そもそも相談するのが難しい!?

 税理士という職業上、色々と相談を受ける場面もあります。しかし、受ける相談の後ろに、「そもそも何を相談していいのかわからない。」「これは聞いていいのか?」のような、「なかなか相談に至らないお悩み」が大多数なのが現実かなと思います。税理士にどのように相談すればよいのか。端的に言えば、「税理士の使い方」を自分なりにご紹介します。

税理士とお客様の関係性

 税理士とお客様の関係はそれぞれですが、経営者相手と考えると、「税・会計のプロ」と「経営のプロ」という関係になるかと思います。
 しかし、お客様の会社規模・会社組織次第では、「税・会計のプロ」だけではお役に立てない状況が多々あります。
 大きな会社であれば、社内に経理に詳しい方がいて通常業務は自社内で回っていることも多く、何か不明点・疑問点があった場合もまずは社内で検討する形となり、税理士はいわゆる「顧問」として、何か不明点・トラブル等がある際に相談を受ける形態が多いかと思います。
 しかし、多くの中小企業経営者にとっての税理士は、税・会計の分野にとどまらず、法務・労務、資金繰りの相談から果てはプライベートな事柄(最近家庭内がギクシャクしている。。。等)まで経営者にとっての何でも屋さんとなっていることが多いです。
 なお、何でも屋さんとして税理士を使っている経営者は「使い方がうまい」経営者です。(いい関係性が作れている証拠でもあります。)

餅は餅屋に

 「税理士の使い方」を考える際は、「餅は餅屋に!」を意識してみてください。相手の得意なことは相手にお願いし、「自分の得意なことに集中する」ことが会社を経営するポイントかもしれません。
 では、経営者にとって自分の得意なこととは何でしょうか?どちらかというと、「自分が集中すべきこと」といった方がよいかもしれませんが、経営者が集中すべきことは「経営」です。そして、「経営」=「判断・決断・実行」とも言えます。
 そして、判断・決断・実行するために必要な情報の収集・分析・アウトプットについては得意な人を雇うor外注すれば、必ずしも経営者自身が行わなくてもよくなります。中小企業の場合であれば、それらを行う人を雇うより、必要な都度、外注する(専門家を利用する)方がコストパフォーマンスが良くなる場合が多いです。

何を依頼するか

 では、外注する際に何を依頼するかは誰が判断・決断しているのでしょうか?基本的には経営者自身が行わなければなりません。そして、ここが「なかなか相談に至らないお悩み」が大量発生するポイントでもあります。
 そもそも、経営者は忙しいのが普通です。むしろ、忙しくないのはマズいとも言えます。そんな忙しい中、経営者自身が直面している問題に対して、情報収集・分析をして「これ」が必要だから「あの人」に「あれ」を頼もう!と決めるのは現実的ではないです。
 そこで、上で述べた「何でも屋さんとして税理士を使っている「使い方がうまい」経営者」は何をしているかというと、身近な相談相手としての税理士に「何が必要で」「誰に」「何を頼めば」良いのかを聞いています。

税理士の得意なこととは

 上の例はあくまでも良好な関係性の中での話ですが、そもそも税理士の得意なこととは何でしょうか。
①書類仕事に強い
 自分ではそうは思わないのですが、おそらく一般的には書類仕事に強い性質を持っていると思います。そもそも、税務署への書類提出(税務申告代理)がメインの仕事ですので。。。

②法律関係・役所関係の書類を読むのが早い
 ①に付随したものですが、仕事柄、法令や役所からの文書等を日頃から読んでいますので、慣れています。

③他士業との知り合いが多い
 職業柄、他士業の方と一緒に仕事をする機会も多く。また、自分のわからない分野であれば、詳しい人に教えてもらうことも多く、一般の方々に比べれば多くの他士業の方をそれぞれの得意分野も含めて知っています。

 この他にも色々とあるのかも知れませんが、税・会計を中心に会社経営の話題に触れる職業ですので何かと接する分野の範囲が多く、その分「カン」が効く場面も多くなります。

私の思う「税理士の使い方」

 長々と書いてしまいましたが、私が考えるほど良い「税理士の使い方」は「普段から自分の知らないこと・不安なことがあれば聞いておく」です。
 あまりにも分野が違うことを聞かれれば正直に「知らない」と答えますし、知り合いに聞いてみたらわかりそうなことは「聞いてみるから少し待って」と答えます。
 そして、「普段から会話のある関係」が、「いざという時に相談しやすい関係」になります。
 そういう意味では、私(税理士)の方からも、普段から会話があるように気をつけています。

最後に

 自分にとって、どんな相談をされると嬉しいかと言えば「何か困っているのですが、何に困ってるのかよくわからないので話聞いてください。」といいった相談かもしれません。
 まずは話してみないと分からないことが多いので、話してみることから始めていければ考えています。

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