見出し画像

コロナ禍で雇われ情シスとして中小零細企業を見てきた話

この記事は corp-engr 情シスSlack(コーポレートエンジニア x 情シス)#2 Advent Calendar 2021 22日目の記事です。

 早いものでコロナ云々と巷で騒がれるようになってからもう2年になりますね。そのコロナで大騒ぎの真っ最中に前職のスタートアップ企業を退職することに。その後、約1年半を中小零細企業を中心にフリー&業務委託の情シス(のつもり)として携わってきました。そんな1年半を振り返って、関わった中から(悪い意味で)思い出深い2件のケースを書き殴ってみたいと思います。

あらかじめ申し上げますが・・・
 多くの皆様には一切参考にならない内容と自負しております!(どや顔)

 当然ですが、どこぞの企業かわかるようなことは書けませんのでぼやーっとなる部分が多いことはご了承ください。(&長文ご容赦ください!w)

最初に

 きっとこんな話はフィクションだよ!と思ってご覧ください(ノンフィクションですが・・・)。これから転職や副業など考えている方は「こんな地雷を踏むこともあるよ!」という反面教師にでもしていただければ幸いです。

ケース1:専任者が創業以来居ません!

画像2

 とある学校運営会社さんからコロナで大騒ぎのところに急遽学生へのオンライン授業などの整備が必要に迫られ、さらに数年後にやってくるGIGA云々関係もあって対応できる人がいないので何とかしてとのこと。生徒数は千数百人ほどの学校のお仕事に関わることになりました。

 出向いた初日に伺ったところ「現状把握できるようなドキュメントの類は・・・とりあえず何もありません!」と。。。。現状把握もできないと作戦も立てられないので東へ西へと調査行脚を行いました。
 一番古い学校以外については、早急に手出ししなくてもよさそう(それでもかなりでしたが・・・)な状況だったのでその古い学校から手を付け始めましたが・・・ここからが地獄でした。

 Windows7がサポート切れ後も普通に現役で動いており、LANケーブルに至っては、Cat5が蜘蛛の巣のごとく。。。(e付かないですよ?片隅にはCat4っぽいのも見た気が、、、いやきっと幻影)。
 使われているハブは、知らない会社名のもので分岐に分岐を重ねているうえに10base(100baseすら記載無いのを見たのはいつ以来だろう)。WifiのAPは、量販店で購入したらしい10年くらい前?のバ○フ○ロー製。
 そして極めつけは、伺った初日に職員・事務員から「インターネットが遅い!(そりゃそうだよね)早く治せ」と、挨拶も無しにいきなり袋叩きにあい、魔法使いか何かじゃないんだからと思いましたが・・・きっと夢の中の出来事だと思います。(笑)

 他にも驚く出来事は挙げたらきりがないのですが、
「数か月前までは事務員以外の職員(10~30人前後)にはPCがなかった」「WindowsXPが使われてた(今や懐かしい)」
「学生の使うPCや社内のネットワーク整備を(無料)ボランティアでやってくれる業者はいないのか?(本気モード経営者談)」などなど・・・

 私の心境としては、
「頼まれ仕事とは言え、、、あぁ地雷踏んだなぁ・・・しかも特大orz」
という感じでした。

 紆余曲折しつつも滾々と説得し、その間、何もしてないのに多額のお金が支払われ続けていた外部委託の運用業者(ドキュメント作成すらしてない)を排除。財務の人を捕まえて過去遡れるだけ遡ってIT関係費用を分かるだけ全て算出してそこから削れるところを探し、削げるだけ削ぎ。整備費用をいくらかでも捻出できないか探しに探し、なんとかかんとか多額の全校舎整備費用稟議を通しました。関わり始めてから時間は掛かりましたが、約9カ月で全校内で職員・事務員・学生さん全てが有線or無線どちらでもPCを利用しての授業や連絡の取り合いができるよう整備するところまで着地しました。

 同時にEducationのMicrosoft365とGoogleWorkspaceの両方を利用申請してカリキュラムを作る教職員とどのように授業or職員で活用していくか、そして使い方などの職員教育も前述に並行して行い、導入作業などもやりつつ、果ては何故か立派な?2008ServerのActiveDirectoryが存在し(サポート切れるやん!)、その移行も行うなど9カ月がやたらと濃い期間だったと思います。

ケース2:何で余計なことをするの?

画像1

 とある事業に特化した企業で、端折って言うと365入れたいんだけど専任者が居ないので~といういつもの案件。
 (聞いた経歴上は)ちゃんとしたCTOもいるし、まともに仕事できそう!なんて思っていましたが、ある意味こちらは前述のケースを超える内容でした。

 私は、365の導入と社内での利活用などを担当し、まず取締役会で使う365導入説明資料を作成することに。(苦手な資料作成を人生で一番頑張った気がする)
 そして、いざ取締役会で説明し、心の中では「これでどや!」と反応や質問に身構えたところ・・・

 社長 「365導入が無くなった話、聞いてませんか?」
 私  「え?へ?」
 CTO  |ω・)ジー |彡サッ!


 どうやら私が来る直前に365の導入が取りやめになっていたようで。。。それをCTOは私に一言もなく・・・という状況だったようです。
 そこからは修羅場でした。。。CTOは詰められ、一緒に詰める(つもりの)側であるはずの私まで何故か一緒に詰められること2時間(社長さん話長いよ!)。
 仕方ないので社内のヘルプデスクとドキュメント類の整備や資産管理などやることでお茶を濁すことに。

 しかし事件はそれで終わらなかったのです。
 気分を変えて社内の棚卸からやって情報整理するところから始めますかぁと手を付け始めたのですが。。。

 最初から躓きます。。。某社のソフトウェアが、明らかにユーザー数に対してライセンス数が足りない。利用ユーザー数=ライセンス数にならなければおかしいソフトウェアなのですが、どうみてもライセンス数が半分くらいしかない。。。
 「1ユーザー1ライセンスで○○台までのPCでご利用いただけます。云々」というのを勘違いなのか、拡大解釈したのか、知らずに利用していたのか定かではありませんが、「まあそりゃぁ・・・数合わないよね。」という使い方をしていました。CTOに是正しましょうと話をし、稟議申請を依頼してその日は帰ったのですが、、、

翌日、さっそく社長さんから呼び出され、真っ先に言われました。
社長さん「何で余計なことするの?」

 CTOの方もあまり説明もせずにいきなりお金使わせてくださいなんて申請したようで「そりゃそうなるよね」と思いつつ、かなり噛み砕いて懇切丁寧に説明しました。

 そのうえで言われたのは、
「今まで何も問題ないんだから余計なお金の話を出さないでよ!」と。。。

 ガバナンスだ~コンプライアンスだ~以前の話です。お話がまともにご理解いただけないと解ったため、その場で契約解除を申し出まして即日さようならと相成りました。

で、何が言いたいのよ?

 ということ(前フリ長い)なのですが!多くの情シスSlackの方々は、まるでフィクションだと思ったのでは。。。(でもノンフィクションです。)
 このコロナ云々の環境下で特に非IT中小零細企業の経営者や経営層の方々は、色々なバズワード(テレワークやDX、働き方改革etc)に踊らされいたように見受けられました。
 今までおざなり(知らない、見ないこと)にしてきたことが、実は当たり前ではなかったと、現実に知らされたときの反応(脊髄反射かもしれませんが)に程度の差はあれど、お金が絡む話には金額の大小を問わず「変えること(変わること)への忌避感」が真っ先に出てくるということを感じました。特に中小零細のワンマン経営で企業運営が長ければ長いほどに顕著にみられる気がしています。

 これから転職を考えている方々には、色々な負担の大きい転職活動を良いものとするためにも経営者(経営層)の変化に対する姿勢、IT投資に関する考え方などが自分にフィットするところでお仕事していただければと思います。私は外部からとはいえ、だいぶ酷い状況にたまたま連続で関わりましたので。。。

以上、取り留めない長文失礼しました。