2016年6月9日

note の記事には下部に「こちらもおすすめ」というセクションがある.どういったアルゴリズムでそれが選ばれているのかしらないが,2016年2月20日のnoteがおすすめされており,そこではこんなことを書いた:

スピリチュアルな某ブログの記事を読んで苦笑する.人間は,そんな清く正しく美しくは生きられないよ.自分がそうでないからこそ,ブログなんかでわざわざ言明しなければならないんだろう.つくづく思うんだけど,我々は,この地獄のような世の中をのたうち回って,道を探しながらサバイブしていくしかない.そしてそんな道にだけ,美しい一輪の花が点々と咲いている.

我ながら偉そうなことを書いているが,note には適当なことを書くと決めているので,ご容赦ください.

この手の文章は,よくある.別に参考にしたわけではないが.

たとえば,寺田寅彦の有名な「科学者とあたま」という随筆には以下の文章がある.

科学もやはり頭の悪い命知らずの死骸の山の上に築かれた殿堂であり,血の川のほとりに咲いた花園である.

5年以上前,私のブログの記事(手鎖心中 (井上ひさし) A Day in the Life/ウェブリブログ)にも,井上ひさしの以下の文章を引用した:

むろん,栄次郎だってそれが天下第一の戯作者への道であると,本気で信じてやしないだろう.半分くらい本気かも知れないが,机の上が血の池地獄で,座る座布団が針の山,おまえにものを書く才などあるものか.と呵々大笑する閻魔の声を頭のどこかで聞きながら,脂汗流して,地獄這いずり廻って,これ以上は自分にはできない,という作を仕上げるほかに,王道がないことぐらい承知しているはずだ.

人生が地獄とまでは言わないが,すくなくとも創造という人間の営みは,地獄へ至る道とよく似ている.

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