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音の力 7 ~遠州にちなんだ音の話~

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郷里の話をします。私の生まれは遠州、静岡県の西部地方です。
遠州には七不思議という言い伝えがありまして、そのうち音に関係する話がいくつかあります。

静岡県 浜松市南区 遠州浜

一番有名な話は小夜(さよ)の中山夜泣き石というもの。
ちょうど国道1号線を掛川側から東京方面に向かう道沿いにそれはあります。詳しくはググってみてください。

この話の音とは、そのものずばり石が夜になると泣くというものです。
そして、その伝説に出てくる男の名前が音八。

この音八が母の仇を討つという話なのですが、まあ峠道で山賊にその男の母親が襲われるところから話は始まります。

さて次は波小僧という話。
音の話なので、こちらも音に関係するところだけにしておきます。
遠州灘という荒波で知られる海岸が愛知県の伊良湖岬から静岡県の御前崎まで続いています。

遠州灘(1)

ある経緯から藁人形の波小僧が海に流された時遠州灘で漁師に助けられるのですが、その恩返しに雨の降る前に波の音を遠くまで聞かせたという伝説。

その結果波の音は雨の知らせとなり、農民はその音を天気予報のように使ったということです。

こちらの波音のことは子供の頃よく親からも聞かされていました。
実家にいた頃自分の耳でも確かに聞こえたという記憶があります。海から5kmは離れた住宅地でしたが、ザーン、ザーンという響きが夜の静寂の中から聞こえてくるのです。

遠州灘(2)

高校生の頃でしたが、一人前に受験勉強などしていた頃でしたね。あの頃は夜は静かなもので、他には踏み切りの警報機の音や夜汽車の走る音なんかも聞こえました。

そして知らないうちに終電と夜行は音で区別できるようになりました。
昼間は聞こえない音が夜には聞こえることがある、皆さんもそんな風に音を再発見してみてはいかがでしょうか。

遠州灘(3)


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