反応への応答(第3回連載「あれから1年」)

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記事「SNS鍵垢と研究者倫理」について、こういう反応がありました。

本人不在の悪口とキャリアのリスクについて、SNSの利用方針などでは根本的な問題は解決しないと思います。
鍵垢が可能なtwitterというSNSの存在が問題の規模に影響にしたとしても、twitterがなければ呉座事件(あるいはそれと同種の事件)が生じなかったとは断言できないです。
研究者に公開垢を強制しかつそれが徹底されたとしても、twitterでは無難な発言に終始し、別のより閉鎖的な(もしかすると匿名性の高い)プラットフォームで本音を吐き出す状況になることが想像できます。
大学の能力にも限界があるため、何れそういったコミュニティの存在さえ認識できなくなり、本人不在の悪口が生産され続けます。
ついで言えば、ネットがなくなったとしても、対面の飲み会などに場を移すことが可能です。
SNSの利用に制限が掛けられれば、瞬時に情報が拡散する範囲は狭くなるかもしれません。
しかし、肝心なのは本人が反論する機会もないまま人事権を持つ人間に悪口が伝わってしまうことのはずなので、本質的な問題は残ります。
そもそも本人不在の悪口がキャリアに影響する事象を防ぎきることは困難です。
そのため、根本的な問題は経済問題と解釈すべきだと思います(SNSがなければ問題は無視できるほど軽微と考える場合は別ですが)。
研究者がキャリアの初期において経済的に不安定な立場にあることが(陰口という人間の普遍的な習性による)回避不能な問題をより深刻にしていると考えます。
ただし、教育や研修などによって陰口を叩かないように人の意識を変えられるという立場をとる場合は、上記見解にはなりません。

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どうやら、これと同じような意見の人は他にも複数いるようです。
私としては、賛同できるところもそうでないところもあります。

当初は予定していませんでしたが、説明を補足するため、記事「SNS鍵垢と研究者倫理」の続篇をそのうち書きます。
なので、今ここでは答えないことにします。

まずは当初から予定していた記事を書きたいので、その予定外の続篇がいつになるかは分かりません(来月とかかも)。
この意見への意見があれば、やはりGoogleフォームからお気軽にどうぞ。

(2022年9月3日18時05分ごろ追記)

記事「SNS鍵垢と研究者倫理(その2)」で補足説明しました。

(追記ここまで)

2

記事「OLの賛同者名簿と氏名冒用」について、こういう意見がありました。

おっしゃる通りOLの賛同者募集については問題があったと思います。
個人情報保護法を考慮すると、個人情報の管理責任者は誰か?を賛同者募集主体が考えるのは最低限の責任として当然だったはずです。
ところがその責任すら回避したので、森先生ご指摘のような冒用や悪用が容易な署名形態になったものと想像しております。

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個人情報保護法との関係については、1年近く考えていますがよく分かりません。
OL差出人18人は「女性差別的な文化を脱するためのオープンレターの会」みたいな団体を結成したわけではないので、法律上の扱いは単発のオフ会の幹事などと同じになり、個人情報保護法は適用されないのではないでしょうか。

ただ、OL運営の責任意識などについてはもともと思うところがありますので、そのうち記事に書くつもりでいます。

3

記事「OLと北村紗衣氏への濁流」について、こういう声がありました。

今回の騒動にも少なからず関わってきている池内恵氏ですが、今年1月の北村氏と雁琳氏のトラブルに際し、雁琳氏に対して煽てているとも取られるような言動を続けていました。
〔…〕
このうち「書籍化」云々については先月〔…〕も池内氏は再度言及しているので、雁琳氏に対するアイロニックな牽制とはとても言えないと受け取れます。(cf. https://togetter.com/li/1934524)

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言われてみれば、同記事で池内恵(東京大学先端科学技術研究センター教授)のことも取り上げるべきだったかも知れません。
言及されたtogetter「対話篇――さえぼう vs. 池内――」の冒頭にある池内の今年1月21日のTWは、事実認識にかなり問題があると思っています。

世の中にはいろいろな大学があり、いろいろな職員がいるので、非常勤講師にメールボックスを与えない大学や非常勤講師宛の郵便物を勝手に開封してしまう職員も存在するかも知れません。
しかし雁琳は、後に本人が認めたように、勤務先の甲南大からメールボックスを与えられていました。

また、内容証明郵便の外見は次のようなものです。

私が昨年4月に元呉座界隈の某個人の代理人弁護士から送られたもの
(宛名の下の黒塗りはバーコード)

世の中には無茶苦茶な大学職員もいるのでしょうが、「親展」の朱印がある郵便物が勝手に開封されるとは考え難いです。

ただし、翌22日の「書籍化」のTWは「Twitterで書かずに」とも言っているのですから、これは所謂「雁琳氏に対するアイロニックな牽制」なのではないでしょうか。

このTWもどうかと思いますが、かと言って北村氏のように「本を書け、自分が出版社を紹介するって励ましてた」と解釈するのもどうかと思います。

4

記事「OLと北村紗衣氏への濁流」について、こういう声がありました。

人文科学だけではなく、社会科学や自然科学でも〔…〕あらゆるハラスメントやいじめ、派閥争いの再生産とも取られる現象はあると思います:卑近な例ではありますが、私の友人のうち●人はアカハラにより某●●大院の●学研究科のマスターを中退しています)これに対して森さんのご意見を拝聴したいところでございます。

Googleフォーム「森 新之介「あれから1年」を読んで」(伏せ字引用者)

一般論として、虐待などの連鎖(された者が後にする者になるという現象)は残念ながら珍しくないと思います。

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