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マネジメントサービスセンターMSCの人材アセスメントコラム

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こちらのマガジンはマネジメントサービスセンター(MSC)の人材アセスメントに関するコラムになります。MSCが様々な人材アセスメントソリューションサービス、リーダーシップ開発・アセ… もっと読む
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#コラム

昇進昇格試験の人材アセスメント有用性とは~人材のポテンシャルを解き明かす、人事評価は鍵

1.昇進昇格試験とは昇進昇格試験とは、企業における重要な評価プロセスであり、従業員の能力、実績、及び将来性を総合的に判断するための手段とされています。昇進昇格試験を通じて、組織は適任者を適切なポジションに配置し、組織の継続的な成長と発展を促すことが可能となります。従業員にとっては、自らのスキルと成果を証明し、キャリアアップの機会を掴むための重要なステップです。 🔶昇格試験の方法 昇進昇格試験では、従業員がこれまでに蓄積した経験と知識を評価すると同時に、業務遂行能力だけでな

苦戦する経営幹部と結果を出す経営幹部の間で差を生む秘密のスキルとは

脆弱性を受け入れることは、強力なリーダーシップの特質であり、信頼と共感を構築する上で重要な役割を果たします。脆弱性を示すことで、幹部は自らの弱点や誤りを認め、チームの前でこれらを共有することによって、オープンで誠実なコミュニケーションの文化を醸成します。 これは、チームメンバーが自信を持って意見やアイデアを表現し、創造的な解決策を提案する環境を作り出します。また、脆弱性を認めることは、幹部自身の自己認識と成長にも寄与し、逆境や挑戦に対してより柔軟かつ適応力のあるアプローチを

オンライン・ファシリテーション・スキルを高める方法12選

多くの人材育成担当者にとって、対面型研修形式のファシリテーターとして優秀であることは、以前からスキルセットの1つです。しかし現実には、オンライン研修はアプローチに調整が必要となります。以下に挙げたものは、オンライン・ファシリテーションの成功に向けた10つのヒントとして定評のあるものです。 1.不測の事態に備える誰しも、研修実施中に何らかの不測の事態に陥る事など考えたくないものですが、オンライン配信時はそれらに備えたプランの準備が大切です。インターネットがダウンしたり、電話の

AIによるリーダーシップ・アセスメントは信頼できるか?

1.AIを活用したリーダーシップ・アセスメントのメリットとリスクとのバランス2022年11月にOpenAI社がChatGPTをリリースして以来、大規模な人工知能(AI)チャットボットが続々と登場し、AIが私たちの生活のあらゆる面に浸透しつつあります。人材開発業界では、AIを駆使したリーダーシップ・アセスメントを信頼できるかどうかが、注目の話題となっています。 アセスメントにAIを活用することに対する疑問は、新しいものではありません。新しいAIチャットボットのリリースが注目

リーダーシップ能力開発を個人に委ねる危険性

リーダーの能力開発を加速させるためには、リーダー自身の自己学習だけでなく、メンターシップやピアラーニングなどの教育要素を自社のリーダーシップ研修プログラムに組み込む必要があります。 あなたの会社では、リーダー育成の一環として自己管理型のリーダーシップ研修を実施したことがありますか?多くの場合、答えは「はい」でしょう。それは、自己管理型学習がリーダーシップ開発手法の一部であるべきだからです。 しかし、それはすべてのリーダーシップ研修が自己管理型であるべきだというわけではあり

人材アセスメント~ヒューマン・アセスメント(HA)実施の多様化の現状

ヒューマン・アセスメント(HA)技法の活用が多くの企業に拡大していくとともに、多様化への期待と現在当面する問題点がより一層明確になってきました。 ヒューマン・アセスメント(HA)はこれまでマネジメント・アセスメントが実施例として最も多かったですが、人的資源の活用を考えるとき、それにとどまってはいられなくなってきました。ここでは多様化の傾向の一つとして、やや異なった事例を紹介し、今後の拡がりについて予測してみたいです。 1.適材適所と適所適材人的資源の活用について、これまで

オンライン面接の効果的な実施方法とは

1.オンライン面接と対談での面接との真の違いは何かオンライン面接は、求職者にとって、今や一般的なものとなっています。さらに、オンライン面接は、従来の対面での面接に伴うストレスやコストを削減するため、最近では最良の面接方法であると言及している人も多くいます。 しかし、オンライン面接がこれほどまでに普及したことで、組織や採用担当者は、オンライン面接を適切に実施することにプレッシャーを感じているという問題が浮上しています。 多くの人事担当者は、オンライン面接の効果的な実施方法と

アクセラレーション・プール(Acceleration Pool)|AP方式による次世代リーダーの発掘と集中的育成~後継者計画(サクセッションプラン)の第1歩へ

1.概要MSCのパートナー企業DDIが世界各地の中規模企業と大規模企業に行った調査によると、圧倒的多数が、部長クラス以上のポジションの70~80%を社内の候補者でまかないたいと考えています。 但し、現実には、なかなかそれが上手くいっていない企業は多いようです(Bernthal, Rioux & wellins,1999)。 ここ数年間、企業はダウンサイジングに努めてきたため、経営幹部の予備軍である中級管理職は社内にほとんど残っていません。 そしてさらに問題なのは、その残

2023年の3つの重要なリーダーシップ・トレンド

0.ラジオから聴く2023年の3つの重要なリーダーシップ・トレンド1.2023年に予想される重要なリーダーシップのトレンドとはここ数年、組織がさまざまな危機や変化に直面する中で、リーダーの仕事はこれまで以上に難しくなっています。リーダーには、先を見通す力、決断力、そして激変の状況下で明確なビジョンをもって他者を率いる力が求められています。初級管理職であっても、より戦略的な役割を担う必要があります。同時に、リーダーには、チームメンバーのエンゲージメントを維持し、彼らのウェルビー

リーダーに極めて重要な継続的フィードバック – あまり得られていない現状

1.リーダーが継続的なフィードバックを得られるようにするためにどの階層のリーダーでも、ベストを尽くすにはフィードバックが必要です。MSC/DDIのグローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2021調査では、多くのリーダーが実際に受けているよりも多くのフィードバックを望んでいることが示されています。何がうまくいっているのか、自分は良いリーダーなのか、自分の啓発点はどこにあるのかを知り、改善につなげたいのです。そのためには年1回のフィードバックでは不十分です。しかし、リーダーがフ

経営幹部(エグゼクティブ)育成・選抜層アセスメント~次世代の経営を担うリーダーを見極め、強化する

1.経営幹部(エグゼクティブ)とは経営幹部には、社会全体や世界レベルで自社の存在価値を再定義し、向かうべき方向を明示することが求められます。ピーター・ドラッカーは、エグゼクティブ(トップマネジメント)の3つの役割として、「事業の決定、組織としての価値観の決定」「資金配分の決定」「人材配置の決定」を挙げています。 日本においても、大沢武志が、経営者・経営幹部に求められる機能として「戦略的意思決定」の重要性を掲げ、エグゼクティブ(役員)への選任基準として「責任の能力」「シナリオ

後継者育成計画人材アセスメント~多様で激変するビジネスを成功に導く後継者のサクセッションプランの作り方

1.後継者とは後継者とは「事業や地位、財産などを受け継ぐ人」の意味であり、昨今のように変化が著しく激しく、また複雑な国際化の時代において、その「受け継ぐ人」を誰にするのか、選抜が極めて重要になっています。 今日の後継者計画では特に、重要な役割につく準備のできているリーダーを安定的に供給することを目的として取り組みますが、従来通りの「後継者計画(Succession Plan)」、すなわち退職などで重要な役割に空きができると、その役割を担うことができる経営幹部を特定するプロセ

日本の人事制度の歴史を振り返る~第 5 回(最終回): 変遷をたどって見えるもの~これからあるべき人事制度とは?

本シリーズの最後に、これからの人事制度のあるべき姿、MSCとしての人事制度コンサルティングの可能性について触れたいと思います。 1.変遷をたどって見えるものこれまで4回に亘って紹介してきた日本の人事制度の歴史を纏めると次の様になります。 トータルでみると「職能=人」ベースの人事制度が大きなウェイトを占めてはいるものの、「職能=人」という概念と「職務=仕事」という概念が、お互い牽制しあうように、交互に表舞台に上がってきています。 仕事中心が行き過ぎれば、「企業の明日を担う

日本の人事制度の歴史を振り返る~第4 回:バブル崩壊~成果主義~アンチ成果主義

今回は、バブル崩壊から現在に至るまでの人事制度について、ご紹介します。 1.バブル経済の崩壊バブル景気は、1990年頃を境に下降局面に入り、1993年になると崩壊の様相を 呈してきました。全国的に地価の下落が明確となり、有効求人倍率や新卒の求人倍率が大 きく低下しました。企業の業績悪化により学生の内定取り消しも相次ぎました。 1997年には、不良債権問題や株価低迷によって大手金融機関が次々と破綻に追い込 まれるという、前代未聞の事態が起こりました。景気は極端に悪化し、リス