見出し画像

敬語表現

 学生時代、クラブ活動で先輩相手に会話する時なんかだと、少々、変な敬語であっても叱られることはありませんでした。
【敬語表現】で、 ん? という感じで結構悩むようになったのは社会人になってからですね。

例えば、お客さんから何らかの希望が告げられて、受入可として返事する時に、よく「了解しました」という表現を見かけます。

私の場合は、基本的に

「承りました。」

とお答えしています。
「了解しました。」や「了承しました。」は使わないです。
正確に言うと、昔は使っていましたが、今は使わなくなりました。
今は、部下からのメールに対して、「了解しました。」を使うぐらいです。

というのも「了」という字は、「終了」というように、「終える」という意味を含んでいます。
ですから、最終決定権者であるお客様や、上司が使う言葉であって、目下の側が使うべきではないです。
「了」の字には、決定権があるかのように錯覚させる語感(響き)があるんですよね。
そのため、「了解」や「了承」という表現は避けるようにしています。
(部下が「了解」と言った時には、上記を説明してお客様相手には使わないように、指導しています。)

もちろん、時代の変化と共に、言葉づかいや敬語表現も変化しますし、厳しく制限されていく言葉もあれば、拡大解釈されていき、次第に市民権を得てしまう表現もあります。

代表的なのが、役職の後ろに「様」をつける行為ですね。

昔は、「〇〇部長殿」という表現を使っていました。
最近は、「〇〇部長様」という表現をよく見かけます。
私もついついやってしまいますが、基本、「部長 〇〇様」と書くようにしています。

さて、サービス業の方だと、「かしこまりました。」という返事をすることが多いようですね。
「畏まる」という語は、神様にお願いする時とか、結構目上の人に対して使うという感覚があるので、私はあまり使いません。
たまに、相当ご高齢の先輩とかにお会いした場合ぐらいですね。
ただまあ、相当に丁寧なのは丁寧なので、どんなお客様がいらっしゃるのかが分からないサービス業ではこれぐらいの表現でも良いのかもしれません。

で、本題。今日、お客様相手に久しぶりに使ったのが、

「お含みおき下さい。」

です。
これは、こういう問題が発生する場合がございます、という風に、あらかじめ、リスクについて説明する場合に使います。

よく見かけるのが、
〇〇というお客様の望まない状況になるかもしれませんので・・・

  • あらかじめご了承ください。

  • あらかじめご承知ください。

というのが、一般的に使用されているのではないでしょうか?

たまに、「あらかじめご理解ください。」という表現が使われることがありますが、この表現は、NGとされています。
理由は、「ご理解ください」とは、すでに事態が動き出している際に使う言葉とされているからです。
これは、かなり多くの場面で勘違いして使われていますね。

さて、上の二つの事例ですが、「了承」と「承知」。
今回の案内では、「リスクの可能性をご報告する」という段階です。
ですから、最終決定を促す意味がある「了承」は使うべきではありませんので、使うとすれば「承知」が基本です。
ところが、「承知」という語感は、あまり響きが良くないんですね。

知っておいてください、という意味で「承知」以外の言葉となると・・・

ということで、結構、国語辞典を引きまくった思い出があります。

そこで見つけたのが、「お含みおき下さい。」
という言葉。

含んでおく、含みを持たせておく。

これは、立場が上の人を連想させるのに打ってつけの響きがある表現です。
決定権があり、それを行使するのを留保している。
そういう響きが、敬語表現として遺憾なく発揮されています。

ということで、私がいつも使うビジネス敬語を少しだけ開陳してみました。

もしよろしければ、皆さんも、こういうビジネス敬語を使ってみて下さい。
ひょっとしたら、受けが良くなるかもしれません。
多分・・・
知らんけど。w (って、この辺が大阪人だなあ・・・)

しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。