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マネジメントサービスセンターMSCの人材アセスメントコラム

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こちらのマガジンはマネジメントサービスセンター(MSC)の人材アセスメントに関するコラムになります。MSCが様々な人材アセスメントソリューションサービス、リーダーシップ開発・アセ… もっと読む
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#人材

「静かなプロアクティブ行動」に関する研究~人の新たな可能性に光を当てる~【後編】

1.「静かなプロアクティブ行動」の内容と他要素との関連性を明らかにする今回の研究レポートの【前編】では、プロアクティブ行動の定義、今日における利活用の広がりや「静かな」プロアクティブ行動に注目する重要性について議論を進めました。【後編】では、「静かな」プロアクティブ行動の構成要素や他要素との関連性を明らかにし、これが「活発な」プロアクティブ行動とどのように関連しているか、個人の特性や成長にどのように影響するかに関する調査結果を紹介していきます。 2.2つの研究課題【前編】で

「静かなプロアクティブ行動」に関する研究~人の新たな可能性に光を当てる~【前編】

1.【研究レポート】 「静かなプロアクティブ行動」に関する研究小社では、タレントアセスメントやデベロップメントを中心としたリサーチ活動を行っています。今回の研究レポートでは、「静かなプロアクティブ行動」に着目して実施した調査・研究結果を【前編】・【後編】の2回にわたり紹介します。 2.変化に柔軟に対応し、前向きに活動する=プロアクティブ行動への注目近年、企業や組織は複雑かつ不確実な環境下において、変化に対処することが求められています。同時に、そこで働く人々も変化に対応しなが

日系企業現地法人向け海外ローカルスタッフの育成・選抜ための人材アセスメント

1.海外現地(ローカル)スタッフとは海外ローカルスタッフとは、海外の事業所やプロジェクトにおいて、その国や地域の現地で採用された従業員のことを指します。海外事業の展開に際し、現地に根差した洞察力と適応能力を兼ね備えたローカルスタッフの役割は、本社から派遣された駐在員やエクスパット(海外赴任者)と協力しながら、企業の現地でのビジネスや事業などの展開をサポートします。現代におけるグローバル化の進展は、企業にとって、異文化間の橋渡しとして機能する人材の確保を一層重要な課題へと押し上

リーダーを定着させるための7つのベストプラクティス

1.離職率の変動は組織への警鐘組織が成長していくうえで、従業員の退職はよくあることです。しかし、離職率、特にリーダーの離職率の高さは、チームや生産性に大きな混乱をもたらす可能性があります。MSC/DDIの「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2023」によると、54%の組織が、2022年に離職率の上昇を経験しています。離職率の変動は組織への警鐘となっており、離職率とその悪影響を最小限に抑えるためのリテンション戦略の重要性が強調されています。問題は、多くの人事担当者やリー

海外赴任者育成・選抜ための人材アセスメント研修~ビジネスの舞台で輝く、グローバルコンピテンシーを磨く

1.海外赴任者とは海外赴任者とは、企業や組織がグローバルな事業展開を図る中で、特定の期間、海外の拠点やプロジェクトに派遣される従業員を指します。彼らは、自国と異なる文化やビジネス環境で働き、その地域特有の市場動向やビジネス慣習を学びつつ、企業の国際戦略実行に貢献します。 海外勤務は、業務遂行だけでなく、異文化コミュニケーション能力や適応力など、人材の資質向上に絶好の機会を提供します。この経験を通じ、個人は自己成長を遂げ、企業にとっての価値も増大します。故に、海外赴任者の選抜

2023年のリーダーシップに関する閲覧数トップ記事

1.2023年の閲覧数トップ10昨年を振り返り、2023年に弊社が掲載したリーダーシップに関するコラムの中で、閲覧数の多かった上位10の記事をご紹介します。 ①2023年の3つの重要なリーダーシップ・トレンド 組織がさまざまな危機や変化に直面する中で、リーダーの仕事はこれまで以上に難しくなっています。リーダーには、先を見通す力、決断力、激変の状況下で明確なビジョンをもって他者を率いる力が求められています。同時に、チームメンバーのエンゲージメントやウェルビーイングにも配慮し

タレントマネジメントための人材アセスメント~戦略人事が導く、経営人材・次世代リーダーの発掘

1.タレントマネジメントとはタレントマネジメントとは、組織内の個々の従業員の能力や才能、潜在力を最大限に引き出し、育成し、適切に配置して組織の目標達成に貢献するための戦略的なプロセスです。このアプローチは、従業員一人ひとりのキャリアパスを計画し、個人の成長と組織のニーズを結びつけることを目指しています。 タレントマネジメントは、企業や組織が持続可能な成長と競争力を保つ上で欠かせない取り組みです。企業が直面する様々な課題や変化に柔軟に対応するためには、従業員の才能を深く理解し

グローバル企業向け多言語(英語・日本語・中国語・タイ語・フランス語、​ドイツ語・スペイン語・ロシア語)階層別人材アセスメント~グローバルコンピテンシーで人事評価の不公平をなくす

1.グローバル企業とはグローバル企業とは、国境を越えて事業を展開し、世界各地に影響力を及ぼす企業のことを指します。これら企業は、単一の国内市場に留まることなく、多国籍に製品やサービスを提供し、国際的なビジネスネットワークを築いています。グローバル企業の特徴は、その運営が国際的に広がりを持ち、多文化的な労働力を活用し、世界中の消費者や企業と関係を築く点にあります。 グローバル企業は、地球規模の経済活動を通じて世界経済において重要な役割を担っています。これらの企業は、異なる国々

リーダーがコミュニケーションを改善するための5つの方法とは

🙋‍♀️リーダーが持つ主要な原則とはリーダーが主要な原則(尊重・共感・共有・関与・サポート)を用いることで、従業員が自己の可能性を最大限に引き出し、成長するための心理的安全かつ協力的な、尊敬と信頼に満ちた職場環境を築きます。 効果的な職場でのコミュニケーションを実現し、ポジティブな企業文化を育むためには、リーダーが次の点に留意することが重要です。 1.対話中の自尊心を守り、高める2.共感を持って傾聴し、適切に対応する3.助言を求め、参加を促す4.考えや感情を共有し、信頼を

経営幹部がバルネラビリティによるリーダーシップを実践しなければならない理由

1.なぜ、バルネラビリティによるリーダーシップが必要なのか?私のお客様である自動車部品製造会社では、バルネラビリティ(感情的な弱さを見せること)によるリーダーシップという組織文化はありませんでした。私がコーチングを行った経営幹部の間では、感情の繊細さにあまり価値を置いていませんでした。しかし、彼らが不快な人だったというわけではありません。 むしろ、彼らは自身の責任の重みを強く感じていました。自分たちが最良の方法でチームをサポートするには、すべての答えをもちあわせている必要が

これからのリーダーに必要な5つのスキル(動画付きバージョン)

1.「将来人材の育成」「意思決定」を中心とした、重要課題に必要なスキルトレーニングを受けているリーダーは少ないリーダーは、不確実性や複雑性の高いビジネス環境で成果を上げるために、上記5つのスキルの開発が重要であると回答しています(日本48~60%)。しかし、日本で実際にスキルトレーニングを実行した割合は10~21%と低い値にとどまっています。 この結果は、グローバルでは、重要度61~70%、実行割合24~30%と、いずれも日本より高く、実行割合はその差が顕著となっています。

AIによるリーダーシップ・アセスメントは信頼できるか?

1.AIを活用したリーダーシップ・アセスメントのメリットとリスクとのバランス2022年11月にOpenAI社がChatGPTをリリースして以来、大規模な人工知能(AI)チャットボットが続々と登場し、AIが私たちの生活のあらゆる面に浸透しつつあります。人材開発業界では、AIを駆使したリーダーシップ・アセスメントを信頼できるかどうかが、注目の話題となっています。 アセスメントにAIを活用することに対する疑問は、新しいものではありません。新しいAIチャットボットのリリースが注目

過渡期にある日本企業の人事~昇進昇格の基準は、今のビジネスで成果を出せる人材なのか?

1.昇進昇格の基準とは昇進昇格の基準は、企業や組織により異なりますが、一般的なものとして、社員の能力、職務の遂行能力、職務への意欲や協調性、自主性やコミュニケーション能力など、その社員が持つ資質や努力の程度を基準に決定されます。 また、会社の状況や実績、将来的な業績を考慮して、業務能力や経験などを重視した基準も設けられることもあります。さらに、社員への感謝の気持ちを込めて、会社内の評価や評判、先輩からの紹介なども考慮されることもあります。例えば、社員に対して特別な賞が贈られ

経営幹部(エグゼクティブ)育成・選抜層アセスメント~次世代の経営を担うリーダーを見極め、強化する

1.経営幹部(エグゼクティブ)とは経営幹部には、社会全体や世界レベルで自社の存在価値を再定義し、向かうべき方向を明示することが求められます。ピーター・ドラッカーは、エグゼクティブ(トップマネジメント)の3つの役割として、「事業の決定、組織としての価値観の決定」「資金配分の決定」「人材配置の決定」を挙げています。 日本においても、大沢武志が、経営者・経営幹部に求められる機能として「戦略的意思決定」の重要性を掲げ、エグゼクティブ(役員)への選任基準として「責任の能力」「シナリオ