています。

もう1つこのデッキの強みを挙げるとすれば、ブラックホールを無理なく採用できる点です。相手の先攻展開への解答として必要なカードとして月の書と禁じられた聖杯を挙げましたが、第三の選択肢としてブラックホールを採用できます。
本来先攻後攻を選択できないデュエルリンクスにおいてこのようなコイントスでムラがあるカードは評価が低くなりがちですが、トリックスターはスキルでライフを確保することで無理矢理1ターンをやり過ごし、次のターンに盤面を吹き飛ばし一気にライフカットすることでブラックホールの浮きを最小限に抑えます。ただしオルフェゴールには全く効かないため、有利を更に有利に、不利を更に不利にするカードにはなってしまいます。

使用しなかった点としてはオルフェゴールの存在がネックだったこと。SR以外の対面には微不利対面の方が多いと思っていたこと。この辺りです。

ちなみにですが、バーンだけで2000以上入れられるルートがあるのでブルムは採用するべきだと考えています。

必要なカード
キャンディナ
マンジュシカ
トリックスターフェス
キャロベイン
(ライトステージ)

キャンディナ通常召喚キャロベイン特殊召喚
ホーリーエンジェル特殊召喚
フェス発動トークン特殊召喚(300)
ブルム特殊特殊召喚(300)効果→チェーンマンジュシカ対象ブルム(200)
ブルム特殊召喚(300)効果(200)
フォクシー特殊召喚効果
ベラマドンナ特殊召喚効果

どういうときに使うというと、ガンドラの効果を耐えて相手のライフが半分になったがディンギ横が抜けないみたいな時です。

オルフェゴール

トロイメアマーメイドの禁止により安定感や対応力を失いました。しかしそれ以外のギミックは丸々残ったため、バベルに振り切る形で環境に残りました。

初動のほとんどをスクラップリサイクラーに依存しているため先手後手ともにムラがあり、妨害に対する脆さなど良くないところばかり目立ちます。
しかし先攻でちゃんと回ってしまえば展開強度は最強クラスです。

現在の環境トップであるSRとレイジングは後攻も強いのでいかにして先攻をやり過ごすかというのは重要な要素です。
3つあるやホーリーエンジェルミスチーフの特性として、スキルで大量にライフを確保することで強引にリソースゲームに引き込みます。特にオルフェゴールの妨害やリソースは干渉されにくいため、いくつかの妨害の上から大量のライフを飛ばすことは難しいです。

純オルフェはガンドラオルフェと比較するとメインギミックだけでロンギディンギの2妨害を用意することが難しいですし、採用できる罠もそれほど強くないので、相手の妨害を捌ききるというよりはディンギ+ライフ回復+大量のリソースで相手の展開を弱くしつつリソースゲームに持ち込むという意識が必要です。


リミット3が使えない都合上、このルールにおいてはSRと各種汎用の枠を食い合うことから必然的にパワーの低い妨害や余り物の汎用カードで枠を埋めていく必要があります。
したがって安定感という面でも採用カードの面でも他のオルフェに劣ると判断しました。



7月~世界大会までの日記

7月10日

7月のはじめのほうにちょっとだけルールが公開され、残りのルールが後日という形だったのですが、10日が予定日のはずが延期に。
デッキの提出締め切り日が8月2日の13:59とかなり早いので2週間足らずで5デッキ仕上げることになりました。

まして東海ルールである以上、全てのデッキを平行して調整していかないと細部が決められないので、そもそも何を入れても良いのか?相手が何を使ってくるのか?という想定から難しくなります。
このルールを最後に使ったのが2019年ですし当時と比べるとキャラが増えすぎていて膨大な作業量になることも理解できるんですが何でもっと早くから決めなかったんですか・・?

7月15日

日本選手権のエリア代表決定戦をたまたま抜けたのでOCGの方の日本一決定戦に出場しに東京に行きました。
家泊めてもらった家主の都合でかなり早めに秋葉に到着したので1時間半ぐらい前に現地に向かったらジャッジと間違えられて裏方に案内されかけるロケットスタート。

9時半ぐらいに受付始まるのでまた来てくださいと言われたものの特にやることもないので建物内のベンチでぼーっとしていると警備員に声をかけられて滅茶苦茶説明に困る。

適当に時間を潰した後受付に戻ると、横に普通に人が居る状態でスリーブの入れ替えが指示されました。
例年より距離感が狭いもののまあいつも通りと言えばいつも通りなので気にせずスリーブの入れ替えを終えると、受付時間に何人か間に合っていないようでした。
というのもニューロンに届いた案内がかなりふんわりしていて、受付時間が10:00~10:00という表記で受付開始から締め切りまでの時間がよくわからない感じでした。

そして日本選手権お馴染みの当日のドキドキルール発表会。今年はET1ターンでサレンダーが認められるという内容でした。ET1ターンになったのは置いておくとしてサレンダーが認められた歴史的瞬間に立ち会えて感無量です。
マッチの敗北になるタイミング(0-1,1-1)でのサレンダーは認められないというところに運営内の「絶対にサレンダーを認めない上のおじさん」「少しでも競技性を整備したい若い社員」の闘いの跡が感じられてかなりエモいです。

そういえば日本選手権は日本一決定戦という独立した大会で、上位5人をWCSに招待しているという形式なので、他の部門で代表になっている方も日本一決定戦自体には出れるそうです。
その際もし両方で代表になった場合どちらで出るつもりかなど事前の確認が多少ありますが、規約違反の為即失格!みたいなことにはならないようです。
もし今後同じような方がいたら参考にしてください。

ちなみに神碑を使って1回戦でR-ACEに勝って2回戦でピュアリィに負けました。神碑の構築とかテキスト覚えた方がいいデッキの要点とかは全部ゴウヨクに教えてもらいました。

7月30日

ワンピースカードの大阪エリア予選に出てました。
1番近い会場が大阪だったので軽い気持ちで大阪にしましたが思ったよりも調整時間がカツカツでマジで失敗でした。
とはいえ周りの知り合いが全員大阪だったのと、遠方のCSは去年の宮城で懲りていたので仕方ないです。

結果は赤緑ローとゾロに負けて2-2
わりとどうしようもない寄りの負けだった気はするので来期頑張ります。
帰りは自転車がパンクしたので1時間自転車を押して帰りました。

八月三日

ついに東京に向かいます。
ホテルの会議室で撮影や受付などを済まします。
会議室には軽食があったのですが、普段リンクスに課金してる分遠慮なく飲み食いしました。
KONAMIの金でする旅行は最高なのでおすすめです。

この日はフリーだったので夜は呑んだりしてました。

八月四日

朝食のビュッフェがかなり豪華で、毎日海鮮丼生活が始まりました。

この日は外国人選手向けの企画として秋葉原カードショップツアーなるものがあったのですが、外も暑いしカドショいっても仕方ないなと思ってホテルに残ってました。
ゴウヨクから豊洲近いし行ってみたらと勧められたので素振りさんと行くことに。

したら30分後ぐらいに「すいません、徹夜で限界なので寝るすぶぅ~」とか急に言い始めて手持無沙汰になったので一人で行ってきました。

あとは値段は一丁前で味がそこそこの海鮮丼を食べて帰りました。

夕方からは使用するデバイスの確認とパーティがあったのですが部屋でウトウトしてたら寝落ちして集合時間3分前に起きてまじで危なかったです。

パーティの受付時に抽選で1枚使うのでデッキから1枚引いてください!と言われたので引いたら奇跡の魔導剣士の25シクが出ました。
抽選どころか既に当たってるが・・と思ったけどACTとかが普通にノーマルだったので隠蔽してたら

横のほわくんが10倍ぐらいやばいの出してて負け。


八月五日

SR×ー〇化石
アームドドラゴン×ー〇アームドドラゴン
ベアルクティ×ー〇D-HERO


1時間足らずでフラグ回収

絆ベアルクティ×ー〇レイジングオッドアイズ
アームドドラゴン×ー〇SR
D-HERO×ー〇ヴァレット

D-HERO〇ー×オルフェゴール
アームドドラゴン〇ー×レイジングオルフェ
SR〇ー×SR
レイジングオッドアイズ×ー〇ヴァレット
絆ベアルクティ〇ー×絆ベアルクティ

絆ベアルクティ〇ー×D-HERO
アームドドラゴン〇ー×レイジングオッドアイズ
D-HERO〇ー×SR


D-HERO〇ー×D-HERO
レイジングオッドアイズ〇ー×ヴァレット
絆ベアルクティ〇ー×SR

SR×ー〇トリックスター
レイジングオッドアイズ〇ー×コードトーカー
D-HERO〇ー×D-HERO
アームドドラゴン〇ー×SR

結果は奮わなかったものの全体を通してやばいミスもなく落ち着いてプレイできたのでそこは満足です。Day2に行けるのが24人中2人と狭き門なので大変ですが来年も頑張りたいです。

8月6日
全体的に暇でした。

これは日本代表に挑戦!コーナーという名の取調室です。
リンクスブースはそもそも人が少なかったり捌けが早いのもあってなんとも手持無沙汰な感じでした。

決勝の演出は凄かったのですが3部門ともなると座りっぱなしになる時間も長いのでこれまでの疲労もあり少しくたびれましたね。


最後に

これまで目標にしてきた世界大会ですが、自分が想像していたより楽しかったです。数年ぶりのWCSなだけあってKONAMI側もかなり気合が入っている印象を受けました。ただその分現場もやることが多いのか、スケジュールがころころ変わったり連絡抜けがあったり現場の混乱も感じました。

リンクスの日本勢はこれまで上位帯で殴り合ってきた仲ですから、顔を知らずともほとんど同窓会のようなものだったので、この一年を振り返りながら使ったデッキの話をしたり当たった変なデッキの話をしたり交流面でも非常に楽しかったです。

後から聞いたのですが去年のKCGT予選の2位~9位が今年の代表だったらしいです。遊戯王デュエルリンクス、あまりにも狭い村。

ここ最近のリンクスはインフレと規制の繰り返しで、ワンピースカードが面白いこともあり、モチベ―ションの維持がかなり難しくなってきていましたがまだ頑張れそうです。来年こそは優勝を目指します。


写真


GaoVがACTにプレゼントしてたサイドラ
入場ゲート
位置任せたら目を離した隙にありえないバランスになってた
帰りの新幹線(知り合いです)
ウキウキで名札撮影
お土産1

世界マットが欲しかった人生なのでめっちゃ嬉しい。上位賞も欲しかったです

お土産2

かっこいいけどなんでフルアーマードなんだろう

お土産3

受け取りできてよかった!

お土産4


お土産5


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