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ライブ参戦レポ/「最新が最高」が更新された「10 BABYMETAL BUDOKAN - DOOMSDAY VI -」

2021年2月27日 Text by TAROO-METAL

2021年2月20日(土),BABYMETALの武道館公演6日目となる「10 BABYMETAL BUDOKAN - DOOMSDAY VI」に参戦した。2月にしては暖かな日差しが心地よい土曜日。会場となる日本武道館には15時40分頃に到着。今回はコロナ禍でのライブということで入場者数はキャパの50%(のはず)。そのため最寄りの九段下から会場までの道のりもそれほど混んではおらず,座席種別に入場時間も分散していたので会場周辺の混雑も過去のライブとは比べ物にならなかった。

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会場でのグッズ販売もなし。毎回長蛇の列をなす物販というのはBABYMETALのライブの風物詩のようなものなので,それがないのはなんだか寂しい感じもした。そのかわりグッズの一覧とショップサイトのQRコードが巨大掲示板に掲出されており,その前にはいわゆるホネが1人だけ常駐していた。彼の本来の役目はグッズ購入方法の告知なのだろうが,実質的には写真撮影のオブジェと化していたのが微笑ましかった。

私の入場口はBで,入場開始時間は15時50分。入場は実にスムーズだった。検温とチケット認証を同時に済ませ,持ち物チェックとボディチェックが終わったらSavior Maskを受け取り,すぐにマスクを着用して館内へ。

ほぼ16時に着席。座席は2階席。南西のV列だった。何と後ろから3列目。THE ONE先行で当選したのだが,先行だから良席というわけではなかったようだ。早いタイミングでチケットを確保できたという安心感が得られるだけということなのかもしれない。

それはさておき,実際に着席してみたところ,V列はかなりの高さからステージ全体を俯瞰する格好となっており,これはこれで良席と言えるかもしれないと感じた。もちろんステージは遠いのでメンバーを間近に感じることはできないが,凝った演出や照明を含めたステージ全体を観て楽しむには最高のロケーション。ただし4月の10公演目では,できれば1階席(ないし2階席でももっと前方)がいいなぁと勝手なことを思ったり。

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ふと会場を見渡すと,背中に「DUSKIN」と名前が入った作業着を着た人たちが座席や手すりを除菌してまわっていた。感染症対策を徹底していますよというパフォーマンスと受け取れなくもないが,そこかしこで除菌している姿を見ると安心できるのは事実。心の中で「DUSKINのスタッフさん,ありがとう」と感謝を述べた。

開演30分前。席は満遍なく埋まってきた模様。まもなく始まるというのに,妙に現実感が乏しく感じられた。久しぶりのBABYMETALのライブということもあって,無意識のうちに緊張していたのかもしれない。

そして場内が突如暗転。ライブはほぼ定刻の17時に始まったのだった。

1.自身の歴史を振り返るライブ

去年の幕張公演「LEGENG - METAL GALAXY」は,アベンジャーズと西の神へのリスペクトに満ちていたが,今回の武道館10公演はBABYMETAL自身への賞賛のように感じられた。まさに10年の集大成。あまり触れられたくはないはずの「かつてあったこと」を「なかったこと」にせず,オマージュとして大胆に取り入れて演出した点は称賛に値する。体制変更により封印されていた曲が復活したことや,後述するが“紅月-アカツキ-”で2人のダンサーがダークサイドの衣装で登場したことや,“おねだり大作戦”で4人の小狐たちが7年前の武道館公演を思わせる衣装を身に纏って登場したことなどは,その象徴だと思う。

凝りに凝った複雑極まる演出に対応するため,ステージに立つ3人はいったいどれほどの努力をしたのだろう。そしてこの演出の構想を練り,実際に形にしたスタッフの方々の苦労は,いかばかりだったろう。この日の素晴らしいステージに注ぎ込まれたチームBABYMETALの労力と情熱は,想像を絶するレベルだったに違いない。わずか90分のライブを完璧なものに仕上げるためにかかわったすべての人たちに,ライブを楽しんだファンの1人として心の底から感謝したい。

2.全方位が正面という驚愕のステージ

1月から始まった日本武道館10公演という空前絶後の試み。私が参戦した2月20日は「DOOMSDAY VI」,つまり6公演目という折り返し地点のライブだった。それまでの5公演で今回の「10 BABYMETAL BUDOKAN」がいかに特別なライブであるかは分かっていたつもりではあったが,実際に参戦してみてそのスペシャル感に改めて驚愕させられた。

その最たるものは「全方位が正面」という演出だ。曲ごとに正面が変わる演出がすごいと聞いてはいたが,まさかこれほどとは……というのが率直な感想だ。この日実際に目の当たりにしてようやくその凄さが実感できた。曲ごとに変わるどころか,曲の途中でいつの間にか切り替わっている様は,まさにマジック。その最初の衝撃は3曲目の“ギミチョコ!!”で訪れた。曲の途中でのこと。SU-METALの動きがなんだか変だぞと思った次の瞬間,3人がくるっと向きを変えると見事に正面切り替えが完了。切り替わる瞬間を偶然目撃することができたのだが,そのあまりの自然さに心底驚いたし,惚れ惚れしてしまった。

2014年の武道館公演でもセンター・ステージが導入されたが,あの時はステージ自体が回転する仕様になってはいたものの,正面は基本的に一方向だった。しかも神バンドが鎮座する方角は死角になっていたので,360度どこからでもステージを見ることができるというわけではなかった。その点,今回の公演ではステージは回転こそしないものの,ステージ上でパフォーマンスする3人が頻繁に正面を変えるので,会場のどの客席にいてもかなりの頻度で正面からステージを眺めることになる。しかも神バンドの面々はステージ外周のさらに外側に,東に1人,西に1人という具合に東西南北に合わせて1人ずつ配置されていたので,その姿がステージを遮ることはまったくなし。死角が一切なく,全方位が正面になるというラウンド・ステージの特性を最大限に生かしたステージ構成は,お見事のひと言に尽きる。

3.豪華絢爛なライティング

今回のライブで際立っていたのはライディングだったと思う。会場の特性から幕張の時のような巨大スクリーンを使うことはできなかったわけだが,客席がすり鉢状になった会場の構造を生かしたライティングはとにかく美しかった。水平方向だけではなく垂直方向にも「これでもか」とばかりに幾筋もの光線が色とりどりに伸びる様子は,BABYMETAL史上最高レベルの美しさだったのではないだろうか。ステージ自体もセンター部分が上方にせり上がる構造だったので,ライティングの効果も相まって視覚的には立体感を強く感じさせるステージだったと思う。

視覚的な演出がここまで豪華で贅沢なライブやってみせるメタル・アクトは,世界広しと言えどもBABYMETALしかいないだろう。シアトリカルなショウが売りのアーティストは確かに存在するが,洗練された美しさと大規模なスペクタクルという点ではBABYMETALの足元にも及ばない。BABYMETAL流の一大メタル・エンターテインメント,ここに極まれりという印象だ。

4.オープニングの新曲

ライブのオープニングを飾ったのは前日と同じく新曲(インスト)だった。かの名曲“BABYMETAL DEATH”や最近のオープニングの定番“IN THE NAME OF”よりもコンパクトな作りながら,“BABYMETAL DEATH”のフレーズを取り込んだ激しい曲調と邪悪な宗教儀式のような雰囲気はインパクト大。BABYMETALのことだから今後も改良改善が重ねられるのだろうが,いずれはライブにおける新たな幕開け曲として定着する可能性は高い。

5.新たな演出で復活した“おねだり大作戦”

BLACK BABYMETALの曲がライブで披露されたのは2017年12月の「LEGEND - S - BAPTISM XX -」以来のこと。その時はYUIMETALの出演が急遽取りやめになってしまったため,本来2人で演じる曲をMOAMETALが1人で歌い踊るという何とも痛々しい事態となってしまった。その後BLACK BABYMETALの曲がライブで披露されることはなく,BABYMETALがSU-METALとMOAMETALの2人体制になったこともあり,BMの曲がライブで演じられることはもうないのではないかという空気がファンの間では支配的だった。

多くのファンがその復活を望みながらも,その希望はおそらくかなわないだろうとほぼ諦めかけていたのに……この日の序盤,コミカルな雰囲気の紙芝居に続いて披露されたのは,文字通り「まさか」の“おねだり大作戦”だった。

この日の“おねだり大作戦”は,MOAMETALが4人の小狐さんを従えてパフォーマンしたという点で,あまりにも特別であった。4人の小狐さん一人ひとりと絡みながら歌って踊るMOAMETALの,何と楽しげであったことか。後輩を引き連れて武道館のステージに立つことが心の底から嬉しくて仕方ないという様子が,ひしひしと感じられた。4人を引き連れてパフォーマンスするという演出は大変だったはずなのに,MOAMETALの姿には余裕が感じられたのは偶然でも何でもない。2018年の「ダークサイド」で大人数でのステージは経験済みなのだ。その時の経験が間違いなく役に立っていたのだと思う。

4人の小狐さんの衣装も重要なポイントだ。骨パーカーに赤いスカートという出で立ちは,2014年の日本武道館公演で披露された"おねだり大作戦”の時の衣装とうり二つ。まるでその時のYUIMETALとMOAMETALが4人に分裂して登場したかのような錯覚に陥ってしまった。

ちなみに小狐さんたちはマスクを着用していたためその素顔をうかがい知ることはできなかったが,高性能双眼鏡を駆使して解析に臨んだ複数のツワモノ父兄によれば,さくら学院の在校生だった模様。ファンにはたまらない演出だったに違いない。

いずれにしても,BABYMETALの10年の歴史において間違いなく重要な存在であるBLACK BABYMETALが復活し,しかも2014年の武道館公演オマージュの演出が施されていたという事実は,実にエモーショナルであった。今年の7月に22歳になるMOAMETALが「パパ大好き!」といっておねだりするというのは,かなり危険な感じがするが……。

6.新バージョンの“紅月-アカツキ-”

“おねだり大作戦”の復活以上に衝撃的で,ファンに大きな驚きと喜びをもたらしたのは,SU-METALのソロ曲“紅月-アカツキ-”が披露されたことだろう。ソロ曲でありながらBABYMETALの数ある楽曲の中でも屈指の人気を誇る名曲だ。自らの命を犠牲にして姿を消したはずの「紅の戦士」が再び地上に舞い戻るという紙芝居はとても感動的で,私はこの時点で思わず半泣き状態になってしまった。

SU-METALがマントを翻して歌う“紅月-アカツキ-”は,間違いなくあの“紅月-アカツキ-”だった。しかし2018年10月の「DARK NIGHT CARNIVAL」以来およそ2年3ヶ月ぶりに披露されたこともあり,そのブランク故にハンパない「復活感」を観る者に与えたのだった。

ビジュアル的に秀逸だったのは,中央の円形ステージに巨大な紅い月が映し出されたこと。幻想的で美しくて,紅い月がただ映し出されているだけなのに,その上にSU-METALが立って“紅月-アカツキ-”を歌っているだけでとんでもなくドラマティックで感動的な空間ができあがってしまうから驚きだ。

ちなみにステージをスクリーンとして活用するこの手法は,武道館のように客席がすり鉢状になっている会場だとその効果が十二分に発揮されると感じた。上の方の席になればなるほど,ステージ=スクリーンがよく見えるようになるのだから。

“紅月-アカツキ-”は曲そのものにもアレンジが施されており,終盤の構成が原曲とは異なっていた。激しく疾走していた曲が終盤で一度(冒頭のような)アコースティックな曲調に転じ,その後再びメタル全開で突っ走るのだ。この緩急の付け方は実に巧み。2013年の「LEGEND “1997” SU-METAL聖誕祭」で披露された“Unfinished Ver.”っぽいテイストを部分的に導入したとも言えるかもしれない。いずれにしても,オリジナルよりもドラマティックな仕上がりになっていたと思う。

そして何よりも驚いたのが,中間部のギター・ソロのパートで「ダークサイド」時のコスチュームに身を包んだ2人の女戦士が登場してバトル・シーンを演じたことだ。この2人は2018年の「ダークサイド」時にBABYMETALのダンサーとして活躍した佃井皆美さんと丸山未那子さん(だと言われている)。SU-METALやMOAMETALには表現できないであろうアクロバティックな動きと力強さが印象的なパフォーマーだ。もはやトレードマークとなった連続回し蹴りも披露され,最高にクールでかっこよかった。間違いなく困難な時期を迎えていた「ダークサイド」期のBABYMETALを支えた功労者に対するBABYMETALの敬意と愛を感じた。

個人的には好きな「ダークサイド」なのだが,人によっては文字通りBABYMETALの「黒歴史」であるようだ。しかしそのような物議を醸す「暗黒期」にフタをして「なかったこと」にしてしまわず,「暗黒期」は確かに存在し,そしてそれは間違いなくBABYMETALの歴史の一部なのだということをBABYMETAL自らが堂々と認めたことは,とても素晴らしいことだと思う。

7.RoRでの遊び心

ライブの最後を飾ったのは定番曲“Road of Resistance”だった。全席指定の会場でWall of Deathを煽るSU-METALの所作には思わず笑ってしまったが,曲のパフォーマンスは盤石。曲終わりのコール&レスポンス時には3人がステージ外周を回って観客との掛け合いを楽しんでいたが,3人がベースのBOH氏の近くに差し掛かった時にちょっとしたハプニングが発生。BOH師が通路側にベースを差し出すと,3人が駆け寄ってワチャワチャと楽しげにベースに触って引くような素振りを見せたのだ。

BABYMETALのライブで,SU-METALやMOAMETALが神バンドとこれほどあからさまに直接的なコンタクトを取るシーンは初めて見た。過去のライブではMOAMETALとドラムの青山氏がRoRで変顔対決をしたことはあったし,2016年の「AP Music Awards」ではJudas Priestの曲をカバーした時にギターを手にしたYUIMETALとMOAMETALが大村氏や藤岡氏と仲良くパフォーマンスする姿をみせたこともあった。しかし隠れたお遊びや正真正銘のパフォーマンスではない場面で,メンバーと神々が交わることなど,いまだかつてなかったはずである。一世一代のライブを一緒に作り上げていく楽しさ,仲の良さを如実に感じさせるシーンで,見ていて心温まる良い一幕であった。

コール&レスポンスをしながら外周を移動している時のMOAMETALの振る舞いがかなり自由だったことも指摘しておきたい。基本的にはキツネサインを掲げて観客と掛け合いをしていたのだが,歩いている時には客席へと視線を投げかけながら,かなり自由に手をヒラヒラと振っていたのだ。決まりきった振る舞いだけでなく,思いのままに自由に振る舞う姿を見るのは,やっぱり楽しい。演者と観客の距離感がぐっと縮まる気がする。

8.SU-METALの言葉とコロナ禍におけるライブのあり方

コロナ禍でのライブということで,今回は政府が定めるガイドラインに沿った運営がなされた。マスクは2枚重ね。客席は間引かれて両隣は空席。ライブ中は声を上げることはできず,立ち上がることはできても移動は禁止(当然だ)。正直歌いたかったし叫びたかったが,要所要所で過去のライブで録音した歓声がタイミングよく流されたので,それに合わせて拍手をしたりキツネサインを掲げたりするだけでも,それなりに「参加している」という感じはした。制限がかけられたからといって盛り上がりに欠けるということもまったくなかった。

ライブ開始前に拍手や足踏み,ウェーブの練習があったのもよかった。運営が先導してアクションを促すやり方は,ともすれば奥手になりがちな日本人の気質にマッチしていたのではないかと思う。

ライブ中に声も出せなければモッシュもできないのはストレス以外の何ものでもないが,客席で隣と前に人がいないのは快適だし,ライブ終了後の混雑もそれほどでもない(感覚的には通勤時に毛が生えた程度)のはプラスでしかない。コロナ収束後もこのやり方はありかもしれない。

SU-METALは「この一瞬一瞬が私たちにとってかけがえのない時間です。今日は来てくれてありがとう!」(大意)と言って深々とお辞儀をしたが,それは我々ファンにとっても同じこと。BABYMETALに対しても,まったく同じ言葉を返したい。エンタメ業界が大打撃を受け,多くの人が批判や誹謗中傷を恐れてイベントを開催することに腰が引けてしまう中,演者もファンもガイドラインを遵守し,与えられた条件下でやれるだけのことを徹底的にやり切る気概を見せたわけだ。この気概,あるいは心意気こそがメタルだと思う。

日本武道館10公演はまだ道半ば。後半戦では,いったいどのようなステージを見せてくれるのだろう。

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9.各曲について簡単コメント

01 新曲
上述の通り。“BABYMETAL DEATH”の新バージョンとも受け取れるコンパクトな曲。SU-METALとMOAMETAL,そしてサポート・ダンサーの岡崎百々子は十字架に貼り付けにされて登場したようだが,当日は興奮のあまりどこにどのような感じで出てきたのか把握できなかった。

02 イジメ、ダメ、ゼッタイ
事実上のオープニングがIDZという構成には正直違和感があった。音のバランスも整っておらず,ギター・ソロでは大村氏とISAO氏の音量バランスがあまり良くなかったような気がする。

03 ギミチョコ!!
若干のバタつき感があった音響面は,この曲でようやく整ってきた印象。

04 ド・キ・ド・キ☆モーニング
復活を果たしたデビュー曲。23歳になった今でもこの曲をキュートに歌いきってしまうSU-METALに脱帽だ。早口でまくし立てるパートはかなりのハイテンションで,歌うというよりは声を張り上げているような感じで面白かった。

05 おねだり大作戦
上述の通り。お姉さん感全開のMOAMETALがとても印象的だった。

06 紅月-アカツキ-
上述の通り。間違いなくこの日のライブのハイライトの一つ。今までの“紅月-アカツキ-”はSU-METALが命を削って歌っている感じが強かったが,この日はむしろ生命感あふれるというか,余裕を持って歌っていた印象だ。復活を果たした紅の戦士という設定そのままという感じ。

07 Distortion
この曲は本来ならば一緒に叫ばずにはいられない曲なので,拳を振り上げつつも心のなかで叫ぶことしかできなかったのは何ともストレスフルだった。

08 PA PA YA!!
声を発することが禁じられていたが,そのような制約を微塵も感じさせない盛り上がりだった。タオルを振り回すという観客参加型の仕掛けがなければ,おそらくここまで盛り上がらなかったのではないかと思う。

09 メギツネ
たしかこの曲ではSU-METALが観客に対してウェーブをするように煽っていたと思うのだが,記憶が定かではない。「なめたら,いかんぜよ!」ではステージの床面に「なめたら,いかんぜよ!」という文字が大写しに。

10 KARATE
ライブでこの曲が披露されるたびに感じるのだが,この日もこの曲で音圧が一段高まった印象を受けた。非常にパワフルで劇的メタル感が向上。

11 THE ONE
この曲が始まると「ああ,ライブが終わってしまうのだなぁ」という寂寥感を感じてしまう。この曲はもともとドラマティックで,そのタイトルが示すように演者と観客の一体感が強まる効果があったが,様々な制約下で行われたこの日のライブではその結束感がいつにもまして強かったと感じた。

12 Road of Resistance
参戦した多くの人が指摘しているように,冒頭での「旗芸」を終えたSU-METALは,たしかにフラッグを無造作に投げ捨てているように見えた。それよりなにより,全席指定の会場でありながら型どおりにウォール・オブ・デスを促すジェスチャーをしている時のSU-METALは,いったいどんな気持ちだったのだろうと想像してしまう。

【セット・リスト】
10 BABYMETAL BUDOKAN - DOOMSDAY VI -
2021年2月20日(土)
日本武道館

01 BABYMETAL DEATH 2021(仮)
02 イジメ、ダメ、ゼッタイ
03 ギミチョコ!!
04 ド・キ・ド・キ☆モーニング
05 おねだり大作戦
06 紅月-アカツキ-(改)
07 Distortion
08 PA PA YA!!
09 メギツネ
10 KARATE
11 ヘドバンギャー!!
12 THE ONE
13 Road of Resistance


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