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マネジメントサービスセンターMSCの人材アセスメントコラム

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こちらのマガジンはマネジメントサービスセンター(MSC)の人材アセスメントに関するコラムになります。MSCが様々な人材アセスメントソリューションサービス、リーダーシップ開発・アセ… もっと読む
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#コンピテンシー

「静かなプロアクティブ行動」に関する研究~人の新たな可能性に光を当てる~【後編】

1.「静かなプロアクティブ行動」の内容と他要素との関連性を明らかにする今回の研究レポートの【前編】では、プロアクティブ行動の定義、今日における利活用の広がりや「静かな」プロアクティブ行動に注目する重要性について議論を進めました。【後編】では、「静かな」プロアクティブ行動の構成要素や他要素との関連性を明らかにし、これが「活発な」プロアクティブ行動とどのように関連しているか、個人の特性や成長にどのように影響するかに関する調査結果を紹介していきます。 2.2つの研究課題【前編】で

日系企業現地法人向け海外ローカルスタッフの育成・選抜ための人材アセスメント

1.海外現地(ローカル)スタッフとは海外ローカルスタッフとは、海外の事業所やプロジェクトにおいて、その国や地域の現地で採用された従業員のことを指します。海外事業の展開に際し、現地に根差した洞察力と適応能力を兼ね備えたローカルスタッフの役割は、本社から派遣された駐在員やエクスパット(海外赴任者)と協力しながら、企業の現地でのビジネスや事業などの展開をサポートします。現代におけるグローバル化の進展は、企業にとって、異文化間の橋渡しとして機能する人材の確保を一層重要な課題へと押し上

海外赴任者育成・選抜ための人材アセスメント研修~ビジネスの舞台で輝く、グローバルコンピテンシーを磨く

1.海外赴任者とは海外赴任者とは、企業や組織がグローバルな事業展開を図る中で、特定の期間、海外の拠点やプロジェクトに派遣される従業員を指します。彼らは、自国と異なる文化やビジネス環境で働き、その地域特有の市場動向やビジネス慣習を学びつつ、企業の国際戦略実行に貢献します。 海外勤務は、業務遂行だけでなく、異文化コミュニケーション能力や適応力など、人材の資質向上に絶好の機会を提供します。この経験を通じ、個人は自己成長を遂げ、企業にとっての価値も増大します。故に、海外赴任者の選抜

【管理職昇進・昇格試験】人材アセスメント~インバスケット演習とは?

1.人材アセスメントとは人材アセスメントとは、企業における人事評価や昇進・昇格の決定過程で、管理職を含む従業員の能力や適性を測定し、適切な人材配置を行うために不可欠です。人事担当者は、人材アセスメントを通じて、従業員の潜在能力を発掘し、その能力を最大限に活かすための環境を整えることが求められます。 人材アセスメントの実施過程では、従業員一人ひとりの業務遂行能力、コミュニケーションスキル、リーダーシップの資質など、多岐にわたる側面が評価されます。この評価は、客観的かつ公正な基

リーダーに求められる信頼と成果を築くための鍵とは

リーダーとして重要なのは、共感を持って相手の話を聴き、反応することです。これは、相手が自分が実際に聴いていると感じさせることにあります。 共感を持って聴き、反応することは、信頼関係の構築だけではなく、仕事の全体のパフォーマンスにも大きく関わっています。私たちの「ハイレゾリューション・リーダーシップ」研究では、対人スキルと仕事のパフォーマンスの間に関連性があることが示されています。 特に、対人スキルと職務パフォーマンスの領域との間には、より強い連関がありました。さらに、リー

オンライン面接の効果的な実施方法とは

1.オンライン面接と対談での面接との真の違いは何かオンライン面接は、求職者にとって、今や一般的なものとなっています。さらに、オンライン面接は、従来の対面での面接に伴うストレスやコストを削減するため、最近では最良の面接方法であると言及している人も多くいます。 しかし、オンライン面接がこれほどまでに普及したことで、組織や採用担当者は、オンライン面接を適切に実施することにプレッシャーを感じているという問題が浮上しています。 多くの人事担当者は、オンライン面接の効果的な実施方法と

アクセラレーション・プール(Acceleration Pool)|AP方式による次世代リーダーの発掘と集中的育成~後継者計画(サクセッションプラン)の第1歩へ

1.概要MSCのパートナー企業DDIが世界各地の中規模企業と大規模企業に行った調査によると、圧倒的多数が、部長クラス以上のポジションの70~80%を社内の候補者でまかないたいと考えています。 但し、現実には、なかなかそれが上手くいっていない企業は多いようです(Bernthal, Rioux & wellins,1999)。 ここ数年間、企業はダウンサイジングに努めてきたため、経営幹部の予備軍である中級管理職は社内にほとんど残っていません。 そしてさらに問題なのは、その残

経営幹部向け人材アセスメント~おすすめコンビテンシー一覧

1970年の創設以来、DDIは、あらゆる組織階層にいる人々がもっている知識 と行動とモチベーションを最も的確に説明できるコンピテンシーの一覧表を作成すべく、膨大な調査研究を続けてきています。DDIは、これを「DDIコンピテンシーー覧」と呼んでいます。 DDIは、DDI独自の独自の「コンピテンシー一覧」に大いに誇りをもっています。まず、何千にも上る組織で働く延べ数十万の人々が調査研究の対象になっているという例はほかにありません。また、コンピテンシー間にそれぞれの範囲に入る行動

日本の人事制度の歴史を振り返る~第4 回:バブル崩壊~成果主義~アンチ成果主義

今回は、バブル崩壊から現在に至るまでの人事制度について、ご紹介します。 1.バブル経済の崩壊バブル景気は、1990年頃を境に下降局面に入り、1993年になると崩壊の様相を 呈してきました。全国的に地価の下落が明確となり、有効求人倍率や新卒の求人倍率が大 きく低下しました。企業の業績悪化により学生の内定取り消しも相次ぎました。 1997年には、不良債権問題や株価低迷によって大手金融機関が次々と破綻に追い込 まれるという、前代未聞の事態が起こりました。景気は極端に悪化し、リス

人事マネジメントの過去、現在、未来 ~日本の人事コンサルタントの草分け

梅島みよ氏は、日本の人事コンサルタントの草分け的存在として戦後の日本企業の人材開発を常にリードし、米国の科学的アセスメント技法を日本に初めて導入し、普及させた女性経営者です。90代にして今なお現役で、株式会社マネジメント サービス センターの相談役として活躍される一方で、講演、執筆活動も行っています。本セッションでは、その梅島氏に、日本の人事マネジメントの過去と現在、そして、未来の人事マネジメントのあり方についてお話しいただきました。 1.戦後、米軍で管理者訓練トレーナーに

人材アセスメント研修用語集(MSC/DDI)

1.人材アセスメント「ヒューマン・アセスメント(HA)-人材評価」用語の由来今日では人材アセスメント(ヒューマン・アセスメント)の名称は、現代語辞典に収録されるほど人びとに広く知られている。創始者のブレイ博士は、アセスメント・センター・メソッドと呼んでいたが、日本に導入・紹介する際に、内容をより理解しやすくするため、MSCでは人材アセスメント(人材評価)をヒューマン・アセスメント(HA)と呼ぶことにした。 当時アセスメントといえば、テクノロジー・アセスメントが新聞紙上をにぎ

フィードバック文化を醸成する方法

1.リーダーシップ行動に基づく測定可能な方法とは~効果的なフィードバック文化を醸成するにはどうすればよいでしょうか? また、どのようにリーダーシップ開発のROI(投資利益率)を測定することができるでしょうか? 職場におけるフィードバック文化の醸成に関する話題をよく耳にしますが、それには理由があります。フィードバックを求める人が多いということだけでなく、人は仕事で成功し、昇進していくためにはフィードバックが必要だからです。 フィードバック文化の醸成の仕方やその秘訣に関する下

採用プロセスにおける暗黙のバイアスを克服する方法

採用は、限られた情報に基づいて人を素早く判断する、非常に主観的なプロセスです。しかし、採用時に発生する暗黙のバイアスは軽減させることができます。このコラムでは、採用プロセスにおける暗黙のバイアスを克服する方法と、それを減らすことにより得られるメリットをご紹介します。 1.採用時の暗黙のバイアスとは暗黙の、あるいは無意識のバイアスは、脳が人や状況を素早く判断したり評価したりするときに起こります。そして、良い意味でも悪い意味でも、私たちの態度や行動に、日々影響を与えています。人

リーダーにアセスメントを行う理由とは

「リーダーにアセスメントを行うことには、どのような理由があるのでしょうか?」 これは、私たちがよく受ける質問です。多くの企業において、重要な意思決定をする際、データを基に行っているはずです。それなのに、なぜリーダーに関しては同じことを行わないのでしょうか? リーダーを選抜し育成を行っていく際、その根拠となるデータを使用せずに進めることは、人材投資において多額の損失を被るリスクがあります。しかし、多くの企業は、リーダーの選抜や育成のプロセスで、データを使用することを考えてい