共感コミュニティ通貨eumo から考える "GIFT"とは

「最適化社会」の進展に相まって、payfoword 型の価値移転が社会に浸透している。
その一つの具現化として、クラウドファンディングがあり、社会システムの一部として機能している。
ただし、クラウドファンディングにも一定の見返りが組み込まれている仕組みもあり、その場合は等価ではないかもしれないが、価値交換の変形とも言える。
純粋な寄付行為にしてもレピュテーションの向上といった効果を期待しているところがあり(自分自身、会社で起案書にそういった効果を経済価値に置き換えたデータを入れたりしていた)、これも価値交換の変形と言える。
このようなアプローチで考えると何らかの対価を期待する"GIFT"はpayfoword型とはやや異なる概念のように思える。
これは価値を受け取る側にも言えるわけで、必要なものを要求する形はpayfoword型とは異なる概念になるのではないだろうか。
ある活動を知らしめ、それに対しての支援をしたいという自発的なアクションとしての価値提供(例えば資金提供や労務提供など)が"GIFT"となるのではないだろうか。
「外発的」ではなく「内発的」な"GIFT"はどうすれば促進されていくのであろうか。
eumoにその可能性の一つがある。
共感コミュニティ通貨eumoは、支払取引にあたり"GIFT"の機能(正価とは別にeumoを提供する機能)が標準装備されているが、"GIFT"が強要されているわけでもなく、プロダクトやサービスを提供する側(eumo加盟店)が求めるわけでもない、あくまで支払側の自発的な行為になっているところがpayfoword型となっているところが、一般的なクラウドファンディングや寄付募集行為と異なっていると整理できる。
ポスト資本主義の進展は、等価交換から非等価交換へ、さらにはpayfowordへの転換とも言えるが、eumoの仕組みはこれを支える基盤となるのではないだろうか。
またeumoの期限付きの通貨という特性も、蓄積のインセンティブを有する現在の法定通貨と異なり、価値移転を促進するという意味でpayfowordしやすい要因になる。
現在主流となっている金融資本主義は、エッセンシャルワークの価値を相対的に低下させる結果を導いており(お金がお金を生み出すワークに価値が集中して貧富の差を増大)、payfoword はロジックに合わない行為となるが、社会的便益の向上にはpayfowordのほうが効果的である。
「自発的な"GIFT"」が、ポスト資本主義としての共感資本社会のキーワードになる。

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