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NIGHTWISHが「HELLFEST OPEN AIR FESTIVAL 2022」で圧巻のパフォーマンスを披露

2022年6月にフランスで開催された巨大メタル・フェス「HELLFEST OPEN AIR FESTIVAL 2022」にNIGHTWISHが降臨。幸運なことにその圧倒的なパフォーマンスのすべてがYouTubeで配信されたので,それを視聴した感想を書いてみた(配信は2023年6月24日まで)。

今年の「HELLFEST」は6月17日~19日がPART1,23日~26日がPART2と2つのレグに分かれている。NIGHTWISHはPART2の3日目,6月25日のメイン・ステージ02のトリに登場した。この日の同ステージはBLIND GUARDIAN→EPICA→NIGHTWISHと個人的に最高の流れである。ちなみにメイン・ステージ01のトリはGuns N' Rosesだ。

配信を観てNIGHTWISH云々以前に何より羨ましく思ったのが,この巨大なメタル・フェスがほぼ“コロナ前”と変わらない感じで開催されているという事実。会場を埋め尽くした無数のメタル・ファンは,バンドの演奏に合わせて拳を振り上げ,大声で歌い,叫んでいる。マスクを着用している人は皆無と言っていい。盛り上がるにつれてクラウド・サーフも次から次へと発生する。いまだコロナ禍にあって大きなイベントを開催することに慎重すぎるほど慎重な日本では考えられない光景が,そこにはあった。日本でも来月(2022年8月)には「SUMMER SONIC」と「DOWNLOAD FESTIVAL JAPAN」が開催されるが,この「HELLFEST」に負けないくらい盛り上がることを期待したい。「ライブっていいな」「フェスって最高だな」と素直に思える日が来ることを切に願う。

さて,ライブについてだが,最初に思ったのは「日中のNIGHTWISHというのも何だか妙な感じだな」ということ。なにしろバンド名に“NIGHT”とあるくらいだから,彼らには夜がよく似合う(と勝手に思ってる)。彼らが奏でるシンフォニックな音楽も,やはり“夜”のイメージが強いからなおさらだ。とはいえ,陽光のもとでパフォーマンスするNIGHTWISHは,いつになく生き生きとしていて肩肘張らない感じがして実に良かった。おそらく彼らも大観衆を前にしてライブをすることの喜びを改めて噛み締めていたのだろう。オーディエンスに負けず劣らず楽しんでいる様子が手にとるように感じられた。

楽器隊のプレイは非常にタイトでテクニカル。複雑で長尺な曲でも完璧にプレイしている。フロールのヴォーカルも素晴らしい。オペラティックにも歌えるし,パワフルに歌い上げることもできる。スクリームもすれば,ガテラルっぽくがなったりもする。声のレンジも表現力の幅も非常に広い歌い手だ。そして何よりあの長身である。巨大なステージでもその存在感は抜群だ。

セット・リストはNIGHTWISHのベストである。初期の曲から最新アルバム収録曲まで,ツボを抑えた万全のリストだ。もともとシンフォニックで劇的な楽曲ばかりなのでライブは否が応でも盛り上がるが,“Last RIde Of The Day”→“Ghost Love Score”→“The Greatest Show On Earth”と畳み掛けるラスト3曲の壮大なカタストリフィとオーディエンスの熱狂ぶりは尋常ではない。NIGHTWISHの風格と人気の高さを改めて痛感させられた。

NIGHTWISHが最後に来日したのは2016年のこと。4月に今はなきSTUDIO COASTで単独公演を行い,その公演中に「今年のLOUD PARKに出るから!」とフロールが叫び,そして10月の「LOUD PARK」ではBIGROCK STAGEのトリを務めたのだった。それからもう6年が経つ。彼らの勇姿を日本でも再び早く観たい。

【セット・リスト】
01 Music
02 Noise
03 Planet Hell
04 Tribal
05 Élan
06 Storytime
07 How's The Heart
08 Dark Chest Of Wonders
09 I Want My Tears Back
10 Nemo
11 Sleeping Sun
12 Shoemaker
13 Last Ride Of The Day
14 Ghost Love Score
15 The Greatest Show On Earth
16 Ad Astra


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