マガジンのカバー画像

マネジメントサービスセンターMSCの人材アセスメントコラム

103
こちらのマガジンはマネジメントサービスセンター(MSC)の人材アセスメントに関するコラムになります。MSCが様々な人材アセスメントソリューションサービス、リーダーシップ開発・アセ… もっと読む
運営しているクリエイター

#リーダー育成

「静かなプロアクティブ行動」に関する研究~人の新たな可能性に光を当てる~【後編】

1.「静かなプロアクティブ行動」の内容と他要素との関連性を明らかにする今回の研究レポートの【前編】では、プロアクティブ行動の定義、今日における利活用の広がりや「静かな」プロアクティブ行動に注目する重要性について議論を進めました。【後編】では、「静かな」プロアクティブ行動の構成要素や他要素との関連性を明らかにし、これが「活発な」プロアクティブ行動とどのように関連しているか、個人の特性や成長にどのように影響するかに関する調査結果を紹介していきます。 2.2つの研究課題【前編】で

第3回 リーダーの質に対する評価の低下と燃え尽きについて

本連載では、世界的な規模で展開された調査、「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト(GLF)」により導き出されたリーダーシップに関する未来予測の中から、特に重要な所見を取り上げて紹介する。 これは、株式会社マネジメントサービスセンター(MSC)と米国DDI社との協力で実施した大規模なリーダーシップ調査であり、世界50カ国以上、13,695名のリーダーと1,827名の人事担当者の回答を検証したものである。日本からは、2,158名のリーダーと161名の人事担当者が参加してい

リーダーを定着させるための7つのベストプラクティス

1.離職率の変動は組織への警鐘組織が成長していくうえで、従業員の退職はよくあることです。しかし、離職率、特にリーダーの離職率の高さは、チームや生産性に大きな混乱をもたらす可能性があります。MSC/DDIの「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2023」によると、54%の組織が、2022年に離職率の上昇を経験しています。離職率の変動は組織への警鐘となっており、離職率とその悪影響を最小限に抑えるためのリテンション戦略の重要性が強調されています。問題は、多くの人事担当者やリー

2023年のリーダーシップに関する閲覧数トップ記事

1.2023年の閲覧数トップ10昨年を振り返り、2023年に弊社が掲載したリーダーシップに関するコラムの中で、閲覧数の多かった上位10の記事をご紹介します。 ①2023年の3つの重要なリーダーシップ・トレンド 組織がさまざまな危機や変化に直面する中で、リーダーの仕事はこれまで以上に難しくなっています。リーダーには、先を見通す力、決断力、激変の状況下で明確なビジョンをもって他者を率いる力が求められています。同時に、チームメンバーのエンゲージメントやウェルビーイングにも配慮し

学習と能力開発の違いとは?

1.学習しているにもかかわらず、なぜ、成長していないのか?人事担当者は、リーダーシップ開発プログラムの投資対効果を立証しなければならないというプレッシャーを受けていることがよくあります。リーダーの貴重な時間を使い、限られた予算の中で、プログラムから最大限の効果を得るにはどうしたらよいでしょうか?一つの方法は、学習と能力開発の違いに着目することです。しかし、学習と能力開発の違いとは何でしょうか?その違いはどのように現れるのでしょうか? 学習とは新しい知識を得ることで、能力開発

タレントマネジメントための人材アセスメント~戦略人事が導く、経営人材・次世代リーダーの発掘

1.タレントマネジメントとはタレントマネジメントとは、組織内の個々の従業員の能力や才能、潜在力を最大限に引き出し、育成し、適切に配置して組織の目標達成に貢献するための戦略的なプロセスです。このアプローチは、従業員一人ひとりのキャリアパスを計画し、個人の成長と組織のニーズを結びつけることを目指しています。 タレントマネジメントは、企業や組織が持続可能な成長と競争力を保つ上で欠かせない取り組みです。企業が直面する様々な課題や変化に柔軟に対応するためには、従業員の才能を深く理解し

EQ(心の知能指数)を活用したリーダーシップが、いかにエンゲージメントを高めるか

1.EQ(心の知能指数)を活用してリーダーシップを発揮することの重要性気持ちが高ぶると、リーダーはチームに対し、感情を横において目の前の仕事に集中してほしいと思うことがあるかもしれません。しかし、感情のない職場を作ろうとしても、決して解決にはなりません。感情知性(心の知能指数=EQ)を活用してリーダーシップを発揮することが、短期的にも長期的にも良い結果をもたらします。 リーダーが冷淡であるかどうかが問題なのではありません。むしろ、リーダー自身はプレッシャーを感じており、自ら

2024年注目のリーダーシップ関連4つのトレンドとは

2024年の研究を進めるにつれて、組織がリーダーに対する本格的な人的資本投資を行い、4つの主要トレンドに対処しない限り、信頼度の数値が低下することが予想されます。 さて、2024年に注目されるリーダーシップ関連4つの主要トレンドに踏まえて、来年のリーダーシップ開発を向上させるための行動方法について学びましょう。 1.リーダーシップ関連4つのトレンド🔶生成型AI 🔶ハイブリッドワークとオフィスへの復帰 🔶ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン (DEI) 🔶政治

優れたコーチと不適切なコーチ:上司によるコーチングは実際に効果的か?

MSC/DDIの「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2023」調査によれば、能力開発の手法として、上司によるコーチングに対する企業の関心は薄れてきている可能性があります。 1.上司のコーチングにまつわる話題2021年の調査に比べて、上司からのコーチングを能力開発の手段として望むリーダーは大幅に減少しました。そして、コーチングに関する評価はさらに厳しいものとなっています。望ましい能力開発手法をリーダーに尋ねたところ、最も望まない方法として上司からのコーチングが挙げられ

経営幹部がバルネラビリティによるリーダーシップを実践しなければならない理由

1.なぜ、バルネラビリティによるリーダーシップが必要なのか?私のお客様である自動車部品製造会社では、バルネラビリティ(感情的な弱さを見せること)によるリーダーシップという組織文化はありませんでした。私がコーチングを行った経営幹部の間では、感情の繊細さにあまり価値を置いていませんでした。しかし、彼らが不快な人だったというわけではありません。 むしろ、彼らは自身の責任の重みを強く感じていました。自分たちが最良の方法でチームをサポートするには、すべての答えをもちあわせている必要が

上級管理職がプレッシャーを感じる4つの要因とは

リーダーが上級管理職へ移行する際には、彼らが直面する可能性のある4つの主なプレッシャーがあります。これらのプレッシャーをどのように扱うかが、キャリアアップの過程での彼らの成功や失敗を左右することになるでしょう。 1.ビジネスをリードする上級管理職は、企業の戦略を実行する責任があります。これには高度な意思決定が求められ、リスクを伴います。初級・中級管理職における戦術的視点から脱却し、戦略的リーダーシップに対する幅広い視野をもつことが重要です。長期的な視野をもつ思考へシフトでき

リモートカルチャーを支えるリーダーシップの6つの変化

1.リーダーは健全なリモートワーク文化を育むリモートでの作業やチームの分散が新常態となる中で、企業はリモートワークの文化を見直す必要があります。貴社がこの数年でリモート化を進めた場合、良くも悪くも、以前とは異なる文化になっていることはほぼ間違いありません。 そして、リモートワークの文化を理解せずに、どうやって従業員エンゲージメント、関与度、そしてリテンション(定着率)を最大化することを期待できるでしょうか? リモートワークを推進する声が、リモートワーク文化の難しさに直面し

リーダーに求められる信頼と成果を築くための鍵とは

リーダーとして重要なのは、共感を持って相手の話を聴き、反応することです。これは、相手が自分が実際に聴いていると感じさせることにあります。 共感を持って聴き、反応することは、信頼関係の構築だけではなく、仕事の全体のパフォーマンスにも大きく関わっています。私たちの「ハイレゾリューション・リーダーシップ」研究では、対人スキルと仕事のパフォーマンスの間に関連性があることが示されています。 特に、対人スキルと職務パフォーマンスの領域との間には、より強い連関がありました。さらに、リー

将来のリーダーに必要な5つの重要スキルとは

以下のトップ・リーダーシップ・スキルは、将来のリーダーが成功するために欠かせないものであり、組織やプロジェクトの成果を大きく左右します。常に進化し続けるビジネス環境の中で、これらのスキルを磨き続けることが、リーダーとしての成長と成功への鍵となるでしょう。 1.未来の才能未来の才能には、技術的適応性、創造性と革新性、感情知能(EQ)、持続可能性への理解と責任、そして生涯学習の姿勢が不可欠です。これらの才能は、新しい技術への迅速な学習と適応、伝統的な思考枠を超えた新しい問題解決