立ちこめるにおいは、足元に広がる赤色がトマトケチャップやハバネロソースなんかではないことを告げていた。
死体だ。俺の足元には死体がある。
そして、右手。
俺が握っているこの黒いものは拳銃だ。ずっしりとした重み。本物だろう。
……これは、どういうことだ?
俺には前後の記憶がない。

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