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違法の冷蔵庫

「違法の冷蔵庫」というお題を見て、妙だなと思う。
なぜ、形容動詞ではないのだ。
「違法な冷蔵庫」であればすぐに物語を考えられるのに、不快の修飾語が気になってしかたない。
カードを無作為に選べば、当然、おかしな日本語はうまれるだろう。だが、それでよしと判断したのは事務局だ。なぜ、こんなびしょ濡れの靴下を履いたまま畳を歩くようなタイトルを選んだのだ。違法と冷蔵庫の組合せが面白そうだから些細な文法の間違いには目をつぶったのか。いや、それはあまりに軽薄。コンテストを開催する者の思考ではない。
応募要項を慎重に読み返す。このタイトルには何か裏があるはずなのだ。
『もちろん、題名の解釈は自由です』
ハッとする。わざわざこんな但し書きを入れる意図は……、そうか、分かったぞ、題名を正しく選択せよと暗にいっているのだ。
よって「違法の冷蔵庫」はNGタイトル。それに気付かず小説を書いた者は選考資格を失うのだ。
つまり、このお題は事務局の罠だ!

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