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【F1 Rd.14 ベルギーGP🇧🇪決勝ハイライト🏎💨】

優勝を飾ったのはルイス・ハミルトン🇬🇧(メルセデス)。トップチェッカーを受けたのはチームメイトのジョージ・ラッセル🇬🇧(メルセデス)でしたが、レース後の車検でマシンの最低重量を1.5kg下回る違反が見つかりラッセルが失格。それに伴い全車の順位が一つずつ繰り上がり、2番手でチェッカーを受けたハミルトンが優勝となりました。色々複雑な心境の結果とはなりましたが、ハミルトン自身は非常に力強いペースで優勝に相応しい走りを披露してくれました。これでイギリスGPの優勝、ハンガリーGPの3位に続く3戦連続の表彰台。前半戦を気持ちよく締めくくることが出来たと思います。

レースはPPスタートのルクレール🇲🇨がホールショットを奪う一方で久々のフロントロースタートとなったペレス🇲🇽(レッドブル)が3番手からスタートするハミルトンを抑えに向かいますが間に合わず、オー・ルージュ(ターン2)まで争いますがハミルトンが先行します。

その頃後方では年間基数を超えるPUエレメント交換に伴うグリッド降格ペナルティで予選トップタイムを出しつつも11番手スタートとなったフェルスタッペンが1周目を終える頃には8番手へジャンプアップ。動きが早いですね。

スタートでペレスを交わし2番手へ浮上したハミルトン、今度は3周目ルクレールをケメル・ストレートで捉えレ・コーム(ターン5)でトップに浮上します。ロケットのような速さです。

10周前後になると続々と各車ピットへ。ミディアムタイヤスタートがほとんどでしたがその多くはハードタイヤへと履き替えてレースへ戻っていきます。

タイヤを変えてから飛ぶように速かったのはピアストリ。11周目でピットに入ると13周目にはラッセル、14周目にはペレスをレ・コーム(ターン5)で抜き去ります。ケメルストレートでの伸びがとにかく凄かったですね。

一方のトップ争いはハミルトンがリードし、それを追いかけるルクレールという構図。25周目にアンダーカットを狙ってルクレールが2度目のピットへ向かうと、それに反応してトップのハミルトンも翌周すぐさまピットへ向かいます。2台のギャップは元々2.4秒、非常に緊張感のある戦略の読み合いです。

30周目にピアストリも2度目のピットへ向かいますが、止まりきれずピットボックスで大きくオーバーラン。トップ2台を追う状況ですが大きく時間を失ってしまいます。

このピアストリのピットでラッセルがトップへ浮上。各車2ストップでレースを進めてましたので、誰もがラッセルももう1度ピットがあると思っていました。しかし、これが後にドラマを生みます。

レースは終盤に差し掛かってコース上での戦いが再び激化します。36周目にはレ・コーム(ターン5)でピアストリがルクレールを抜いて3番手へ浮上。ここからさらにメルセデスを追いかけます。

38周目、残り7周。1ストップのラッセルに対しハミルトンが2.1秒まで迫ってきます。ラッセル、2度目のピットに向かわず1ストップで最後まで走りきる作戦で戦います。ハミルトンの後ろではピアストリも徐々に近づいてきます。非常に面白い展開となってきました。

そして41周目、ついにハミルトンはラッセルの背中を捉えます。

最後までチームメイト同士での激しい攻防が繰り広げられましたが、最後はラッセルが守り抜いてトップで44周を走り抜きました。ピアストリもハミルトンの真後ろに追いついてトップ3台が1.1秒で続く非常に見応えのあるクローズバトルとなりました。

ラッセルは10周でスタートのミディアムからハードに履き替え、そこからフィニッシュまで34周を走り抜く見事なタイヤマネジメントを披露。終盤のラップタイムはもちろんハミルトンには劣りますが、それでもケメル・ストレートでの防御は非常に見事なものでした。

しかしレースが終わってから約2時間半後、ラッセルの失格処分が発表されました。冒頭で述べたとおり、マシンの最低重量違反です。

今回足りていなかったのは1.5kg、考えられるのはタイヤです。34周走り切ったハードタイヤは他の誰よりも表面のゴムが剥がれ落ちたと思います。本来であればフィニッシュを迎えるとスタンドのファンに手を振りながらコース上に飛散するタイヤカスを入念に拾ってパルクフェルメに戻ってきます。しかしこのスパでは1周が7キロに及ぶためウィニングランをしていると時間がかかることからフィニッシュすると耐久レースのようにラ・ソース(ターン1)からピットレーンを逆走するような形でパルクフェルメに向かいます。つまりスパではタイヤカスを拾うタイミングが全くないわけです。改めて、F1がどれだけギリギリの世界で戦っているのかを痛感しますし、ストラテジストはそういった重量の変化も加味して作戦を組み立てなくてはいけないということがよく分かる結果となりました。

非常に残念な結果には終わりましたが、ラッセルが終盤で見せてくれた力強いディフェンスは間違いなく本物です。メルセデスのエースは俺だ!と言わんばかりの走りでした。来季はハミルトンがメルセデスを去るため名実ともにエースドライバーとなります。ラッセルにはその準備が出来ている、それを感じる走りではなかったでしょうか。

角田裕毅🇯🇵(RB)は年間基数を超えてPUエレメントを全交換認めトータルで60グリッド降格のペナルティとなり、レースは20番グリッドからスタート。ラッセルと同じくミディアムからハードの1ストップでレースを戦い最終的には16位(フィニッシュは17番手)で終えました。なんとか1ストップで浮上を狙いましたが、逆にコース上で戦えなかったのか難しいレースになりました。

レースを終えて全体の順位はこちら(ラッセルの失格決定前)。

ラッセルの失格により11番手フィニッシュのリカルド🇦🇺(RB)までがポイントフィニッシュとなります。フェルスタッペンは最終的に11番手スタートから5番手フィニッシュ(4位)、一方で久々のフロントロースタートだったペレス🇲🇽(レッドブル)は8番手フィニッシュ(7位)、今後の契約が危ぶまれる結果となってしまいました。

このレースを終えてのランキングはこちら。

ドライバーズに関して言えばピアストリがとうとうサインツ🇪🇸(フェラーリを上回り4位へ浮上してきました。ベルギーGP前の段階では僅差で並んでいた6位争いは最終的に優勝となったハミルトンが大きく稼いで150ptに伸ばし、5位サインツに迫ってきてます。角田は今回ノーポイントだったので22ptで12位は変わりませんでした。

面白くなってきたのはコンストラクターズ争い。レッドブルのトップは変わりませんが2人の速いドライバーを揃えるマクラーレンが着々とポイントを重ねて現在はレッドブルに対し42pt差まで迫ってきました。通常の1イベントでチームが獲れる最大ポイントは44ptなので、マクラーレンは1レースで逆転可能なところまで迫ってきました。フェラーリもマクラーレンに対し21pt差と食らいついているのでここの戦いも熾烈。レッドブルはここ数戦フェルスタッペンも勝利から離れ、ペレスも十分な活躍が出来てない状況。ペレスは契約更新したはずではありますが最近はシート喪失の噂も立ち込めているくらいです。夏休み中にどんな動きがあるかわかりませんが、レッドブルはこの状況を打破しないとコンストラクターズタイトル3連覇が危ういかもしれないですね。

さて、次戦は約1ヶ月弱のサマーブレイクを挟んでオランダGP🇳🇱。
この夏休みを超えて、各チーム各ドライバーはいったいどんな変化が生まれるのか?
次戦も見逃せませんが、まずは1ヶ月近く、ゆっくりしましょう(笑)。


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